森を育て守る行動計画について
 
 今週のゲストは安芸林業事務所林業指導員である福留将史さんです。福留さんはデジ森でもふくちゃんのペンネームで森林での活動を報告されています。
 今日のテーマは「森を育て守る行動計画について」でお話をお聞きします。高知県の84%は森林です。県民として何ができるのか、なにをすればいいのかをお聞きします。
ボランティアの間伐推進をされている人たちもいます。間伐作業も危険で、なかなか難しい作業で、専門性が必要なのではないでしょうか?

 山での作業、特に伐採という作業は大変危険です。 プロでも死ぬ人がいます。それだけ危険な作業であることを認識してください。


 去年の死亡事故などは、思わぬ方向に木が倒れてくることがあります。それだけ気をつけなければいけないことですね。

福留将史さん

 間伐作業が高知県の森林には必要であると言われています。今ひとつ実態がわかりません。それは進んでいるのでしょうか?伸び悩んでいるのでしょうか?
 間伐をより進めるにはなにが必要なのでしょうか?お金ですか?人ですか?
 なんでもお金があれば人が集まります。
 作業は、目には見えにくいですが着実にできています。道端から、よく見ると結構手入れできているところがあります。道端間伐は非常に危険で人役がかかるので、奥地の広い山から実施している。間伐を進めるには、お金が必要ですが、自分は、町の人が木製品を購入することで、山の間伐が自然と進むことを望んでいます。
  これこそが、高知県の「木の文化」といえるのではないでしょうか。
伐採作業で後の運搬が大変なようです。
 植林作業は進んでいるのでしょうか?企業や市民の協賛は進んでいるのでしょうか? ある企業がが森林を涵養の為に購入されたようにも報道されていましたが・・。
 植林作業は、殆ど進んでいません。理由は皆伐(かいばつ)がほとんどありません。また、皆伐されても、植林するお金がないということで放置して数年しますと広葉樹の林になる「植栽放棄地」が増えています。
 具体的に言いますと繁藤ですが、穴内ダムの上流は大きな企業が山林を穂湯しています。木を切りましたがその後は植林されていませね。たぶんあそこは猪野山にあんるのではないかと思われます。
 土佐備長炭は人気があります。炭焼きなどは環境にもやさしく良いのではないかと思います。炭焼きの育成計画などはないのでしょうか?

 炭にはいろいろな活用方法があります。自分の実家でも炭を焼いています。炭焼きは大事なことであると思います。
 育成計画などの話を研究機関としたことがありますがいい返事はありません。


 高知県で問題になっている間伐材は、炭にしたらと良い思います。捨てるところがないからです。例えば杉は炭にしますと軽くて不適のように言われていますが、焼肉をするときの炭にすれば、ちょうどなのですね。実に美味しく焼けます。試しに焼いてみようと思っています。


 木を短く1メートル20くらいに切りまして、釜の中にいれます。捨てるところがまったくありません。昔は里山に炭焼きの窯がたくさんありました。それに木をいれてまた、昔の炭窯を復活させれば、ローコストでできると炭窯が完成すると思います。
 高知県下に広めていけば面白いことが出来ると思います。

土佐備長炭の釜の様子(室戸市)
釜出しの様子です。
 バイオマスの発電を聞きました。また木からプラステックをこしらえる構想も聞いてことがあります。実現性はどうなのでしょうか?
 プラスチックの技術は、落ちている葉や枝からこしらえるというものです。
5年前くらいからあり研究の成果を見ました。京都大学で研究され、成果が出ています。木からできているので自然に帰ります。なぜ普及しないか疑問です。国産材の場合はたぶん材料集めが問題ではないでしょうか。
 バイオマスも、生物資源と言うか難しいイメージがありますが、徐々に開発が進んでいます。県内でも、ペレットのストーブなどを作っているところもあります。灰の出ない燃焼効率の良いストーブですね。もっと進んだところは発電に活用しています。暖房だけでなく冷房にも活用しています。

 森を育て、守るためには経済効果も必要です。構想でも良いですが、プランなどがありましたらご披露下さい。
  最近の話です。南国市のメーカーですが、移動式の製材機を開発しました。高知で無くなろうとしていた技術を量産できるようにしました。 丸のこで上手く木をひくことができませんでした。それを土佐町の山中さんと言う人が技術を持たれていました。その人とメーカーが一緒になって、こしえました。木を育てる人が一貫して、製材から、木材加工できるグループを作りました。(ホッキー間伐材加工研究クラブ)
 自らが、木を加工することで木の育て方もわかります。また、商品は、小学校などで利用され、木を利用することで森に行って間伐しなくても、間伐できることを子供に教えています。
森に対する興味を持たせる授業が行われています。(福留将史さん写真提供)
 
 山へ行って木を伐採することだけが間伐作業ではありません。街の人が、街の中で木を使用し、活用する。それが大事ではないでしょうか。
 例えば、旭東小学校の6年生が授業の中で木のプランターを作ると、土佐町の水源地でテニスコート2面分の間伐が進むと言った具合です。そうしますとこの山の所有者は、数年後に間伐対象の山林がなくなってしまいます。
関連サイト
安芸林業事務所ホームページ http://www.pref.kochi.jp/~seisaku/aki-r/
デジ森どっとこむ http://www.digi-mori.com/dmr/index.html
里山’s Bar 〜おおのたまらん!土佐の山・里〜 http://washinosat.exblog.jp/m2006-02-01/
土佐の森救援隊 http://mori100s.exblog.jp/
3月番組に戻ります