高知シティFM放送の社会的使命について

 昨年4月2日に開局した高知シティFMも1年を迎えることができました。これも視聴者の皆様のご支援のお陰であります。

 出力は20メガと弱いし、電波の届く範囲も高知市周辺地域に限られています。コミュニティ放送局と言いますのは、より地域に密着し,生活情報を提供するために1992年に函館市の「FMいるか」が誕生してから,全国各地に開局しています。

 1995年の阪神大震災の折には、神戸市のコミュニティFM放送局が生活関連情報を神戸市民に提供し続けて大変高い評価を受けました。高知シティFMも1999年に民間有志が出資し、開局しました。自治体などが出資する形が多く,第三セクター方式が多い中で、貴重な「市民の市民による、市民の放送局」であります。

 今日のテーマは「高知シティFM放送の社会的使命について」なのですが。

  • この放送局の役割は、先ほど細井さんが言われた通り「市民の市民による、市民の放送局」であることです。従来の放送局,ラジオで言えば高知放送やNHKやFM高知などは、「県下全域放送」を前提としています。これらは全国ネットの放送が殆どです。ローカル放送の番組は多くはありません。高知シティFMは開局当時から、地元での自主製作番組が多い局です。
  • 番組製作も多数の市民県民が参加しています。多くの市民が番組のなかで、自分の領域での発言をしています。また高知大学,高知女子大学、土佐女子短期大学などにも番組枠が提供され、若い学生の皆さんの生の声をダイレクトに提供しています。番組製作のレベルは高いとは言えません。しかし市民が自分で番組をこしらえる作業は、大変貴重なのです。
  • 県域全体に視聴できる放送局とは社会的役割が異なります。より高知市民、周辺住民に密着した生活情報の提供放送局です。とくに災害時には、すべて生活関連情報の提供に切り替わります。高知市民にとっては、必要不可欠な放送局になりつつあります。

※今後は、各分野に「特化」した放送製作、番組製作をすべきでしょう。

※従来の放送局は、「総合スーパー」でした。品揃えは何でもある。しかし今の時代なんでもあるということは、自分のほしいものが「何もない」こととなります。「つり」とか「音楽」とか「マリンスポーツ」とかに特化した番組、関連情報を提供できる放送局になるべきでしょう。

※インターネット放送局にもなるべきでしょう。より市民の視点に近い放送局として、市民自らが育てる放送局に成長していただきたいのです。

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2002年3月1日