NPO活動の良さと難しさについて
 
 今週のゲストはNPO法人明日への絆副理事長の島本茂男さんです。島本さんは毎週金曜日は易者として、はりまや橋商店街にて人生相談や占いなどをされています。
 今日のテーマは「NPO活動の良さと難しさについて」お話をお聞きします。
NPO法人明日への絆ですが、設立されたのがいつ頃で、今年で何年めですか?
メンバーは何人いらっしゃるのでしょうか?
NPO明日への絆が設立されたのは平成13年8月で、今年で5年目になります。メンバーは現在18名です。
任意団体と比較して良いところはありましたか?逆に決算報告や事業計画書、総会開催、総会の報告、会計報告など結構めんどうではありませんでしたか?
 うちの場合は任意団体ではなく、最初からNPO法人として設立されました。ですので最初からめんどくさい思いをしています。
 志(こういうふうにして社会を良くしたい)を基にして活動しているはずが、志以外の文書作成に労力を取られ気持ちが萎えることもあります。NPO法人にしたからといっていい事ばかりではありません。
 任意団体の方で法人取得を考えられているところは、十分にいろんな団体の話を聞かれたら良いと思います。NPO法人は県庁への報告、法務局への届出などめんどうなことが山積みです。うちの場合は理事の住所移転登記や、再任登記を怠っていまして過料を課されました。
 うっかりしますとそういうお金を納入しなければならなくなるので、運営に気を使わなくてはならないのです。
島本茂男さん
NPOは非営利法人ですが、当然活動すれば経費はかかります。活動事業費用はどのようにして捻出されているのでしょうか?
 活動費用は、会員からいただく会費や寄付金、助成金や補助金といったものもあります。助成金を受けますとその対象となる事業に時間をとられます。本来やるべき事業ができなくなる恐れもあります。
 NPOのフォーラムなどにも出席されているとのことでしたが、他のNPOの活動などで、気付いた点や感じられた点などがありましたらご披露ください。
 NPOもいろいろな分野でいろいろなものがあります。環境保護、青少年育成、高齢者や障害者への福祉、地域づくり、定住推進、生涯学習支援、防災意識の啓発などまだまだたくさん種類はあります。それぞれに事業を決めてどんどん活動しています。
 それらの事業は学習会などの啓蒙・啓発活動であったり、実際の清掃活動(仁淀川清掃など)であったり、社会の問題を提起する報告書をまとめる事業だったりします。NPO活動は市民が参加して新しい社会づくりを試みる社会実験です。社会をこれからどんな方向にしていくのか?社会の基礎をどこにおくのか?いろんな人達が参加して、話し合いを大切にして希望が見出せるなら素晴らしいと思います。

 NPOフォーラムには高知の多くのNPOが集まっていろんなテーマを話し合います。NPOと関わりのない方でも初日には基礎講座がありますので、よく理解できるようになります。

今年は12月10日に高知市朝倉の福祉交流プラザで開催され、多くのNPO関係者が参加されました。


高齢者を対象としたNPO活動を展開されているようですが、高齢者ならではの観点や悩み、大変さなどはいかがでしたでしょうか?
 高齢者を対象にしますと、どうしても高齢者に対するサービスが中心になってしまいます。サービスを提供する人が限られてしまうことがあります。高齢者も社会に対して発言することはたくさんあるのですから、高齢者の活力をどう引き出していくかということが大事になって来るでしょう。
 その一方で不安や悩みを解消する為には、支援者とつながりを持つことが大切になるのは言うまでもありません。

  今後のNPO活動の目標などがありましたら、よろしくお願いします。

 うちだけではなく、NPO活動はまず社会のモデルとなるべきであります。社会実験をした上で、社会づくりの実践的な理論を世間に公表し、社会をより良くしていくべきであると思っています。改革を止めないように、より良い社会を創っていくいくのはNPO活動にもその一端の責任があると言っても過言ではありません。

 NPO活動だけで社会を動かすことは出来ませんが、その活動を通じて地域社会で風を送り込み、新しい社会やその基盤となる考え方を芽生えさせることで、社会に貢献することが全てのNPOの目標にすべきことではないかと思っています。
 多くの地域住民と連携して活動していくべきです。小さなところで実験して、大きく活動を展開していくことです。

 新しい社会や基盤となる考え方を芽生えさせる事が、社会に貢献できることであると思います。最終的には地域社会への貢献で一致できますし、もっと力を割いていくべきであると思います。