高知のモデルはイタリアで
今日のテーマは「高知のモデルはイタリアで」です。高知とイタリア、距離も遠いし一体どこに共通点があるのでしょうか? イタリアと言えば、ファッション、革製品、家具、ガラス食器、パスタ料理を連想いたします。フランス同様にブランドメーカーも多数あります。若い女性が好感を持っている国のひとつであります。
テーマのように高知はイタリアのようになれるのでしょうか?
- 10年前の1991年に、高知青年会議所主催の「都市再開発セミナー」の講師で、津端修一さん(三重大学客員教授 都市計画)が講演されました。津端氏は「高知はイタリアみたい。イタリアの良いところを積極的に真似をしたら良い。東京のまねをしてもだめだ。」と言われました。
- 講演内容を要約いたしますと以下のようになります。
☆高知もイタリア(とくに南部)は貧富の差がある。マフィア(日本では暴力団)
と共産党勢力が強い。
☆イタリア南部のように工業が発達せず、農業が主体で産業基盤が弱い。
☆イタリア同様中小零細企業が多い。所得も低い。
という共通点をいくつかあげられました。
- では高知はどうすれば良いかというアドバイスは
☆デザイン重視の経済への転換を図ること。イタリアはルネサンス以来の芸術の
伝統があるし、市民レベルで「素養が」ある。だから「作品」が一味違う。
☆スモール・ファミリービジネスがうまくイタリアは機能している。中学校卒業
時点で、勉学するものと実業や職人を目指すものが分化するのがイタリア。
15歳で職人になり、30歳くらいで親方になる。親戚一同や、同業の零細企業
同士がうまく助け合って、良いデザインの「作品」を生み出している。上下の
下請け関係ではなく、「相互扶助」がうまく経済のしくみで出来ているようだ。
☆イタリアファッションを世界に売り出した大いなる功労者はイタリア共産党
(現左翼民主党)である。かれらは各地域に第3セクターのような組織をこし
らえ、世界とスモール企業が直接取引き商談できる「仕組み」をこしらえた。
それはたとえば高知のある企業の仕入れ担当が、オリジナルのガラスコップ
10個こしらえてという依頼にも、ちゃんと応える仕組みらしい。直接商談
は双方に利益があり、イタリアのファッション業界の分厚い企業群を育てた
と言われている。
☆プラダなどの大企業と、スモールビジネスが共存しているのが、イタリア経済
の強さである。高知の共産党もイタリア共産党を見習って方針をかえたらいか
がなものか。
という主旨でした。大変興味深い話でありましたし、10年たってますますそう思うようになりました。
(結論)
高知とイタリアの共通点は以外にあるなと思いました。高知のモデルはアメリカや、イギリス、ドイツではないだろう。デンマークでもスイスでもない。やはりイタリアは「真似をしてもいい国」であると思います。
名目所得差は、東京都とは縮小しないでしょう。所得は低くとも「余力があり豊かな高知」になりたいものだ。
人口が減少し、高齢者が増える高知県。自然と歴史を重視した県作りをやるべきだろう。企業誘致では地域は豊かにならない。従来高知の経済人は「ソフト」や「デザイン」に配慮がなく重視もしなかった。
これからはデザインとソフト、スモールビジネスを重視した経済政策に県経済は転換すべきでありましょう。
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