平和を願う心と行動
 今週のゲストは保育士の松尾美絵さんです。昨日は11月6日に高知人権啓発センターにて開催されます「安田純平さんイラク現地報告会」のお話を伺いました。
 今日のテーマは「平和を願う心と行動」ということでお話を伺います。
 イラクでの混乱や戦乱に対する思いは伺いました。松尾さんは沖縄での米軍基地の問題でも行動を起すように伺いましたが、どのようなことをされるのでしょうか?
 今年8月に沖縄県宜野湾市にある沖縄国際大学に米軍のヘリコプターが墜落した事件がありました。たまたま夏休みで人がいない時期でしたので、犠牲者は出ませんでした。このような危険と隣り合わせの状況におかれているのは沖縄はもとより、日本各地のアメリカ軍基地の周辺や訓練飛行のコースに該当している地域はたくさんあります。
 高知県でも10年ほど前に、早明浦ダムに米軍機が墜落したことがありました。日本の中でのことでありながら、日本の警察が一切立ち入ることが出来なくて、事故の原因調査すら出来ません。
 私も日本政府の対応には大いに大いに腹を立てております。もっと日本の国内の事なので、首相も大きな事件に対して、きちんと捜査が出来るように大事なことを米政府に働きかけるべきです。しかし実際は小泉首相も関心が低く、よくわかりませんね。
 私も何かひとつと思っておりました。そしたら私の知り合いが今回沖縄から沖縄国際大学と宜野湾市の許可を得まして、米軍ヘリの現場写真を送っていただきました。60枚ほどパネルにしたそうです。それをお借りしまして、高知でも色んな所で、展示していきたいなと計画しております。
炎上する米軍ヘリコプター

沖縄県宜野湾市にある沖縄国際大学に米軍ヘリコプターが墜落しました。墜落後炎上している様子です。

 (宮里秀雄氏撮影)

 写真はパネル展の関係で松尾美絵さんから提供いただきました。

この番組へも出演いただきました平和資料館草の家の事務局長の金英丸(キム・ヨンファン)さんは「自分が動かないと平和は守れない」と言われました。松尾さんの思いも同じであると思いました。
 「日本人は初めから平和を与えられているから、当たり前だと思っている。」。しかし最近はそうでもないように思えるのですが、そのあたりどう思われますか。
 そうですね。確かにイラクのことから、イラクのことを境にしまして日本の状況が変わってきたと思います。「戦争を起すのも人間」だし、「平和を守っていくのも人間」なのです。子供も高齢者も、障害者も健常者も当たり前の平凡な日常生活を送るための根底には平和がなければなりません。
 「戦争だから」の一言で、目前の戦争を遂行するために国家の名において、どれだけ人権や経済生活や財産がいかに簡単に踏みにじられるか。それは59年前の戦争でもそうでした。有事立法とか、国民保護法などを見ていけば、このままではいけないなと私は思うのです。
 私たち一般市民は時間的な制約もありますし、政党や労組の組織にも無縁です。どうすればいいのか平和運動などはわかりません。他の市民の皆さんも同じであると思いますが、どうすれば一緒に平和の為に行動できるのでしょうか?松尾さんのほうでアイデアはありますか?
墜落した米軍ヘリコプター

沖縄国際大学構内に散乱状態の米軍墜落ヘリコプター

 (宜野湾市撮影)

 この写真もパネル展の関係で松尾美絵さんより提供いただきました。

 そうですね。一般の市民として、日常生活を平凡に送っている市民として側面はあります。その中で、「自分がどう考え、何をしたいのか」。「出来るのか。出来ないのか。」を絶えず自らに問いかけることが大切です。
 他の人はどのように思っているのだろう。どんな風に考えているのだろう。それを知る必要があると思います。相互の理解の為にというか、知り合うために、高知においてもいろんな会合や集会があります。ミニ集会から大規模な集会もあります。
 交流しあうために、一つの提案ですが、それらの会の情報などを、「平和のための情報を得る」ということで、「ネットワークづくり」が必要であると思います。それとともに同質的な仲間内の付き合いではなくて、文学とか芸術とかいろんな異なったところで、「コラボレーション」(協調・合作・など。様々な背景を持つ人間がある目標に向け協力しあうこと)も大切だと思います。
 政党や組織に入っていない市井の市民が、平和を願う心がありましても、どう運動を展開すればいいのかわかりまません。大変困難ではないでしょうか?安田純平さんを高知へ招き講演会を開催することには、不安もあったと思われますが。
打ち合わせの様子です 安田純平さんを高知へ招く会有志による打ち合わせ風景です。
 組織がなくて、ただの1市民が何かを始めることは、非常に困難も不安もあります。私の場合も[安田純平さんを高知へ招く会」を立ち上げたものの、私1人でした。一番先に安田純平さんの講演日程と会場を決めました。それからはとと「1人ではなにも出来ない。さてどうしたものか」と思いました。知り合いに声をかけました。僅かな知り合いの中ですが、人から人へ紹介を頂いたり、現在は大学生の人達も含めて10人近いメンバーで「安田純平さんを高知へ招く会」を運営することが出来ています。

 私はパソコンも全く出来ません。今のデジタル・デバイド(情報化が生む経済格差)そのものでしたので。どうしようかなと思いましたが、いろんなそれぞれの分野で活躍されている人がいました。

 即ホームぺージを作成していただいたり、チラシやポスターを作成いただいたり、またチケットをお願いしたり、街角でチラシを配ったりしました。

 みながそれぞれの立場で、手作りの活動を進めています。何も組織もなにもない私でも、何らかの形で協力していただくことが出来るのだなと思います。
 今は本当にそのことを実感しています。

イラク現地報告会のご案内
ポスターも有志メンバーの自作です。