新堀川釣り大会について
 今週のゲストは、新堀川の歴史と生態系に高い関心を持たれておられる下司孝之さんと西岡謙一さんです。新堀川は絶滅危惧種のシオマネキやアカメ以外にも魚は多くいるようです。
釣り大会ではどのような魚がよく釣れるのでしょうか?ハゼとかボラなどでしょ か?すずきなども釣れるのでしょうか?
西岡 一番連れるのはハゼですね。ボラは見えるけれども意外に釣れません。その次に釣れますのは、キチヌなどの黒鯛の1種です。それからスミヒキ(煮付けたら美味い魚)そこらへんがメインですね。
 スズキはルアーですると釣れるそうですが・・。普通の人の釣り方では無理でしょう。
西岡謙一さん
 確認できる魚や蟹などは何種類ぐらいいたのでしょうか?
高知大学理学部も調査をされたように聞いていますが?
西岡 蟹やフナ虫のようなものまで数えますと100種類はいるでしょうね。
 浦戸湾にいるものは新堀川に殆どいます。浦戸湾の故郷ですからね。

 釣り大会の開催によりまして、近所の人たちや、子ども達の反応はいかがでしょうか?今の子どもは釣りのやりかたを知らない子どもが多いのではないでしょうか?
看板も表示されています。
新堀川での釣り。自然にこどもたちが集まるようになりました。
西岡 子どもは釣りのやり方がわからなくても釣りたいという気持ちがありますね。
小学1〜2年生などは私などとは話はしません。釣りたい一心で、西岡さんに教えてくれとかということで、コミュニケーションができます。
 それは子供の為にも中高年のためにも良いことであると思います。
 下司さんもこのあいだ高知大学の人達が、アカメの調査に来ていましたね。それを新堀川で目撃されたように聞いていますけれども。特筆すべき出来事があったのでしょうか?
下司 西岡さんが言われましたように、子どもが魚を釣っています。原点はこうやなと思ったのは、釣竿に針がついていない。餌がついていない。でも一生懸命に魚を釣ろうとしています。
 そういう点で本当は釣りなどをしたかったんだと思いました。
下司(げし)孝之さん
 それから今お話にありましたアカメの調査ですが、われわれは「アカメの幼魚がいた」と騒いでいましたが、高知大学の人たちは、そうではありませんでした。珍しい魚がいまして、殆どが絶滅危惧種です。その魚を発見されて大変満足されて帰られました。
 
 アカメの幼魚を西岡さんところで水槽で飼われているようなのですが。順調に成長しているのでしょうか?
西岡 だいぶ慣れてきたようで、元気に泳いでいます。餌をやりますとよって来ますし。子どもが見に来て喜んで帰ります。
 報道によりますと新堀小学校の子ども達も見学に来られたようですね。
 
西岡 このあいだ新堀小学校の4年生たち全員が、うちのアカメを見に来ていました。見学の後で新堀川の掃除をしました。
環境学習だったのでしょうか?
下司 新堀小学校が、高知大学理学部の町田吉彦教授に「環境出前授業」を正式に依頼していたようですね。その一環ですね。
釣り大会はいつごろから開催しているのでしょうか?また潮目を見られて月に2 回の開催されているのでしょうか?

西岡 釣り大会と呼べるほど大げさなものではありません。はじめたのは10年ぐらい前ですね。なかなか案内をしましたけれども人はなかなか集まりませんでした。
 釣っていても「本当かね?」というぐらいで、今ひとつの反応でした。


 今年の6月半ば頃から潮目のとき、日曜日のちょうどの潮目の時は、月に2回あります。2週ごとにずっと今年はやっています。

 先般の釣り大会なども、報道機関も関心を示しているようなのですがいかがでしょうか?そのあたりの反応はいかがなんでしょうか?
西岡 以前は珍しさを通り越してなかなか取材に来ませんでした。以前よりはここには魚がいるどうも釣れるようだ。という話が一般の人たちにも伝わり、報道機関の人たちも来てみるとそうだったと思われ、ニュースや記事になりました。
 新堀川の実態が一般の人たちに広がったということですね。
 釣り大会に関して行政の対応はどうなのでしょうか?
西岡 今のところはなにもありません。釣り大会をしていることはご存知であると思いますけれども。応援するとかせんとか、これはいかんとか。今のところは全然ありません。
 新堀川といえば、江ノ口川も含めて、その昔はパルプ工場の廃液が流れ、ひじょうに汚染された川でした。いつごろから浄化され、綺麗になったのでしょうか?
西岡 綺麗になったのは「生コン事件」の後からですね。昭和45年の頃でしょうか?それでもヘドロなどありますから急に綺麗になるわけではありません。綺麗になるまで10年はかかったと思います。
 最初はぼらなど汚れに強いものが泳いでいました。今は河川の土も生き返りました。ゴカイとかもいます。ですので新堀川で子どもが生まれるようになって7〜8年くらいですね。
高知市中心部を流れる新堀川。魚類も多い。清流新堀川と称してもおかしくないです。
 浦戸湾と新堀川は繋がっていますから、生態系が回復してきたということになりますね。
西岡 そうですね。自分達の中学の頃は水は真っ黒でした。それからいいましたら、浦戸湾は綺麗になりました。特にこの1年ぐらいで新堀川の水は澄んできました。
 「清流新堀川」と言ってもおかしくありません。

 新掘川には子ども達も含め関心が高まってきているのですね。
西岡 関心が高まるの次は日常化することです。子どもらにとっては当たり前です。そこまで来ています。
 

 市民活動のベテランであり練達者である下司孝之さんと西岡謙一さん。「話の話」ではなく即実践の話ばかりです。収録は大変スムーズでした。

 テープを聞きなおしてまとめていますが、あらためて「足元の資源」を見直す謙虚さが必要であると思いました。

 歴史の話を1日目と、2日目に聞きました。これで都心と言いますか、都市中心部で釣りが出来るというのは大変珍しいことだと思いますね。
西岡 そうですね。それこそ観光資源になります。体験観光ですね。そのつもりで、釣り大会は「練習」ということでやっています。