森林の総合的な活用法とは?
 
 今週のゲストは安芸林業事務所林業指導員である福留将史さんです。福留さんはデジ森でもふくちゃんのペンネームで森林での活動を報告されています。
 今日のテーマは「森林の総合的な活用法とは?」でお話をお聞きします。
森林は多様な用途があると思います。思いつくまま申しますと、木材としての用途。水源地としての「緑のダム」。二酸化炭素を吸収し、酸素を作り出す機能もあります。林業事務所として力をいれられているのはどういう箇所なのでしょうか?

 わたしのセクションは「間伐推進チーム」というところにいます。間伐により、土砂の流出を防いだり、水資源の確保などをしています。また、治山工事で山腹崩壊を直したり、林道開設により木材搬出のコストを下げたりしています。


 あと木は高いのでコストを下げることもする必要です。林道開設などもしていまして、木材搬出をなどをしています。
 他には最近はやらなくなりましたが、子供達の森林環境教育とか、一般の県民の方に広く山のこともわかっていただく様々な活動をしています。

福留将史さん
 福留さんは「子供達の野外活動などの企画・支援をしています。木を使うことは、森を救うことにつながる。木のよさをいっしょに考えませんか?」と言われています。木工教室などをされていますが、子供達の森に対する関心は高まりましたか?
 高まったと思います。出向いた学校などでは、高まったと思います。その中で、現在まで、児童の自発的な間伐材の商品化などが実際に行われました。
 出向いた学校で子供達が何をしたかをご紹介します。実は4年生を担当しました。高知市内の旭東小学校です。ここの子供達は4年生での総合学習です。5年生、6年生もします。6年生が3月にあることを言い出しました。「学校改造をする。」とのこと。とても出来ないだろうなと思いましたが、子供達は見事にやってのけました。
 学習室という部屋がありますが、木で一杯にしまして卒業していきました。
 学校を訪れる人たちへの配慮ということで、床の一部を木にしたり、木でベンチをこしらえたりしました。テーブルなどもこしらえました。
 男女共同参画センターソーレで地域の人たち300人を集めて子供達が堂々とプレゼンテーションもしました。僕はそれを聞いていまして涙が出ました。
高知市立旭東小学校では間伐材の商品化へのアイデアが子供達から次々と出たようです。
 最近「グリーンツーリズム」などが言われています。森林体験型観光なのでしょうか?また県下では受け入れ態勢が整備されているのでしょうか?
 どうなんでしょうね。森林体験型ではないと思います。農業がベースになって取組みが行われています。農作業する中での取り組みが行われていると思います。いの町などでも盛んに取り組まれています。
将来は、里山を中心にメニューが展開されると思います。
 最近高知県庁は「環境先進企業との協働の森づくり事業」を展開しています。
「国内排出権取引の創設を視野に入れながら、環境先進企業と高知県が協働で、CO2吸収源である森林に着目した持続可能な森づくりを推進することによって、地球温暖化対策に貢献するとともに山の荒廃防止と雇用の創出を図る。」というものですが、事業は進展しているのでしょうか?
傾斜地での間伐作業は危険もともないます。
 山の日を定めて森林環境税を導入している高知県ですが、また違ったやりかたで森作りが動き出したということです。協働の森作りでは大手商社の基金団体と事業提携が決まりました。第1号ですね。他にも数社が検討しています。今後の広がりが期待されています。
内容は、高知県のホームページで見ることできます。

環境先進企業との協働の森づくり事業

http://www.pref.kochi.jp/~junkan/kyoudouno_mori/kyoudounomori_gaiyou.htm

その場合、林業に対する影響はプラスなのでしょうか?また高知県下には該当する森林はたくさんあるのでしょうか?
 マイナスになることはないと思います。「業」としてみれば、しっかりしたところが、適正な管理をする必要があると思います。
 現場サイドから言えば、森林には所有者があり、意見をまとめるのはなかなか難しいと言うことですね。説得する作業が難しいのですね。所有者の理解を得ることがまず大事です。
 ホームページには、「候補地は、全国ブランド地域、森林認証地域など物語性のある地域や高知空港やインターに近い地域であって、管理者が明確であり、かつ対象市町村や森林ボランティアなどのサポート体制ができている地域を優先的に選定」とあります。
このような、ハード事業は経験上森林はすぐには出てこないと思います。
 

 収録の様子です。福留将史さんは森のこと、木のことを熱心にお話いただきました。実家が炭焼きもされているそうで、炭の活用も言われていました。

 森林の問題は環境問題とセットで考えるべきであると思いました。特に高知県は84%が森林ですので。

 森林の活用は「環境保全型社会」になると言われています。具体的な実例があればご紹介下さい。また欧米などの事例もあればご紹介下さい。
 森林の活用は「環境保全型社会」になると言われています。具体的な実例があればご紹介下さい。また欧米などの事例もあればご紹介下さい。

ヨーロッパでは、地形が全体に緩いこともあって、森林経営が上手に成り立っているところが、バイオマス発電など成功しているところです。
 ヨーロッパは日本と異なり地形が緩やかです。ですので森林経営が上手くいっているうようです。他の事業にも手が廻せるのですね。
 例えばバイオマス発電ですね。この間の情報ではバイオマス列車が走ったとか。世界はどんどん進んでいるところがあります。

旭東小学校の子供達による発表の様子です。
バイオマス   http://www.biomass-hq.jp/

バイオマスとは? http://www.biomass-hq.jp/fk/index.html

* 学校関係の写真は福留将史さんに提供いただきました。