第一回「天使の翼プロジェクト」関係者懇談会報告
開催日 2002年5月16日 場所 高知市民サポートC会議室
(出席者 中澤、佐藤、山本、竹内、橋本、伊藤、松尾、谷脇、平松、田中、竹村、村田、上原、近森、杉澤、野村、西村 17名出席 )
各人の関わりを説明する自己紹介を行いました。国、県、市の行政職員や、食品関連の製造、販売経営者、建築設計士、大学講師、社会保険労務士やNPO法人関係者、高知JC理事長もいました。
参加者全員に「連絡先」を記入いただき、コピーしその席で配布。「情報を共有化」いたしました。
1)
世話人西村の提案事項「事業構想案」の検討作業
「障害者、高齢者、中高年、若者」の雇用創出事業として構想した「パン及び菓子の製造・販売」構想を参加者全員で検討しました。
食品加工業が、この不況のなかでの数少ない「成長分野」であることが、確認されました。ただし、製造技術水準が上がり、品質管理が大変難しい。発想がリテールショップになっているので、県内消費者しか相手にしていないので、採算面では厳しいのではとの指摘。
1人の障害者に2人の補助員(病院などの関係者)がついてくる形態では、作業に限界があるし、補助員の給与までは店舗の売り上げでは賄いきれない。
高知市所属の保健婦である田中氏から、広島県福山市の障害者雇用施設「スワンベーカリー」の視察報告がありました。障害者の「親の会」がボランティアで、バックしているとか。親が高齢化したときが問題ではないかとの指摘がありました。
ジャスコやマイカル、マルナカなど大手量販店ルートに販路を持つ橋本氏は「産地証明が必要な時代。むしろ徹底したこだわり製品が売れるはず。障害者雇用なら農業もからますとか。また食品加工が高知は少ない。販路を確保し、食品加工業を育てれば、雇用開発は可能である」との事。
また食品加工製造業の近森氏は「販路は橋本さんルートを活用すること。まず県外市場を攻略するためには、ブランドの確立が第一。そして販売チャンネルづくり。生産量が上がったら、上手なアウトソーシング(外注)である。
食品加工業はヒット商品を出せば、粗利益率も高いので、雇用も創造できる」
ということで、パン、菓子に限定せず食品加工品を考えることになりました。
2)
各人具体的な提案を次回会議に持ち寄ること。
田中氏は、高知市役所内の「竹炭プロジェクト」に関わっています。生育の早い竹は、放置すれば森林全体を覆いつくす勢いがあります。伐採し、竹炭に加工し、水質浄化剤に活用できないものだろうかとの遠大な構想です。
高知FAZに関わりのある近森氏から「中国産竹炭との競合に勝てるのかどうか疑問」という意見がだされました。次回田中氏には、竹炭プロジェクトの概要を説明いただきます。
また近森氏からは、食品加工部門で、「差別化し」「市場を創造し」「雇用を創造できそうな」事業案をいくつか提案いただきます。また他にもメンバーから事業案が出ましたら、受付全員で検討します。
大学講師の伊藤氏からは「有償ボランティアがあってしかるべき。経済システムがバックにないと障害者雇用も成り立たないでしょう。」との指摘もありました。障害者雇用を支えるには、多数の雇用を生み出す「産業」の創出が必要なのです。
従来型の「企業誘致」スタイルではありません。
行政や、大学講師、社会保険労務士、設計士、福祉関係専門など、それぞれの「専門的立場」からのコメントを生かす運営をしていきます。
また職業柄私のように専門性を持たなくても、「ネットワークする」ことだとか、広報することは可能です。
「雇用創造のための大きな事業」のために、各人それぞれの立場で何ができるのかを、今後真剣に考えましょう。そして「前向きに」提案、審議しましょう。
報告者 「天使の翼プロジェクト」世話人 西村健一