田中外務大臣が就任以来、かつてないほど外務省は注目されています。
不思議なのは、イタリア外相との懇談内容や、中国外相との懇談内容など、その場に居たと思われる特定の人物しか知ることのできない情報が、次々と「情報公開」されていることです。
これも田中外務大臣が就任早々に「外交機密費は国民の不信のもとだから、大幅に削減する。」と発言したせいなのでしょうか。田中外務大臣が、米国のミサイル防衛構想について、独自の見解を述べたと大問題になっています。
今日のテーマは「日本に外交政策はあったのか?」なのですが。
1)田中外務大臣の「発言」を追求している議員は与野党を問わず、「アメリカに
失礼だ」とも聞こえます。「盟主であるアメリカを差し置いて、中国に親しくあれ
これ言うのはけしからん。」とも聞こえます。
2)台湾問題、教科書問題、朝鮮半島問題、セーフガード問題、ミサイル防衛問題
、京都議定書への米国の未調印問題など外交問題は「山積み」状態です。
3)何やら外務省内部の「権力闘争」ばかりが、興味本位に報道されています。
そればかりで、良いわけはありません。
* 戦後日本政府の外交政策は一貫して「日米安保体制の堅持」でした。反対派
からは「米国追随外交」と非難されてきました。経済に専念し、外交はアメリカの
言うとうりでも問題ありませんでした。
* しかし今年から成立した、ブッシュ共和党政権は、強硬なアメリカ第一主義、
中国、北朝鮮に対する対決色を鮮明にしています。
従来の「米ソ対決」の冷静時代は、主要な舞台はヨーロッパでした。しかし今回
ブッシュ政権が演出している「米中対決」は、舞台は東アジア、日本近海です。
* 与野党とも大変な時代である「自覚」が必要。国民も無関心ではいられない。
近隣諸国との善隣友好が日本外交の基本理念の筈だから。