「出産」「子育て」などは、「女性のキャリア」として社会的に評価される仕組みは考えられないのでしょうか?
また「介護」も社会的に評価される仕組みづくりが急務であると思いますが。学会や政府の関係者で議論はされたことはあるのでしょうか?
議論はされています。子供を生むことは年金などの社会保障の担い手を増やすことになるからです。貢献している側面がありますね。例えば年金の負担や、給付を子供のいる家庭にはメリットをつけるとか。ただ社会に対して次の担い手を育てていることで評価することはひとつの方向です。この発想が強く行き過ぎますと、子供が生みたくても生めない人に対して差別的な問題になるのではないかという心配があります。
介護も家族でやる場合に、家族でされる場合は評価するという考え方もあります。実際にドイツの介護保険などでは、現金給付がひとつの選択肢になっています。ですから家族で介護される場合は現金を給付する、外部サービスを受ける場合は現金は給付されません。 これについても現金給付してしまいますと、家族が介護にがんじがらめになってしまう状況に後戻りするのではないかという懸念が言われています。選択肢を広げる意味で家族で介護する方法も良いのでしょうが、他方で外部サービスを充実させて、サービスの面で社会的に支援するのも大変重要ではないかと思います。