上手なファイナンシャル・プランナーの活用法は?
  今週のゲストは、ファイナンシャルプランナーの浦田健治さんです。今日のテーマは「上手なファイナンシャル.プランナーの活用法は?」でお話を伺います。
 昨日はファイナンシャル.プランナーが「資産管理の専門職」である説明を受けました。実際には、どのような場合、場面にファイナンシャルプランナーを活用すれば良いのでしょうか?
 例えば人生で大きな買い物といえば住宅購入です。だいたい30代後半から、40代にかけて購入される人が多いと聞いています。企業などでも中堅になる年齢層などですが、注意点はどのようなことがあるのでしょうか?
 そうですね。住宅などは一生に何度も購入するものではありませんね。計画を立てなければなりませんね。まずは絶対に無理なプランを立てないことですね。
 どんな豪邸がほしくても、返済できる範囲でしか購入できないことを理解することがなにより大事です。
 それから人生設計をされて住宅を購入されても、やはり「計画が狂う」ことはあります。まさかの転勤があるとか、転職をしなければならないとか。そういうことは良くありがちです。
 例えば住宅ですが、一生もので購入いたしますが、売らなければいけないこともあります。完全に自分好みで、悪く言えば奇天烈な家を建ててしまいますと後で売れないことになります。
 そんなことも考えておかねばならないことですね。
 住宅購入は一生に一度といえるぐらいの大きな買い物です。買い物ですから支払計画をきちんと立てるべきです。また予期せぬ事態で「手放す」こともプランニング段階で想定しておかないといけませんね。
 あと大きな支出項目は「子ども達の教育費」です。地方から、コストのかかる都市部の私立大学へ進学したとして、どのようなプランが必要なのでしょうか?
 みなさんおそらく子供が生まれて順調に育っておれば、今の時代は大学まで卒業してもらいたいと言う希望がありますね。私立大学にで2人の子供を通学させている友人がいます。毎年ベンツ1台分の生活費と学費がかかっているとのことでした。
 別の友人は幸いにして2人とも国立大学ですが、ベンツまでいかなくても国産車の上級車程度の費用が毎年かかっています。大変な出費がかさみます。
 もちろん収入に応じてとか、お子さんの出来不出来にもよりますが、奨学金があったり、計画だって。学資保険などを利用したりしまして、大学進学にどの程度費用がいるのだろうかと計画するのが大事です。
 

 住宅購入と子供の学費支出の次は、退職後の老後資金です。一体どのくらいあれば安心した老後生活が過ごせるものなのでしょうか?
 ある大手の銀行の調査機関などによりますと、毎月24〜5万円で普通の生活ですね。少しリッチな生活と言われるのは35万円くらいでしょうか。
 今の時代は人生80年ではないですね。90年、100年時代です。ですから掛け算をすれば、60歳になったときどれくらい持っていれば安心かが出てくると思います。恐ろしくなります。計算してみて下さい。
 日本では従来は「老後に備える」意味もあり、預金で資産を保有する人が多かったです。アメリカなどでは資産運用やりかたが全然違うようですが。何がどのように異なってうるのでしょうか?
 そうですね。実はアメリカでも1970年代までは預貯金で資産を持っている人たちが殆どでした。今の日本が直面しているような不安が一足先にアメリカでは来ておりました。
 年金も健康保険制度もアメリカは十分ではありません。だから自分でなんとかしなくてはいけない時代が来ておりました。それに応じて民間の会社が金融商品を用意したということです。
 ですから「積極的に」いうこともありますが、ある面、しょうがないかなということもありました。いろんな有価証券などで運用したり。そういう側面もあります。

 日本では郵便貯金が人気でした。郵政公社が民営化した場合の影響はどうなのでしょうか?やはり資産管理も「自己責任」になるのでしょうか?

郵便局は日本国民に大変身近な存在でした。今郵便事業の民営化問題でゆれています。
 郵便局の貯金は人気がありました。それは金利が良かったからですね。思い出してみてください。昔は郵便貯金をしていれば10年で元金が倍になりました。そういう信頼感がありました。それは郵便貯金だけではありませんでした。
 それと絶対につぶれないこともありました。でも今後の日本を考えますと低金利と言うものが、当面続いてしまうのでしょう。そうしますと資産運用を考えますと、郵便貯金だけでなく銀行預金もそうですが、1年預けて金利が0.03%ですね。100万円を倍にしようと思えば、2年ではなくて2400年かかることになります。
 そうすると郵便局でも投資信託などを窓口で販売するような話になっています。そういう意味では決まった金利を求めて手堅く、しかもいい思いをしたいと言う時代は来ないということですね。
 ですからリターンを得ようとすればそれなりのリスクを覚悟することを認識することが大事です。
 卑近な質問です。ファイナンシャルプランナーに「設計」していただく場合、どのように依頼するのでしょう。またその場合の報酬はどの程度支払えばよいのでしょうか?
 ご依頼される場合は電話なり、ご紹介いただいたり。電子メールなどでも依頼は来ます。そこでお互いの時間の合う時間帯で相談を受けます。私の事務所なり、依頼者の自宅なりでお話をします。
 一般的な料金体系ですが、ライフプランの将来設計なのですが、見直しなどでは、1時間当たり1万円ぐらいの相談料をいただいています。
 案件によりましては、たっぷり時間を足らなければいけない場合には、個別相談でお願いしています。
 そういたしますと上手な依頼の仕方は、依頼者とファイナンシャルプランナーとの信頼関係が大事であると言うことですね。
 最初の面談が大事ですね。お互いが信頼できるのかどうか。
 いきなりこの問題を解決してくれと持ってこられる人が多いですが、回りくどいようですが、お互いの信頼関係を確立してからのことになります。
初回はどうしても時間がかかります。2〜3時間かかることがあります。「こんなことでお金がかかるのか」との思いが依頼者にありますし。納得いただきましたら次回からは1時間1万円ということで相談が進みますね。
 そのヒアリングがとても大切です。それがなければご相談1回で終わりということもあります。
また私は金融や企業の退職金プランなどが専門です。それ以外の課題がある場合もあります。その場合は専門関係者のネットワークがございますので対応することができます。