小沢一郎さんはどう動くのですか?
 今週のゲストは参議院議員の平野貞夫さんです。今日のテーマは「小沢一郎さんはどう動くのですか?」でお話を伺います。
 かつて47歳で自民党の幹事長をされていた小沢一郎氏。10年前自民党での改革に見切りをつけられ新生党を結党、野党連合で細川内閣を誕生させました。その後新進党を経て自由党を結党、そして民主党に合流されました。
 最近では民主党の党首にもと推薦されていましたが、自らの年金未納問題を理由に党首就任を辞退されました。今後どう動かれるのでしょうか?
かつて小沢一郎さんは「日本改造論」を著作され注目されました。自民党で総理・総裁も可能であったのに、自民党と袂を分かった最大の理由は何でしょうか?
自民党では政治改革や日本の改造が出来ないとご判断されたからでしょうか。
「日本改造計画」という本を平成5年の5月に出しました。自民党幹事長時代から勉強されていたことをまとめられたものです。私は当時選挙制度とか、政府員制度や国会の問題で関わりました。
 国民的な反響を呼びました。自民党を改革することが最初の考え方でした。小沢さんは「自民党から追い出された」というのが、感じです。小沢さんは自民党の「異質物」。
 それが本当の理由(小沢一郎さんが自民党を出た理由)だと思います。
 ずっと小沢さんが幹事長時代は、衆議院の委員部長でした。それから国会議員になりまして、細川連立政権をこしらえる時は、1日のうち3分の2くらいは共に行動していました。
 意図的に自民党を出たわけではありません。ようするに自民党という古い体質では、「日本改造計画」という本当の構造改革を受け入れなかったのが本当の原因なんですね。
 では政権交代できる別の仕組みをつくろう。ということになりました。
平野さんも最初の参議院選挙は自民党推薦でした。小沢さんと行動を共にされていま す。小沢一郎さんは「こわもて」の印象があります。平野さんにとりましてはあまりに近しい存在なのでしょうが、小沢さんはどのような人物なのでしょうか?
 まじめな方です。「こわもて」というのはマスコミがこしらえたイメージです。東北の生まれの方ですから、寡黙で、説明が上手でないということで、誤解があるでしょう。
 筋道を通す人ですから、腹を決めて、自分はかく思うと信念で当たれば、なにも怖くはないという人です。
平野貞夫さんとの対談は時間の経過を忘れるぐらい多岐の話しをされました。メディアに掲載されない話も多く興味はつきませんでした。 高知シティFM放送Aスタジオにて
自由党党首時代に、テレビコマーシャル「日本改造」と小沢一郎さんが叫んで大きなロボットに体当たりをするシーンが印象にありました。当時は衆議院選挙で自由党は比例代表でかなり支持を得たのではないでしょうか?「遇直な」改革者なのでしょうか?
 文字どうり遇直ですね。あの時は「日本一新」と言ってねロボットにぶつかったんですよ。若い国会議員のアイデアなんですよ。国際的な賞も貰いましたよ。
 とにかく一つのことを、「原理を曲げずに、理念を生かそう。」ということですから、日本のような「談合社会」では、なかなか受け入れられないのですね。
 「原理主義者」なのでしょうか?
 良い意味で原理主義者ですね。田中角栄さんいにも可愛がられたけれども、「反面教師」としてとららえておられました。金丸信さんにも可愛がられましたが、迷惑していましたし。かつては「こんちくしょう」(金丸信・竹下登・小沢一郎)と言われていましたが、もうそのような誤解は解けたのではないかと思います。
 国民には小沢一郎さんは「何かやってくれるのではないか」という期待感があります。
今回も「何かやってくれる」のでしょうか?おかまいなければ構想をお話下さい。
小沢一郎氏は地方区候補者の応援のために来られました。報道陣も来ていました。
 小沢さんは自由党時代、「日本一新」というキャッチフレーズを出しました。それだけではなくて、日本を一新する「基本的な考え方」-構想を11項目まとめました。
 ひとづくりから始まり、地球環境のことまであります。これがこれからの日本を再建していく基本的理念であり、政策であると思います。
 これは民主党の人達も殆ど理解していただいています。わたしからみれば、この考え方をおおいにブラッシュアップしまして、政権を獲って、実行していくのが目標です。
 その場合は、小沢さんが総理をされるか、どなたが、総理になってやるかは、これは政局の問題ですからとやかくは言えません。
 私からすれば、小沢さんが考えた「日本一新 11基本構想」を国民の「日本一新11基本構想」「に発展させることです。そこがポイントです。
 小沢一郎さんは「親米派」と言われていますがそうなのでしょうか?
アメリカ政界には人脈があるのでしょうか?
応援演説される平野貞夫さん
演説後市民と交流される小沢一郎氏
 小沢さんはまず高知県土佐清水市出身の「ジョン万次郎の会」というのを組織されました。アメリカの政治家や学者などにジョン万次郎の精神(スピリット)というものが、」本当の人類愛は仲良くしなければなないということで、各界に知り合いが多くおられます。

 同時に小沢さんはアメリカだけでは駄目だと言うことで、東アジアを大事にしようという考えをもたれています。東アジアを大事にする。その東アジアとアメリカのバランスのなかで日本が上手に生きていかなければならないと考えています。
 最近特に平和と安定、発展、貢献にひじょうに考慮されています。ジョン万次郎の会に匹敵する会として、中国の青年共産党員の幹部の人達を日本に招待して交流することを、基金をつくってしていますよ。
 アメリカには言うべきことを言う珍しい日本の政治家ですね。アメリカと東アジアのバランスのなかで、日本は安定と発展を掴もう。そういうスタンスです。

 政治家は体力も気力も必要です。以前小沢一郎さんは心臓疾患がありました。それは今は大丈夫なのでしょうか?
 全く大丈夫です。健康には不安はありません。 平野貞夫さん
 平野さんが予想する小沢さんの動きはどうなのでしょうか?
参議院選挙後政界再編はありますか?また近く衆議院選挙もあるのでしょうか?
 とりあえずは大きな変化はないでしょう。参議院選挙で自民・公明政権に批判は出ていますからそれの吹き返しが、衆議院選挙の前後に出てきます。国民が要求する政界再編が起こると思います。その時に小沢さんが中心になると思います。
 参議院選挙後に自民党の分裂はありえるのでしょうか?民主党が政権に就くには、自民党が分裂しないと不可能と思います。
 どうにか岡田代表でまとまってきたようですね
小沢さんが民主党代表を直前に辞退したことにつきましては、最近も2つのテレビ局でお話しました。国民年金の強制加盟の時代でなく、任意加盟時代の未納でした。
 小沢さんが党首になると同時に、官邸側が全国新聞に「小沢党首年金未納」を1面記事に掲載予定だったのですね。それだと年金法案廃案の強烈な動きが小沢さんは取れません。
 それで事前に小沢さんに知らせる人がいまして、辞職されて岡田さんに党首が代わりました。私らはそれを察知しましたから。
 政治って「何でもありなんですね。」
 だから報道の管制、官邸によるコントロールというのは恐ろしい限りです。一部の週刊誌や夕刊紙は頑張っていますがね。