格闘技の世界について
 
今週のゲストはNPO法人全世界空手道連盟新極真会三好道場師範の三好一男さんです。
今日のテーマは「格闘技の世界について」です。武道や格闘技は範囲が大変広く私が知っている範囲でも剣道,柔道、テコンドー、相撲、レスリング、フェンシング、空手など種類も多く、様々です。共通しているのは、サッカーやバスケットボールのような集団競技ではなく、陸上や体操のような個人種目なのでしょうか?
相撲は最近若者に人気はなく、高齢者が支持しています。では格闘技全体が人気が落ちているかと言えばそうではありません。プロレスなどの専用TVは人気があります。
子供たちは昔から「強い人に憧れる」ということは、昔から変わりませんね。ヒーローは強いですね。純粋な気持ちでプロレスなんかを見ていると思いますね。
K-1やPRIDEなどが若者達に人気がありようです。総合格闘技というのでしょうか。
三好さんの属する新極真会はどのような考え方なのでしょうか?
私たちと目指しているものと全然違います。プロのK−1やPRIDEなどはルールが見ている人の要望に答えてどんどんエスカレートしています。ですからこれ以上エスカレートしますと非常に危険だなと言う気がします。
 ですから強い人を決めるためにああゆうプロの世界があります。私たち新極真会は強さだけではではなくて、強さ+体の弱い人、運動能力の低い人、体の不自由な人にも思いをはせれる人間になること。「強くて優しい人間を育てたい。」それが私たちの運動のコンセプトなんですよ。きびしいトレーニング、稽古は積みますけれども、アフリカに行ったり、カンボジアに行ったりしています。空手なんか習う環境ではない人達にボランティアで空手を教えに行ったりしています。今塚の原の「ピアハウス」という身寄りのない高齢者が入所している施設があります。すぐ近所に支部があります。そのお年寄りの人達が、子供達が元気に稽古をしている声を聞いてうれしいという話を聞きました。そういう高齢者の皆さんが喜んでくれるような空手であってもいいのではと思います。
 国際貢献もそうですが、様々な形で地域社会に貢献することを私たちは目指しています
カンボジアでの国際貢献活動の様子です
K-1やPRIDEなどは、ショーであり、エンターティメントになっています。登場を派手にしたりしまして。
そういう人達もいます。私たちがとやかく言えません。私たちとは目指すものが明らかに違うのですから。私たちはアマティア精神を追求するという故大山総裁の意志を受け継ぎ7月11日に新極真会を立ち上げたのです。
世界大会も開催されたわけですが、きびしい世界大会も会のなかであるので、あえて総合格闘技へ参加する必要はないということなのですか。
 
まず私たちが目指していますのは、出場選手の安全性を考えます。ですから後遺症が残らないためにグローブもつけません。大山総裁は「何もつけないから空手なのだ」と言われています。空手は純白の道着を着て、真っ白な気持ちで修行するものだと考えます。タイのキックボクシングのようにパンツを履いたり、グローブを着けたりするのは空手ではありません。そういうところへは行きません。
私たちは、私たちで目指すものがありますから、他を批判するよりも、自分達のことで忙しいのでそんな暇はないですね。
(三好さんによれば、グローブの重さが伝わるから、より危険であるという見解です)。
 私たちの空手は「社会に役立つこと」を目指しています。後遺症が残る形での試合はやらせません。
新極真会の格闘家で、以前は別の格闘技をしていたとか、他のスポーツ経験者の新規参入はありますか?
柔道や野球、サッカー、拳法など様々なスポートを経験されている人も多くいます。私自身も少林寺拳法出身です。
新極真会の世界大会ですが、優勝したり,上位入賞されますとどのような名誉が授けられるのでしょうか?
武道奨学金が与えられるだけです。高くはありません。一位で300万円程度です。
自分自身のために戦っていますので。
三好さんのお話の中で、新極真会の格闘ルールは何もつけないと伺いました。グローブもつけない、防具もつけない。シューズも履きません。危険性というのはどうなのでしょうか?
空手ですから。
一番最初は剣道の防具をつけたりはしていました。試行錯誤しました。最後は素手で、首から下を打撃しても良い。足は急所以外ならかまわないというルールになりました。厳しい修行で鍛えた者同士が試合をするのですから、殆どけが人は出ません。
修行をしますと、体が鍛えられ、試合で打たれても怪我しない肉体になるのでしょうか?
そうです。それくらいからだがつくられますね。
ということは世界選手権や全日本選手権があるのですが、そこへ出場するにはかなり修練をしないと出場できないと言うことですね。
世界大会へ出てくる連中は、一日8時間ぐらい練習していると思います。ですから普通の人では考えられない練習をしています。ぶっ倒れるまで練習しています。
8時間の練習ですか。
地方の選手は厳しいですね。アマティアですから、早朝や、深夜、昼休みを利用したりし他とか。許される時間を割いて練習しています。
わたしは格闘技をしたことがありせん。トレーニングは走ったりするんですか?それとも組み手をするのですか?
まずは走るのが基本です。ウェートトレーニングもして体をつくります。心肺機能を高める稽古もします。空手の土台である基本をしっかりやります。基本ができるようになりますと、人を相手に受け返しの練習をやります。
非常に孤独で、ストイックなイメージがするのですが。
個人、自分との戦いです。自分との戦いに勝たないととても世界大会には出れないです。
精神的な要素の比重の高いスポーツなのですね。
ですから、世界大会に出てくる選手は強健な体と精神を宿した凄い男達です。
* このホームページに掲載しています新極真会関連の写真は、三好一男さんの許可を得まして、掲載させていただいています。「極真魂」8月号、9月号、10月号より、掲載させていただきいました。