スローフード高知とは?
 今週のゲストは、スローフード高知会長・焼畑による山起しの会会長の上田孝道さんです。今日のテーマは「スローフード高知とは?」でお話をお聞きします。
 「ファーストフード」に対抗する「スローフード」。イタリアで1986年に結成された運動です。世界に支部が出来ているようです。
 スローフード高知も世界的な運動と関係あるのでしょうか?日本では何番目の結成なのでしょうか?また会員は何人ぐらいいるのでしょうか?

 スローフードの支部の認証を受けています。スローフードでは支部のことををイタリア語で「コンウ゛ィウ゛ィウム」と言います。具体的には今年の2月27日に北海道の帯広で全国会議が開かれまして、この席上スローフード・インターナショナルのカルロ・ぺトリーニ会長とスローフードジャパンの会長と、スローフード高知の私と、3者が連帯を結ぶ署名をしております。


 ですから会員からの1万円の会費というのは、インターナショナルとジャパンと、スローフード高知で配分しまして、具体的な食文化運動に生かされています。


 つけくわえますと、スローフードの起こりなのですが、1986年に結成されました。通常この種の運動は都市部で起こりますが、北イタリアの田舎町のブラという町で発足いたしました。
 スローフード高知は33番目の認証で、現在会員は60名となっています。

上田孝道さん
 
カルロ・ペトリー二会長
スローフード高知設立総会(2005年2月12日)
 スローフード高知はどのような人たちが会員なのでしょうか?日頃はどのような活動をされているのでしょうか?シティFMでお馴染みの岡林実さんも会員なのでしょうか?
 そうですね。食のボランティアですので、食に熱心な消費者、料理関係者。食品の生産に関わる人、食と健康に関心の強い医師、大学職員などが会員ですね。日頃の活動は、国際活動の目標なのですすが、「生物の多様性を守ろう。(現在植物にしても家畜にしても品種がどんどん減少していますので)。2番目に食と味覚の知識を国民全体に広げよう。」
 食文化は大変複雑で、単純に甘いとか、しっとりしているとかいう美味しさだけではありません。それだけではない味があることを皆で勉強しようというものです。
 3番目が「持続できる農業の推進」ということです。もう一つは[食の喜びを尊重する文化です。」食べるという意味をもう少し深く考えていこう。そのようなことを普及しようということです。
 岡林実さんは私とも付き合いが古く、当初からのメンバーです。料理関係者の立場で行動されています。
岡林実さん(説明されている人)も中心メンバーです。
地元の食材を使用した料理です。土佐ジロー鶏飯
 上田さんは以前「うまいものを食べる会ではない。」と言われています。農業の見直しや環境保全など社会運動なのでしょうか?
 そうですね。スローフードは響きが良くて、皆さんがふわっとした会かなと理解されています。実はそうではなしに、世界の食文化を堅持していく。そういう風な理想の高い会であると思っています。
 農業の見直しとい言いますのは、大量生産、大量消費、流通といういわば[ファースト・フード」的な思想。そういうものには賛同しないという考え方です。伝統食を大事にする考え方です。
 外国から食品が入ってくる過程で、燃料をたくさん使用しますし、二酸化炭素もたくさん出すわけです。環境には良くない食料を食べています。地元で出来たものを食べるということは、そういう面でも環境面で優れた食品を食べることになりますね。
 高知県庁は「地産地消」ということを呼びかけています。スローフードと関係はあるのでしょうか?また学校給食なので地元の食材を使用することが南国市でされていますが、関係はあるのでしょうか?
 
 地産地消というのは、その地域で出来たものを、その地域で消費するというものです。スローフード協会の理念と非常に近いですね。あるいは背景にスローフード運動があるかもしれません。
 その違いはスローフード運動は世界の食文化運動ですね。地産地消というのは、行政が国民や県民に[地元で出来たものは地元で食べよう」という行政が呼びかけています。
 スローフード協会の場合は個人が1万円を拠出しまして、その1万円をもとに具体的な食文化運動に生かされています。ファーストフード的なものの考え方をよしとする考え方には賛同いたしません。スローフード運動は不買運動ではありません。
スローフード高知の具体的な動きをおかまいない範囲でご紹介ください。
 まだ発足してまもないです。質の良い食品、郷土料理を提供していただく小さな料理店。こういうところを支援していこうということを確認しています。経済優先社会でつくり手が少なくなった食材を作る農家を支援しています。
 料理をつくっている会員の方が支援し、量ガ増えれば流通に関係している会員が流通ルートに乗せます。
 もうひとつは子供たちを含めた「食育」をしていこう。生産現場を訪問し、提供いただいた食材を調理していただいて、みんなが食べて食の喜びを知るようなことをしています。
土佐ジロー鶏飯開発の試食の様子です。
行事の様子。竹筒でのご飯。
スローフード・ジャパンのホームページ

http://www.nt-slowfood.org/about/idea.html

高知県庁地産地消課のホームページ

http://www.chisan-chisho.com/

スローフード高知のイベント「スローフード意識で塩を探る」(完全自然塩保存会。佐賀町にて。

写真は上田孝道さん提供です。

*本文挿入の写真は上田孝道さんに提供いただきました。