ぷらっとこうちを「査定」してみます

 最近は、生徒が教師を「査定」する時代。会社でも従業員が社長を「査定」する時代ですね。今回は以下の「指標」を使用しまして、2003年9月1日高知県庁総務部行政経営改革室が550万円の予算でに開設された「ぷらっとこうち」を1県民に査定してみます。

 チェック項目は以下のとうりです。事業実施の条件は次のとうりです。「実行者がいるか? 民間主導。民間主導のしくみ」「明確な目的があるか」「明確な目標設定があるか?」「公益性があるか?」「費用対効果は?」「継続性はあるか?」「透明性が確保できるか?」「マーケティングが行われているか?」

 期待される効果項目としまして、「行政の成熟度を上げる効果」「住民の成熟度を上げる効果。住民意識の向上。住民ネットワークづくり。ひとづくり効果」です。
 実際に「ぷらっとこうち」を査定してみようと思います。5段階評価をし、50点満点です。

    (実施の条件について)

1)実行者がいるのか?民間主導なのか。民間資本の導入の仕組み。

 評価:3点  

 寸評:サイト運営管理者は民間業者がしている。ぷらっとこうち運営管理者も民間人
    が入っている。民間資本導入の仕組みは全く確立されてはいないようだ。

2)明確な目的があるか?

 評価:3点

 寸評:平成11年度からの「県民参加の予算づくりモデル事業」の継続・発展で発足。
    「官民を問わず、行政も含めた県民みんなで支える、県民みんながより集まる
     創造的な場」としてぷらっとこうちを発足したとあります。
     理念は正しくても、行動履歴が伴っていません、

3)明確な目標設定があるのか?

 評価:3点

 寸評  現在登録者数は450人。2月から増加していません。また県庁職員の登録者数     少ないと推定される。「県庁事業の情報公開のための道具」として認識されて
     いないからだと思います。

4)公益性があるか?

 評価:2点

寸評: ぷらっとこうち事務局は「情報公開に対し消極的」である。県民から問われた
     事にしか回答しない姿勢を貫いている。まちづくりの現場にも取材にも来ない。
     従来の行政が持っていた「公益性」すら喪失している。

5)費用対効果は?

 評価:1点

 寸評: 県民が利用しづらい公共掲示板を550万円の費用で作成しました。
     利用も活用もしづらい。費用対効果はゼロに等しい。

6)継続性はあるか?

 評価:2点

 寸評: 高知県庁がまがりなりにも「一方的なホームページによる広報告知」ではない
     公共掲示板をこしらえたことは一定の評価できる。従来は県民の批判があると
     交通政策課のようにすぐに閉鎖する事例からすれば一定は評価できる。

7)透明性が確保されるか?

 評価:1点

 寸評: 県民が要求してようやく運営委員会を公開するようにはなった。しかし制約だ     らけで、透明性のある「原則情報公開」とはほど遠い内容である。

8)マーケティングが行われているか?

 評価:1点

 寸評: 県民の登録者数が伸び悩んでいる事実が雄弁。制約だらけの「ぷらっとこう      ち」に書き込みができたところで、「感動は生まない」。市場性は全くない。


      (期待される効果について)

9)行政の成熟度を上げる効果

 評価:2点

 寸評: 県職員の登録者数が少数。しかも実名での書き込みが皆無に等しい現実。
     県庁自体がぷらっとこうちを活用して県民との双方向交流を行う姿勢がみられ     ない。

10)住民の成熟度を上げる効果。住民意識の向上。住民のネットワークづくり。人づく   り効果。

 評価:2点

 寸評:一定の県民のネットワークは従来からあるし、多少の形成は行った。有功活用
    するかどうかは今後の課題。しかしぷらっとこうちがあるから、より交流が推進
    したとは評価はできない。

(総合評価)    20点  / 50点満点


(総評)   反面教師としての役割は終了いたしました

 ある程度期待されて開設された県民参加を前提にした公共掲示板「ぷらっとこうち」ですが、現状では「期待はずれ」に終わりました。次年度に継続する必要性はないと判定されます。
 登録者のデーターベースの個人情報保護の方策には、多少の予算化は必要。公共掲示板としての役割は十分に果たしていないと判定される。
 特に「どこに自分の書き込みがあるのかわからない」「匿名での陰湿な書き込みが嫌」という掲示板機能の不十分さが目立ちます。

 やはり社会性、県民との対話の意味が理解していないサイト管理者の技術的な限界もあると思われます。他の県庁の部署への応用や適合は出来ないシステムです。

ただ550万円の行政経営改革室が予算を費やして「使いづらく」「不便極まりない」公共掲示板を作成いただいたおかげで、県民各位の情報交流はより一層急激に進展いたしました。しかも「ローコスト」で「双方向」で、「爆発的なネットワークの広がり」が出来ました。「反面教師」として「ぷらっとこうち」の役割があったと評価はできます。
 「はりまや橋サロン」「weblogによるサロン」の「ハイテクーローテク」サロンの広がりが形成されたからです。結果的にぷらっとこうちの関係者の皆様お疲れ様でした。

 ぷらっとこうちの役割は終了いたしました。事後処理案について、運営委員会にて検討いただけましたら幸いです。 (2004年2月18日)

 

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2002年3月1日