訪問介護サービスは満足されているのか?  

 今日のテーマは「訪問介護サービスは満足されているのか?」です。2000年4月より介護保険制度がスタートしました。自宅での介護の充実が目的であるはず介護保険制度。しかし実態は施設介護を被介護者も家族も望む人達が多数いました。

 介護老人福祉施設や、介護老人保健施設、介護療養型医療施設は常時入所者が、多数待機している状態です。少子・高齢化社会が進行していますので、2015年には65歳以上の高齢者が25%になり、2050年には30%を超えるのは確実です。入所施設の絶対量は足りません。自宅介護が前提になります。訪問介護サービスは、施設と比較し充実しているのでしょうか?

1)1998年現在で、1級〜3級までのホームヘルパー有資 格者が55万人い  ます。そのうち2級が23・7万人います。しかしその2級資格 者でも17  万人しか就労していません。

2)実際私も2級ヘルパーの講座を受講しました。体験して感 じたのは「究極の  サービス業」なのです。気を使い、被介護 者の体調を気遣い、生活全般の支  援活動をします。医師とも。看護士士のように専門職として「社会的な尊敬   」を受けていません。

3)責任ある大変な仕事の割りに報酬も高くありません。有資 格者で時給100  0円から1200円くらいです。食事介護 、入浴介護、排泄介護、などは大  変な労働です。ヘルパーを利用する家族も「お手伝い感覚」の人も多い よう  です。介護報酬の低い「家事の補助業務」の依頼が多い ようです。ヘルパー  自身の収入も安定していません。

* 被介護者、家族と、ヘルパーとの関係づくりはこれからだ と思いました。   緊急事態には施設が対応できます。反面ベットで数人部屋 で寝かされ、皆天  井ばかり見ている実態も報告されていま す。

* 日本では長い間、老いた親の介護は家族の女性の仕事だと 言われてきました  。24時間介護していますと、神経がぴりぴりし、結果親を子供が虐待する  痛ましい事件も後を絶ちません。

* 閉じ込められた家族の奉仕ではなく、立派な職業として訪 問介護は認知され  るべきです。医師や看護士の知識も多少あ り、ホテルのような究極のサービ  スを行い、宗教者のような「 慈悲の心」を要求されるのが、ホームヘルパー  です。

* 昼間は時給2000円。夜間は3000円。月収は30万 から50万くらい  が最低保証だと労働の質から思いました。 実態は報酬が半分程度のようなの  で、十分な介護サービスを 提供できないのでないでしょうか。

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2002年3月1日