公務員の「常識」、社会の「非常識」
 
今週のゲストは、市民オンブズマン高知代表の窪則光さんです。今日のテーマは「公務員の常識、社会の非常識」です。
 市民オンブズマン高知の活動により、行政職員の「空出張」「食料費の水増し操作」「官・官接待」「公務員への公費での餞別贈与」「タクシーチケット」などが廃止や、改善されました。しかしまだまだ社会的には「非常識」な行為を行政職員は公然としているようなのですが?
つい最近も、県職員が情報開示を請求している公文書を勝手に破棄するという事態がありましした。「情報公開の主旨の理解が足りませんでした」と釈明文を知事名で、公印も押印された県の文書で来ていました。

もっとひどいのは、捜査、公判中の「別件やみ融資事件」の公文書を破棄した県職員がいました。立派な「犯罪行為」です。しかるにこの県職員は「停職一ヶ月」の処分。飲酒運転した公務員は即懲戒解雇されます。この違いは何でしょう。

写真は市民オンブズマン高知が訴訟をおこしている一覧表です。16件あります。

「株主代表訴訟 別件やみ融資事件」「公文書破棄損害賠償」「やみ融資高度化資金公金返還」
「やみ融資関係の抵当権繰り下げ損害賠償」など県民生活に密接に関係ある訴訟ばかりです。

巨額の不正融資を県幹部が実施していた「やみ融資事件」。元副知事以下幹部職員が逮捕され、刑事被告人になっています。しかし彼らは無罪を主張しています。大企業などでも、「内部告発」により真相が明らかになりました。県庁職員の「内部告発」はありましたか?
残念ながら県庁職員による内部告発はありません。まだまだ「かばいあっている」「私達にはうかがい知れぬ組織の利益を守る」ことをされています。
 公務員は「公共性」のある存在なのに、「自分たちの組織防衛が第一」と考える人たちに公共性などあるのでしょうか。まだまだ高知県庁は改革されていません。
 
県庁職員の意識は、変わりましたか?また県の「情報公開度」は進展しましたか?
 高知市役所もどうなのでしょうか?県下の市町村の状況はどうですか?

*高知県の「情報公開度ランキング」は全国何番目ですか?最近は順位は上げ目ですか?
 

高知県庁
高知市役所
 
県庁職員の意識は、変わりましたか?また県の「情報公開度」は進展しましたか?
 高知市役所もどうなのでしょうか?県下の市町村の状況はどうですか?

*高知県の「情報公開度ランキング」は全国何番目ですか?最近は順位は上げ目ですか?

高知の情報公開度ランキングは47都道府県で今年は34位でした。昨年は18位。大幅に順位を下げました。宮城県が2年連続1位です。高知が順位を下げた理由は「監査委員監査における質疑内容」の開示をしないからです。情報開示した場合の公文書のコピー代金が上位県は10円。高知は20円。これらも手弁当の市民オンブズマン高知には大きな負担ですので。「情報公開度は高知は後退している」のが現実なのです。
 
高知県が「情報公開度ランキング」で大幅に順位を下げた原因は、県職員の意識改革がうまく行っていないところにあるのでしょうか?かつて「官・官接待廃止」など他県に先行していた印象がありましたが?
「先行するが、継続性がない」「アドバルーンは揚がるが徹底しない」からですね。「この指とまれ、オンブズマン」にも書かせていただきました。11章の「県庁よもやま話」のなかで、「北海道庁と高知県庁の男のケジメ」という項目があります。
 北海道も「カラ出張」「食料費の不正受給」「裏金プール」などひどい体質でした。

 北海道庁は巨額裏金問題に関わった職員6233人の,減給、戒告、訓告、厳重注意を行っている。「違法である以上は、返還しなければならない」とし、20億円を返却させた北海道庁。一方高知県庁は厳しい処分を課さず「組織でやったので、職員個人に責任はない」というような対応。だから改革は徹底されないのです。

 
選挙の洗礼を受けない公務員の不正は、地域の破滅です。抑止するために県民は何をすべきでしょう。
オンブズマンとしての活動は誰でも出来ます。でも本来は県民の代表、民意の代表は、県会議員であり、知事なのです。県会議員には「調査権」」があります。私達市民オンブズマン高知が「手弁当」で行政の情報開示を要求すれば有料(コピー代1枚20円)です。
 県会議員は、公費で調査活動が出来ます。その権利を行使する県会議員が皆無なのには嘆かわしい限りです。私達は「代表」である県会議員や知事に「しっかりしろ」と激励すべきでしょうね。
 
高知新聞やみ融資事件の特集「黒い陽炎」
 
私の関連サイトでも「高知県政」項目でやみ融資事件を取り上げています。
 
市民オンブズマン高知の関連資料の一部は  こちら