市民オンブズマンとは何か?
 
今週のゲストは市民オンブズマン高知代表の窪則光さんです。欧州ではオンブズマンは「公職」です。、「市民の立場に立って、自治体の行政に対する市民の苦情や救済の申し立てを処理し、行政を監視する任務を持った公職。」(IMiDAS2003)とされています。
 しかし窪さんは、本業は行政書士です。仕事の合間に仲間達とこの10年間、手弁当で、オンブズマン活動を展開されて来ました。欧州型の「公職」と手弁当型の市民運動との違いはありますか?
 
 まず、市民オンブズマン高知ですが、特定の政党や組織とはなんら関係ありません。利害のない普通の市民有志の集まりです。職業もまちまちです。私は1999年に「この指とまれオンブズマン」という本を自費出版しました。本の題名と同じく、市民有志の集まりです。
 高知県庁にも平成9年に公費で「県行政オンブズマン室」が、元会計検査院課長、元銀行員、公認会計士の3名で発足しました。しかしさしたる活動もせず、活動内容も公表することなく、いつのまにか消滅しています。
市民オンブズマン高知の活動は数多く報道されています。ただ市民レベルでは、今ひとつ活動内容が把握できていません。市民オンブズマン高知の結成のいきさつや、活動経緯や、何がメンバーを支え、駆り立てているのかを説明ください。
平成6年頃、「地方自治情報公開ネットワーク」という集まりが出来ました。その頃私は参加していませんでした。当時私は子供が通学していた学芸高校の「上海列車事故問題」に取り組んでいました。
 平成7年7月26日に「市民オンブズマン高知」が結成され、参加いたしました。
市民オンブズマン高知の活動はその後どうでしたか?マスコミなどで大きく取り上げられていますね。窪さんを含め3人のメンバー達が、高知地方裁判所前を歩いて訴訟を起こした出来事として報道されていました。
 しかしなぜ行政訴訟や株主代表訴訟など、労力のかかることをされているのでしょうか?
日本にも欧米にかなり遅れて情報公開法が成立(2001年4月施行)しました。その前にも行政の「情報公開」が全国的に進展してきました。
 たとえば県が食料費や出張旅費に不正受給しているのではないかと疑問を持ちました。県民室へ行き、所課の情報公開請求をします。コピー代を支払い情報を入手します。しかしその公文書が黒く塗りつぶされている箇所もありました。
 情報開示が不十分と思いました。次に県民として「監査請求」しました。これは県の行政機関を外部から選ばれた監査委員が監査しているので、監査請求しました。しかし多くの場合外部から監査するはずの監査委員が行政側の立場に立ち、監査が却下されました。
 次の手段が行政訴訟です。裁判審理を通じて、公正さを検証する作業をしています。
高知県庁1階にある県民室。奥のカウンターの係員に情報開示の請求をすれば誰でもできます。
誰でも市民オンブズマンになれますか?また会員になるにはどうすればよいのでしょうか?
市民オンブズマン高知の規約や、活動内容を理解し、会費を支払えば誰でも会員になれます。

「会員は本会を特定の政党、宗教活動や目的のために利用してはならない。」「会員は、本会の活動で、私的利益を求めてはならない。」とあります。

県事業の行政公開の請求は誰でも出来ます。県庁なら1階の県民室へ行きます。所定の用紙に内容を記載し、受付カウンターへ持参すれば、情報は開示されるはずです。
 疑問を持って調べる気力さえあれば、誰でも開示請求はできます。
 
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