国を守る気概について
 今週のゲストは高知豊中技研専務取締役の山中邦昭さんです。今日のテーマは「国を守る気概について」ということでお話を伺います。
 山中さんは自衛隊に勤務したこともあり、現在の仕事の傍ら予備自衛官として訓練もされています。イラクへ自衛隊が派遣されました。自衛隊と国際貢献のありかたが問われ、関心を持たれています。
国を守る気概についてどう思われますか?日本人は「平和ぼけ」しているのでしょう か?
 そうですね。「平和ぼけ」という言葉が言いか悪いかわかりません。今日本の経済を支えている世代は戦争の体験がありません。そういう意味では「平和ぼけ」かもしれません。 この間イラクのほうへ報道者も含めて日本人が行っています。人質にされたりしましたね。
 だれか忘れましたが「自分がこんなことしているから良いじゃないの」という発言がありました。私はあの発言には反感がありました。日本の国政府がどういう立場にあり、どういう風にしていかねばならないか。そこを考えないといけないと思います。
 個人で生きているわけではありません。日本人なら日本の国がベースになっています。いいか悪いかは別にしまして、日本の国を念頭に置くべきだと思いますね。
 予備自衛官についてお訪ねします。どのような訓練をされるのでしょうか?
また日常生活で気をつけられていることはありますか?トレーニングなどはされていますか?
 トレーニングらしき訓練はしていません。予備自衛官は年間5日間訓練があります。それは義務づけられています。まず身体検査をします。健康診断ですね。後は射撃訓練をします。25発から30発ぐらい実弾をライフルを撃ちます。
 あとは体力測定、基本訓練と、精神鍛錬をしています。
 自衛隊では体を常に動かしていますので、体は意識しています。敢えてトレーニングはしませんが、バレーボール、ソフトバレーボールをします。ゴルフも行きます。夏はサーフィン、冬はスキーやスノーボードに行きます。なるべく体を動かすことには気をつけています。
実弾射撃訓練は、必ずします。
 有事関連法案やイラク特措法、多国籍軍への自衛隊の参加など、最近かなり状況が変化いたしました。お立場上の変化は感じられますか?
 今のところは直接感じません。ただこれからはわかりません。自衛隊自体の編成も去年から変わっていますし。予備自衛官としての職務がこれからどういう具合に変わっていくのか。具体的にはまだ出てきてはいません。現在のところは変化はありません。
自衛隊には自衛隊法という法律があります。まずそれを遵守します。自衛隊基地内では射撃をします。自衛隊基地の外では出来ません。
 最近若者の意識についてどう思いますか?国防と言う危機意識は殆どないようですが。
 なくなってるのは当然だと思います。今は冷戦時代は過ぎ、アメリカ1人勝ちのような時代ですので。当然基本的に日本は守られています。いくら日本に兵器があり、それなりの人間がいましても自衛隊なわけですね。戦争をするための部隊ではありません。さきはわかりませんが。アメリカに基本的に守られている形なのでしょう。

 冷戦が終り、アメリカ1人勝ちなので、直接我々が攻撃を受けることはないです。これだけ平和で貧富の差がなく、平和に過ごせます。そういう意味では日本は生活しやすい国です。生活をしていましたら、国防という意識は薄らいでいて当然だと思います。

 南海地震対策も含め、市民と消防、自衛隊との共同訓練は必要であると思います。
そのあたりはどうなっているのでしょうか?
 わたしは直接携わっていませんので、はっきりわかりません。市民と消防は県を上げて1年に1回は大きな訓練をしています。自衛隊の共同訓練についは、特殊な動きをされている消防の人とは連携はしています。訓練はしていると思います。
阪神大震災で救援活動の自衛隊 消防との合同防災訓練はしています。
 自衛隊での体験は、実生活でどのように役立っていますか?
 私は自衛隊時代、「体力検定1級」という資格を持っていました。これは体力バランスがトータルでとれていませんと取れない資格です。重たいものをもつ。飛んだり。幅跳びですね。100メートルを何秒で走れるか。50キロの土嚢を担いで50メートルを何秒で走れるかとか。
 懸垂が何回できるのかとか。1500メートルを何分で走れるのかとか。ソフトボールを何メートル投げられるのかとか。そういう種目がありました。その1級でした。
 それもありますので、あまり体力は落としたくありません。
自衛隊で辛いな思ったときは演習に出たときでした。山に1週間こもります。雨が降ろうがどうしようが変更はありません。当然寝れないし、手も洗えないし、着替えも出来ません。食事ができるのが精一杯です。
 ちょっとやそっとでは、なにがあっても気になりません。部屋に1匹蚊が居ますと気になって寝れません。ところが5匹も6匹もいますと諦めて寝てしまいます。ですからサバイバル状況になりますと昔の訓練が役立つのかなと思います。夏場はキャンプなどに行きますが、みなさん困ることがありますが、わたしは困ることが殆どありません。
 だいたいキャンプへ行きますと主役的な存在にならざるを得ません。仕事では少々のことでは諦めない。粘り強さは自衛隊のなかで培われたものであると思います。

サバイバルな訓練での体験が、実生活で役にたっていると山中邦昭さんは言われました。