安田純平さんイラク現地報告会について
 今週のゲストは、保育士の松尾美絵さんです。松尾さんは高知市内の保育所に勤務するかたわら、このたびフリージャーナリストである「安田純平さんを高知へ招く会」の代表もされています。
 今日のテーマは「安田純平さんイラク現地報告会(11月6日開催)」についてお話しを伺います。
 まず伺いますが、そもそもどういういきさつで、安田純平さんを高知へ招こうと考えられたのでしょうか?
 イラクについてはずっと関心を持っていました。確かな証拠もなくイラクが大量破壊兵器を持っているらしいということだけで始まった、アメリカ軍のイラクへの攻撃についてはずっと関心を持っていました。
 真っ先に思いましたのはイラクの人々の事です。普通の日常生活をしている一般市民が戦争に巻き込まれ、多くの犠牲者が増えるに違いないということです。

 そして日本の自衛隊が軍靴を踏み入れることになりました。イラク側の要請ではなく、アメリカの要請に応じてのことです。攻撃をしかけたほうに日本は立ってしまったのです。多国籍軍という名称に変わっても本質は同じです。

 ここにいたって、イラクは遠い国ではなく、まさに日本の国民とイラクの人々との関係として考えていかなくてはならないと私は思っています。
 余談になりますが3年前にイラクと同じイスラム圏のトルコを訪れたことがありました。モスクで静かに祈りを捧げる人々の姿や、コーランの美しい響きを思い出し、イラクの人々の姿と重なって私の中ではイラクはとても身近な国です。
フリージャーナリスト安田純平さん。アフガニスタンやイラクなどの現地取材を精力的にされています。
 安田純平さんはフリージャーナリストであることは私も知っています。イラクへ行かれて現地の武装勢力の人達に拘束されました。安田さんを高知へ招こうと思われたのはどうしてでしょうか。私らもコネクションもなにもありませんし。
 私も安田純平さんを直接知っているわけではありません。いろいろイラクについて「何か出来ることはないか」とずっと考えていました。そんななかで佐賀県の佐賀大学で安田純平さんを招いて講演会を開催し、600人も集まったという話しを聞きました。その時「高知でもやってみたい」と思ったのです。

 それで安田純平さんにその場で連絡を取りましたら、その場で即日程を調整していただきまして、11月6日という日を決めていただきました。

 連絡を取られたのは8月ごろでしたか?
 そうです。8月半ば頃でした。 松尾美絵さん
 そのときには既に9月、10月は安田純平さんは講演予定は埋まっていたのでしょうか?
 そうですね。曜日を土曜と指定しましたので、土曜日は10月すべて予定が入っておられました。それで11月6日(土曜)が高知での講演会になりました。
 安田純平さんの講演会は全国各地で開催され、好評のようです。松尾さんに伺いますが、なぜ安田純平さんを招聘されようと思われたのか、今一度お話下さい。
 安田純平さんの本も読みました。「囚われのイラク 混迷の戦後復興」(安田純平著 現代人文社刊)。マスメディアとは違い、イラクの民衆と直接接した報道のありかたに共感を覚えました。
 何回か安田純平さんはイラクを訪れ、今年4月におきました3人の日本人の人質事件と時を同じくして、他の武装勢力に拘束された経験もあります。
 マスメディアでは報道されないイラクの市民の姿。あるいは武装勢力と言われている人たちは実際はどういう人達なのか。イラクの市民、農民、武器を持っている人達の姿などを聞くことが出来ると思いました。
 マスメディアで流れる記事も「事実の一端」ではありますが、決してそれがすべてではありません。私としてはより多くの事実をいろいろななかから拾い上げて、イラクの真実に近づきたいと思います。
 「事実の断片」ではただの事実に終わってしまいます。それらを拾い集めて、考えて自分の思いをそれぞれの個人の中で、自分のなかで考えた現実に迫って行きたいと思いました。
 そんななかでフリージャーナリストの存在はとても大事であると思いました。

安田純平 著「囚われのイラク」

(現代人文社 発刊)

 イラクの住民の様子が克明にレポートされています。

 確かに日本のマスメディアは、イラク現地にいる特派員が引き上げ少なくなっていますね。どうしてもアメリカ側の情報が流されていますね。現地の情報はフリージャーナリストが流していますね。これは諸外国でもそうらしいですね。
 やはりその情報に頼る部分は大きいと聞いています。安田純平さんの経歴を見られてもアフガンへ行かれたり、戦争開戦時はイラクの「人間の盾」の取材もされています。何回も行かれていますね。本当の現地で取材されたお話を聞いてみたいと思います。
 そうですね。直接現地に行かれた人は、その人の「思い」がいろいろな思いが聞いている人に伝わってくると思います。文字や映像で流される「クールな事実」ではなくて、安田純平さんという人を通して、イラクというものを伝えるいい機会にしたとおもっています。
 安田純平さんを高知へ招く会  2004年11月6日開催

                午後2時から4時まで(高知人権啓発センター)

                参加費1000円

                 http://blog.livedoor.jp/kt1541/

 
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