身体障害者介助犬法について
今週のゲストはドックラン高知高知代表者の小田清建さん,副代表の松尾敏弘さん、曽我美佳さん、坂本恵美さんにに来ていただきました。今日のテーマは「身体障害者介助犬について」です。
身体障害者が補助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬)を同伴して国や地方公共団体の施設を利用する場合は管理者は特別な理由がない限りその利用を拒めないことになりました。
更に今年の10月からは、デパート、スーパー、ホテル、旅館、飲食店など不特定多数が出入りする施設にも適用されました。それについてお話をお聞きします。
介助犬の種類は、盲導犬、介助犬、聴導犬の3種類で良いのでしょうか?
またその犬は日本に何犬いるのでしょうか?高知でも数はいますか?
小田
日本では盲導犬は927頭います。利用したい人がやく8200人います。介助犬は25頭、聴導犬は15頭ぐらいです。高知県の場合は盲導犬は8頭ぐらいです。介助犬、聴導犬は残念ながら高知にはいません。
需要に対しては、介助犬などは全く足りないということですね。
小田
そうです。費用もかなりかかります。高知県のほうで補助を出しているのは年間1頭ぶんぐらいでしょうか。それも20〜30万ぐらいしか出していないそうですから。
介助犬には、特別な訓練が必要だと思います。おおよそどれくらいの時間と費用が必要なのでしょうか?
小田
介助犬や聴導犬は1年ぐらいかかります。盲導犬は2年ぐらいかかります。大変な訓練をしています。盲導犬を仕上げるのに200万円程度の費用がかかります。
介助犬を見かけた場合注意事項があろうと思いますが、どんなところにあるのでしょうか?
松尾
まず犬に触らないことです。お仕事中は話しかけたり、食べ物を与えたりしない。
曽我
仕事中は声をかけてはいけません。
一番の問題は、介助犬、盲導犬、聴導犬は訓練に費用も時間もかかること。それに絶対数が足りないことですね。
小田
そうですね
高知県全体で、介助犬などを増加させる動きは見えないのでしょうか?
小田
今のところ見えないですね。四国でも高知県が犬に対してはレベルが低いのですね。徳島などは、セラピーなどをどんどんしています。市も県も積極的に補助してやっています。高知県は必要性を認知されていないですね。犬に対しては。
テレビで見ましたのは「身体障害者介助県OK」とか書かれたステッカーがお店に貼られていました。高知県でもOKなお店は何軒かあるのでしょうか?
曽我
スーパーマーケット、量販店には既にステッカー貼られています。
デパート、ホテル,旅館、飲食店でもどうなのでしょうか?
一同
徐々に増加していると思います。いかないといけないと思います。
この法律は強制力はあるのでしょうか?
小田
入店を「拒めない」というだけですね。絶対がついていません。
介助犬になる犬は選ばれた犬で、エリートなのでしょうか?
小田
エリートです。
先日お話いただきましたセラピードックとはまた違うのですか?
小田
違います。
坂本
盲導犬でも訓練始めてなれない子は(途中まで行けても最後までいけない子)がたくさんいます。選ばれた1頭で2年かければ出来上がるというものではないようです。
違う話ですが、欧米の水族館ではいるかの調教などは、たとえばシーワールドなどは、アメリカとオーストラリアで入れ替わりがあるから疲れないとききました。日本は選ばれた1頭をずっと訓練するからいるかが疲れて死んでしまうこともあるそうですね。
ということは盲導犬などの訓練も同時に何頭の犬を訓練しないといけないのですね。
ドックラン高知の運動場。犬も人間も思い切って身体を動かしています。
小田
盲導犬になれるのは、何百頭に1頭ですね。
坂本
盲導犬になれなかった子を最終的に引き取るのを待っている人達もいます。
曽我
家庭犬には最高です。
小田
犬を訓練する訓練士の数も少ないし、養成施設の数も少ないのが現状です。
欧米に比べますと少ないのでしょうか?
小田
少ないし、遅れています。
曽我
日本は基本的にボランティアになっていますから。
坂本
出来上がるのも時間がかかるし、大変です。3歳ぐらいで訓練が終わり、仕事を始めますが、10歳になれば引退です。7年ぐらいしか活動できません。
松尾
犬も老化します。
社会システムで支えるものが必要ですね。
小田
訓練士を養成する仕組みが必要です。
8000人が待っているのに920頭しか盲導犬がいない現実は厳しいですね。介助犬、聴導犬はまだ少ないです。高知県でも絶対数が足りないのをなんとかしないといけないですね。
坂本
欧米に比べると遅れていますから。盲導犬になれるのはごく一部の選ばれた犬です。脱落した子をどうするか。引退した子達の行き場をどうするか今はすべてボランティアに頼っていますので。
行政や県の支援を期待したいのですが?支援や取り組みはどうなっているのでしょうか?
小田
先にもお話しましたが、盲導犬を育てるのに、200万かかるのに、補助の上限は20万くらいで、圧倒的に足りません。犬に対しても県も市も理解を深めていただきたいですね。
今後身体障害者介助犬は増えていくのでしょうか?展望をお話いただけますか?
小田
ドックラン高知でもセラピーのほうのNPO法人の認可が下りれば、訓練士の補助をするようにしています。だいぶ先が長い取り組みが必要ですね。