高知新聞の功罪について

 公称の発刊部数は28万部と言われ、地方新聞としては異例の占有率を誇る高知新聞。関連企業は高知放送のテレビ、ラジオ、FM高知高知広告センターなどメディア全般に及んでいます。その他、運送会社、建設リース会社、タクシー会社など関連会社の裾野の広い企業群を持っています。

 高知新聞を考える場合、「占有率の高い地元新聞」という顔と、多角事業を行っている「地方の事業家」という2つの顔で見なければなりません。

 今日のテーマは「高知新聞の功罪について」なのですが。

  • まず功績の部分です。地元新聞ですので、高知県各地に支所があり、地域社会の細かい情報が掲載されています。これは全国紙には出来ない情報でしょう。また新聞記者各位の能力も他の地方紙と比較し高く、高知市政や高知県政へのオピニオンリーダーとしての役割も果たしてまいりました。多大な影響力があるため、行政に対する「監視役」としての役割は絶大であります。地方の功労者の発掘など、中央志向に流されない姿勢は高く評価できます。

  • 弊害の部分もあります。地域独占メディアであるため、報道の姿勢、記事の書き方にはより一層の慎重さがもとめられる。昨今の傾向は県政に対して厳しい指摘があいつぐのに、同様の問題をかかえている高知市政、とくに松尾市長に対する指摘が殆どないことである。翼賛記事に近いものがある。それは高知新聞幹部と松尾市長との友好関係のせいだろう。

新聞はどこの行政に関しても「野党であるべきだ」と思います。高知新聞はこと高知市政では与党の立場で記事を書いていますので、公正さを欠いています。

※一連の県政の不祥事に関しては高知新聞は詳しい報道をしていました。それは評価できます。しかし、なぜそうした事件が出来たのか。背景は。原因はとなると記事からはわかりません。社会的影響がある地元新聞にも不祥事を未然にチェックできなかった責任はあるのです。

そのあたりの反省があるのかないのか。そこらあたりが高知新聞のレベルを問う「リトマス試験紙」であると思います。

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2002年3月1日