2005年の重大ニュースとは?
 
 今週のゲストはNPO法人明日への絆副理事長の島本茂男さんです。島本さんは毎週金曜日は易者として、はりまや橋商店街にて人生相談や占いなどをされています。
 今日のテーマは「2005年の重大ニュースとは?」でお話をお聞きします。
以前チラシに「2004年度の10大ニュース」を島本さんが書かれていました。
それと同様に2005年度の「重大ニュース」(重要で大事なニュース)についてお話ください。

 「10大ニュース」と言いましても個人的なものだったです。今年の世界や日本で起こった「重大なニュース」で言いますと、日本では総選挙で自民党の圧勝でしょうか。靖国神社参拝をめぐる韓国と中国との関係悪化もあります。


 尼崎市の列車事故、阪神の優勝、千葉ロッテの31年ぶりの優勝、日本1のほうがニュース性が高いかもしれません。
 県内ではダイエー高知店の閉店、街の映画館の撤退というところでしょうか。

島本茂男さん
 島本さんはエッセイの中で昨年は「経済を根本から見直す」ということを言われ ていました。今年も「ホリエモン」「村上フォンド」「楽天」などが「活躍」し  ておりました。日本社会は貧富の差が一層拡大したようなのですが・・。
 日本社会の貧富の差は拡大しますね。それも一握りの金持ちと層と、その他大勢の貧しい人々に分かれて、お互いとても理解できないところまで来ているのではないでようかと思います。
 TVを見ていましても貧乏に耐えて頑張る番組が(これはこれでいいのですが)ある一方で、お嬢様やセレブを探して驚くなんていう番組もありますね。

最近の日本はかつての「バブル時代」のような状況。品性のないお金持ちが跋扈しています。

 お金でなんでもかんでも自由に出来ると錯覚し、思い上がった人達の醜い姿が目立つこのごろですね。

島本さんが特に印象に残った出来事はありますか?
この出来事から日本社会が変わったことと思われたことはなにかありましたでしょうか?
 総選挙はもちろん触れなければなりません。小泉首相の靖国神社参拝について支持が49%、反対が48%という結果が出たことです。靖国神社参拝を支持するという意見では「自分達の問題で外国からとやかく言われることはない。」というものがあります。これは全く自己中心的な考え方ですね。
 自分の意見や行動が他人に不快感を与えるのであれば、その意見を聞き、話し合う必要があります。自分のことは自分で決めて良いというのは、悪いエゴイズムです。
 もちろん自分のことは自分で決めたらいいのですが、その影響があるなら、それによって行動を変えていくことは必要です。小泉首相の靖国神社参拝はエゴイズムのごり押し、自分勝手な行動で、むしろ酷い行動なのに多くに人が支持しているのが不思議なことです。
 本当に支持をする人は戦没者の慰霊を支持しているのでしょうか?諸外国から非難されても自己を貫く英雄的な行為を支持しているのではないでしょうか?確かに一見格好よく見える部分もありますが、それで本当に良いのかどうか1人1人が考える必要があるでしょう。
 安易にエゴイズムを支持してはいけないと思います。先ほどの調査結果はいろんなことを考えさせてくれました。
 総選挙の結果は、極端になりましたが、それについて島本さんはどのように思われますか?
 総選挙で考えることは、日本の民主主義はひ弱で結局十分根付くことなく滅びてしまったのではないかということです。日本の社会が変わったことを示す出来事であったと思います。
 劇場型選挙とよく言われました。国民は観客として刺客と造反議員の対決を楽しむことになり、より楽しませてくれた小泉自民党に投票した面があると思います。選挙は楽しむものではなく、自分達の問題として真剣に考えなければならないものです。
 但し、自分の選挙区に十分魅力的で投票しうるにたえる自分の考えを代弁してくれる候補者がいないと言う問題。選挙制度の問題もありました。たとえいたとしてもまず当選しないだろうという現実の問題。死に票が出てくる問題もありました。
 国政はどうしても身近な問題から離れ、メディアの情報によって左右されることになります。十分に討議し、世論をつくり、国民との結びつきのなかで動いていく民主政治のあり方からは大きく離れていることが今回良くわかったと言わざるを得ません。
 身近な問題や地方自治においては、話合いを重視する民主政治が健全であってほしいと願っています。
 

 総選挙の結果は小泉純一郎首相の率いる自民党の記録的な大勝でした。それが今後どのような結果を日本社会にもたらすかは注視する必要性があるでしょう。

(写真は2004年の参議院選挙のもの。この頃は人気に陰りもありました。総選挙李ではブームが再燃。選挙は不可思議ですね)

 憲法の改正問題がここへ来まして現実味を帯びるようになりました。そのあたりはどのように思われますか?
 憲法だって人間が作ったものですから、より良いものに変えていくことに問題はありません。しかし現在の憲法の精神を国民は十分に理解し、学習し会得しているのでしょうか?平和主義の精神をどうとらえ、どう実現するのか。右翼も左翼も国民への教育と言う点では不十分でした。自民党も共産党もです。
 十分に身についていないものを一部が変えようし、一部は強硬に反対する。そういう状況に思えてなりません。

 税金もどんどん上がるようです。「公共性」のあり方も問われていますが、それはどのように考えたら良いのでしょうか?
 国民に必要な福祉をまかなうために必要なら税金が上がることも仕方がないかもしれません。しかし金を出してそれで終わりと考えてはいけないのです。
 税金の使い道を監視することも大事ですが、自分達の協力によって福祉を作り出していくという考えと行動が必要です。公共性というのはお上のこと、与えられるのではなく、住民同士が力を出し合うことがで支えあい助け合う社会がつくれます。
 そういう住民が公共性を担うことこそ、税金を上げることより大事だと思います。NPOなどがもっとそういう行動をしていかなければなりません。
 また今年で象徴的な事件は、女子高校生が毒物を母親に飲まし、弱っていく様子をblogで公開したりしていました。あるいは同級生の男子が女子生徒に嫌われてと言われて殺害した事件もありました。青少年の極端な事件がありましたが、どのように思われますか?
 まずこれは第一に生きているという実感が欠落していると思います。blogに公開しているーバーチャル・リアリティ(仮想現実)に生きていて、現実の生活の中で生きていなかったのではないか。
 だから常識が抜け落ちたんではないのでしょうか。本当に私たちに必要なものはバーチャル・リアリティではなく、本当のリアリティではないかと思います。