日米安全保障条約は永久条約なのか
今日のテーマは「日米安全保障条約は永久条約なのか」です。
正式名は「日本とアメリカ合衆国の間の相互協力及び安全保障条約」と言いまして、1960年六月23日に発効しました。条約の効力は10年で、1970年に自動延長され、80年、90年、2000年と延長されています。今日では、1960年当時や、70年前後のように国民的な関心は高くはありません。しかし最近の小泉内閣閣僚は「周辺有事事態の際の有事法制度の整備の必要性」や「一部憲法を改正して法制度を見直さなければならない。」などと踏み込んだ発言が目立つようです。
1951年の旧安保条約から、1960年の新安保条約の制定。日本を取り巻く情勢も、敗戦後の占領時代から、冷戦時代、経済成長の時代、冷戦の終結など変化してきました。
米軍基地の役割も変化してきています。日米安全保障条約は「永久条約」なのでしょうか?
1)政府の一部にある「憲法改正発言」は気になりますが、日米安全保障条約が憲法違反でない以上、議論は前へは進まないでしょう。米軍が日本に駐留している限り、日本独自の防衛構想など構築できないからです。
2)何度も指摘しましたように、米軍はなぜ日本に駐留しているのか?沖縄には敵前上陸作戦を行う攻撃部隊の海兵隊が三万人近く駐留しています。それは日本を押さえるため、日本の軍事台頭を抑制するために他ありません。
3)経済大国一位のアメリカと二位の日本との軍事同盟です。経済力は軍事力に比例します。同盟関係にないロシアや中国、北朝鮮にとっては「大変な脅威」でもあります。
4)日本は憲法の制約で軍事進攻はしていません。しかし沖縄の米軍基地から、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争も「出撃」しました。相手国から見れば、日本はアメリカに全面的に協力しているとしか見えません。
* 日米安保条約を見直す論議が必要です。最近社民党の土井党首が「日米安保条約を平和友好条約に改変すればどうか」という提案をしていました。少数野党のためあまり注目されませんでしたが、一案でしょう。
* そのためには、韓国や中国との友好関係の推進が大前提です。「教科書問題」などでぎくしゃくするのは論外です。日本、韓国、中国で話し合い東アジアの歴史教科書を共同でこしらえたら問題は解決します。
* それが実現したら、日本、アメリカ、ロシア、中国、韓国、などとアジア平和条約を締結し、日米安全保障条約を発展的に解消すれば良いと思います。
大きな問題ではありますが、市民レベルでも関心を持たねばなりません。小泉内閣は憲法改正論を主張する閣僚、自民党幹事長らがいるからです。
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