森を都市部に売る工夫は?
 

 今週のゲストは安芸林業事務所林業指導員である福留将史さんです。福留さんはデジ森でもふくちゃんのペンネームで森林での活動を報告されています。
 今日のテーマは「森を都市部に売る工夫は?」でお話をお聞きします。都市部の人たちにとりましては森林は遠い存在です。環境保全や水源地としての大きな役割が森林にあるにもかかわらず、近年は「スギ・ヒノキ」が原因の花粉症の迷惑地域のような報道すら見られます。

 春先になりますと「花粉症」が話題になります。林業で作業をされる人は花粉症になるのでしょうか?花粉が原因ではなく都市部の環境が原因なのではないでしょうか?
 花粉症防止の「グッズ」などはありますか?

 背景には、日本人の免疫力が低下したことが大きな問題です。
 職場にも花粉症の人はいて、現場へいく場合はマスクやゴーグルを予防的にしています。


行政の方も、花粉の出ない、杉を品種開発して、苗木を増やしたり、今あるスギの木を伐採するなどの対策をしています。

福留将史さん
 県産木材を使用した住宅の販売はどうなのでしょうか?大阪千里にも住宅販売展示所があるように聞いていますが?今はどうなっているのでしょうか?
 アンケートを取ると、8割の人が「木の家」がいいといいますが、実際はそうなっていません。これは、鉄骨とかRC工法などと比較しますと価格が「少し割高になるから、木でなくてもいい。」となるわけです。それがネックになっているのではないでしょうか?」
 ただ高知県には「土佐派の家」というのもあります。100年は普通に建っています。100年は通過点であるという文化です。家が100年以上持ちことを考えて見ますと、木の方が全然安いのですね。
大阪千里は数年前に終了しています。350戸中、100棟くらいはハウスメーカーに販売。木造が100戸。残りの土地はハウスメーカーに譲渡しまして販売は終了しています。
木造住宅の建築現場です。
龍馬の生まれたまち記念館は土佐派の家です。
 県産木材を使用した木工品の販売状況はいかがでしょうか?以前檜を使用したすのこなどが好評であると聞きました。またエコアス馬路のほうの展開も活発であると聞いていますが?
 一時期よりは、減少していると思います。踏み台や、すのこなどが主力製品ではないしょうか。マウスパットやいろいろな製品があると思いますが、あまり知られていないのが現実です。
エコアス馬路村意欲的にやっています。お皿を2つ合わせたような形の座布団もあります。かばんをモナッカというブランドで商品化しています。林業事務所の職員も仕事で使用します。馬路村の職員も使用しています。
valocity編集長武田幸恵さん橋本大二郎県知事も愛用しています。国友昭香さんも愛用されています。価格は1万6000円くらいです。

 何度も伺っていますが、グリーンツーリズムと提携した取り組みは進んでいるのでしょうか?山村民泊は進行しているのでしょうか?
 森林体験というのは連携は県内では事例を知りません。農業主体にやっていますので。山村民泊は、県内に10軒くらいあると思います。

 「体験型観光」が静かな流行をしています。都市部の人は森に憧れますが、安易な取り組みは危険であると思います。福留さんの立場から気をつけないといけないところはどのようなところなのでしょうか?
 林業は、とくに知識がないとだめです。一般の人は知っているようでわからないことがたくさんあります。例えば道端から30cm森林に入るとそこに何があるかは、わかりません。これはたくさんあります。特に夏場なんですが、マムシで噛まれて亡くなっている人は年に1人ぐらいですが、蜂に刺される人は年間に何10人もいます。
 山は危険なんですよ。山師の人は危険防止の為に杖がわりに棒等を持ち歩いています。先の枝などを触って蜂が飛んでいることを察知し、危険を未然に防止します。なにげないところに危険が一杯あります。
 山は危険であるとの認識がまず必要です。それを理解されたうえでとりくまれたらいかがでしょうか?
 山は危険が一杯あるという認識で入らねばなりません。
 話はかわりますか、沖縄県物産公社「わしたショップ」は都市部で大成功しています。高知が沖縄に勝るとすれば、森林資源を提案するところであると思います。福留さんが仮に高知県物産公社の展示をまかされたとすれば、何を展示されなにを提案されますか?

参考 

わしたショップ 関連記事

http://www.nc-21.co.jp/dokodemo/whatnew1/maeda/washita.html

http://www.washita.co.jp/


わしたショップ東京の様子。銀座の一角に広大な店舗で出店しています。

 高知県産の木材にはこだわりたいですね。ディスプレーなどには、県産材での棚などから入りたいと思います。優れたデザイナーなどの技術を持たれている人は沢山います。その人たちに依頼してやってみたいと思います。
 県民の人があまり知らない、クラフト組合などの団体があります。細々とやっているようなもの。そこにしかないようなものを魅力的な商品はあります。
 また、商品は、県内各地の商品、どこの誰、産地などの山が見える展示を考えたい。身近な商品を安くしたいと考えています。
 いの町本川地区の様子。
子供達のキャッチコピーは大正解です。