このコーナーでは番組作成時のエピソード、放送電波にのらない「情報」を提供します。
けんちゃんの吠えるウォッチング」という番組は、高知シティエフエムの開局と同時にスタートしました。開局時の番組のパートナーは、池玲香さんでした。開局直前の2000年3月末まで、NHK高知放送局の番組アシスタントをされていた人でした。マイクの使い方、綺麗な発音。間も取り方など大変参考になりました。
私は書くほうは好きですが、しゃべるのはうまくありません。その点池さんに教えていただいたことは大きいです。また中高年のおじさんが、20代前半の若い女性とまじめに話をする機会など普通ありません。対話や打合せをするうちに、感覚のちがい、社会的背景の相違を思い知らされました。
池玲香さんは事情がありまして、4月一杯で退社されました。「掛け合い」が慣れて来たのに残念でした。
風の便りによりますと、5年間の遠距離恋愛を結実され、現在神奈川県にお住まいとか。専業主婦で「充電中」とのことです。
池玲香さんは現在神奈川在住です。「主婦業で充電中です」とのお便りでした。
面談したことはございませんが、ご主人も好青年だと思いました。
知らない世界があることが判明しただけでも成果あり
池玲香さんが退社のあと、引き継がれたのは細井春菜さんでした。3月に高知女子大学を卒業、4月から番組担当された方です。いきなり朝の番組時間帯での登板でした。
松坂大輔投手のように、新人でいきなり活躍したようなものでしょう。前任者の池さんより番組パートナーが更に若返りました。年齢差は「親子」のようになりました。
私が興味があることは、細井さんは全く関心がない。細井さんの関心ごとには全く理解できない。
殆ど言葉が通じない状態でした。それでもなんとか番組になったのは、細井さんの力です。
コミュニティ放送局は、しゃべるだけでなく、自分で後で編集し時間内にまとめなければなりません。取材もするそうです。
「けんちゃんの吠えるウォッチング」という番組は、「硬派」で、新聞でいえば社説か、コラムのような単元です。細井春菜さんのおかげでなごやかな番組になりました。
こちらも細井さんに「吠えたい」内容を理解されるように説明しなければならず、勉強になりました。
時代背景や社会的関心事も、世代も異なります。「違う」ということを前提に対話をすることは、大変貴重な経験をしたと思っています。
音楽の素養があり、読書家の細井春菜さん
お父様がアルトサックスを演奏し、お母様がピアノを演奏されるそうです。細井春菜さんも子供のときからピアノを習われていたとか。
クラッシック音楽、ジァズ、ロック、Jポップ、ヒップポップ等幅広い「素養」があります。
番組自体が「硬い」内容になりがちなのですが、細井さんの音楽的センスで救われています。また細井さんは趣味のひとつが読書というだけあって、文学書などは耽読されています。それが「とっさの切り替えし」になっています。
普通の若い人であれば、少し難解な社会問題を喋る「おっさん」の相手は務まりません。意外な長寿番組になったのは細井春菜さんの素養にあったのです。
おっさんが喋り続け、ただ「相槌」を打つだけでは、聞いているリスナーには面白くありません。細井さんは若いリスナーの代表者でもあります。細井さんがコメントしないテーマでは駄目なのです。細井さんのパーソナリティで救われている部分が大きい番組なのです。
番組ネタは「無限」です
社会全体へのコメントをするだけに、番組ネタは無尽蔵です。テレビ、新聞、ラジオで感じるもの、思うことを調査し、書き留めています。
町へ出て感じることもあります。若い人、子供、高齢者、中高年の様子を関心しています。そうして関心ある事柄をウォッチングします。ラジオで「今日のテーマは何々です。」というイントロは細井さんが番組で読んでいただいています。この部分は特に慎重に調べています。間違いがあってはいけないからです。
細井さんとの掛け合いも同様です。データなどに間違いがあってはいけないのです。番組原稿は前月末までに細井さんに渡しています。そして月末にホームページにアップします。情報公開を私なりに精一杯しています。
2000年4月開局以来の放送用原稿です。膨大な量になりつつあります。
1ヵ月に20項目、年間240項目を考え、調べ、作文します。市井の市民の関心ごとは無限です。国際問題から、国政問題、県政,市政問題、社会、経済、娯楽分野に分けています。2002年10月末現在で提供した話題は620を超えているはずです。
話題は無限でも「加工する時間」が厳しくなりつつあります。仕事が終わった後、パソコンに向かって「原稿」を作成しています。それをホームページに加工し、更新する作業も月末には半日ががりでやっています。
収録には毎回緊張しています
収録は次週放送分5日分を一気に収録します。前週の夕方スタジオ収録するのです。600回ということは、120回収録したことになります。細井さんとのやりとりもそれだけの回数になります。
収録に慣れることはありません。収録前に「打ち合わせ」をします。文章は「書き言葉」で書いています。発音しにくい言葉や、意味が伝わりにくい言葉もあります。その」「言い換え作業」も事前打ち合わせの大事な作業です。
国語教師の免状を持っている細井春菜さんですから、この作業もお互い真剣に実施しています。収録は真剣そのものです。今でもなかなかリラックス出来ません。喋ることは難しいです。
話題によって相手役の細井さんの反応は異なります。その反応がいつも新鮮なので、番組は継続していると思います。
あつかましいお願いですが
聴視可能な地域で、時間帯に聞くことが可能な皆様へお願いがあります。「けんちゃんの吠えるウォッチング」を録音してください。何回分かまとめて聞いてください。自分で言うのもなんですが面白い番組になっています。
何回分もまとめて聞くから良いのです。私の場合、ラジオが入らない四国山脈を超えた出張するさいテープを何本も持参し聞いています。
自分たちの喋りのチェックも兼ねて「まとめ聞き」をしています。皆さんも試してください。お奨めします。
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2002年3月1日