文化やスポーツでの交流促進について
今週のゲストは、在日本朝鮮人総聯合会高知県本部常任委員会委員長の黄英信(ファン・ヨンシン)さんです。今日のテーマは「 文化やスポーツでの交流促進について」です。
以前に舞踏団が公演していたようでした。高知でも今後公演予定があ るのでしょうか?

 そうですね現在朝鮮総聯には芸術団体として全国的に活動していますのは、金剛山歌劇団(在日朝鮮人の芸術団)とブロックや大規模支部に「地方歌舞団」があります。


 高知では今まで18回の金剛山歌劇団公演を開催してきました。県民文化ホールが満員になるほど盛況でした。1997年以降開催していません。


 地方歌舞団の公演は、大きな記念集会や記念レセプション、日朝友好の集い、同胞の結婚式、忘年会などでも公演しています。赤岡町の解放まつりにも単独公演したこともあります。中村市でも2回ほど単独公演を行って来ました。
 現在歌劇団や歌舞団の予定はありません。

黄英信さん
サッカーやラグビーの高校選手権の全国大会へ、各地の朝鮮高校が参加されています。地域社会での交流はより促進されたのでしょうか?
 そうですね。朝鮮学校は長く日本の各種大会への参加の道が閉ざされてきました。私たち朝鮮総聯は、学生や父兄達の念願を実現するために、文部科学省を始め、高体連、中体連などの関係機関に働きかけ、広範な日本人の支援も受けながら門戸開放の運動を繰り広げて来ました。
全国高校ラグビー大会(2003年)に出場した大阪朝鮮高級学校
全国高校サッカー選手権に出場した京都朝鮮高級学校
 ようやく10年前の1994年インターハイから出場への道が開かれました。サッカーやラグビー、ボクシング、ウエイトリフティングなどで全国大会に出場することが出来、学生達自身の大きな励みに、在日同胞達の大きな喜びになっています。
 地域住民との交流なども促進されていますか?
 地域での交流もだんだんと盛んになっています。広島や東京あたりでは、朝鮮高校と、国見高校や市立船橋高校など日本の高校強豪チームが参加して、サッカーの交流試合が定例化されています。小学、中学段階でも各地でスポーツや文化の交流が活発に行われています。

 高知の場合は朝鮮学校がありません。松山市の朝鮮初中級学校の生徒達が高知市の一宮(いっく)中学や、旭中学、城西中学と交流をしました。中土佐町久礼小学校とも交流をしたりしました。
 春野町の文化ホールピアステージで芸術公演もしました。ここには高知県内から先生や生徒、市民の皆さんが沢山見に来ていただきました。

朝鮮大学校の学園祭りの様子。

地域との繋がりがあるようです。

イオ より

 昨年ワールドカップサッカーで日本がベスト16、韓国がベスト4 になりました。これらのことは喜ばしいことだと思いますが。
 大変喜ばしく思っています。まさかベスト4まで行くとは思っていませんでしたので、1試合勝ち上がる毎に、興奮しどうし、感動の連続でした。
 ご存知のように南北ではスポーツ交流が盛んになってきています。1日もはやく種目別やオリンピックでも統一チームが実現することに期待しています。
 最近日本では韓国ドラマ「冬のソナタ」がヒットし、韓国ブームに なっています。ハングル語も学ぶ人が増えているようですが。その
ことについてどう思われますか?
 良いことではないですか。「冬のソナタ」がどうではなく、異文化に接する、それに興味をもつことは、それを理解することになると思います。単なる憧れ的なブームに終わることなく、異文化を通じて異民族の理解に、ひいてはお互いの違いを認めあい、大事にする共生へとつながればすばらしいことだと思いますね。

 またBSのほうで「大長今」という大河ドラマが始まるようですが、これも是非見られたら良いと思います。16世紀の朝鮮王朝時代の宮廷が舞台で朝鮮民族の歴史、文化、伝統と民族性が広く深く理解できると思います。


 また高知でハングルを学ぼうとすれば、どういう方法がありますか? 朝鮮総聯では、「ハングル語講座」は開催していないのでしょうか?
 日本の学校へ行っている子供達に月2回土曜教室を開催しています。以前は10人から15人は来ていましたが、最近は同胞の意識の変化、生活環境の変化、塾志向や日本定住化志向もあり少なくなりました。
 青年学校や成人学校もしてきましたが、母国語に対する関心が同胞のなかでも薄くなってきて、今土曜児童教室以外で私たちが運営するハングル講座はありません。

収録の様子です。黄英信さんは、こちらの質問項目に、丁寧に回答していただきました。

回答のための文章もびっしりと書かれてありました。

 学ぶとすれば韓国から平和資料館草の家に来ている金英丸(キム・ヨン・ファン)君から開催しているところで学ぶことが出来るのではないでしょうか。

 私たちもスタッフの問題もありなかなか思うように出来ません。同胞のなかで、民族性を育む上でも日本の人達との相互理解と友好を深めるためにも今後は前向きに検討していきたいと思っています。

 最近ではキムチなども食品スーパーへ並んでいます。朝鮮料理への 関心はあるように思いわれます。焼肉やプルコギ以外の料理なども あると思います。料理教室などは開催しているようでしょうか?
 焼肉のことをハングルで「プルコギ」と言います。それ以外もたくさんの料理があります。肉、魚、野菜料理もあれば、刺身、煮付け、炒め物、和え物などいろいろな料理があります。
 ご飯類もビビンバプをはじめ幾種類もあります。麺や餅料理、チゲという鍋料理、これも魚チゲ、肉チゲ、キムチチゲ、豆腐チゲなどがあります。
 キムチだけでも代表的な白菜キムチや、大根、きゅうり、青菜、イカの塩辛、牛肉、たらこ、かきを入れたものや、スープが飲める水キムチもあります。
 私たちも週1回とか定期的には開催はしていませんが、要望に応じて「朝鮮料理講習会」を開催しています。去年の暮れに大方町でも開催しました。先日もソーレで開催しました。7月にもしました。
アテネ五輪でも「統一チーム」で開会式の時行進されました。 スポーツでの朝鮮半島は統一されているのでしょうか?

韓国でのユニバーヤード大会での統一入場行進の様子。

200年のシドニー五輪以来、アテナ五輪で通産5回の統一行進となりました。

( ラグビー、サッカーの写真もイオ 2004年2月号より)

 統一されているとは言えませんが、劇的な変化がこの間ありました。アテネ五輪でも南北選手団が合同で入場行進を行いました。これは既に2000年のシドニー五輪のとき以来5回目(2002年のプサンでのアジア大会。同年の青森の冬のアジア大会、2003年ユニバシヤード)となりました。

 種目別競技での統一チーム作りや、2008年の北京大会では統一チームで出場しようと言う動きまであります。これはスポーツ分野での統一ばかりではなく、民族の統一という流れを促進する非常に重要なものだと思います。

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