国は電力会社を見習え

 電力供給業務を複数の会社に競合させる-いわゆる「電力業務の自由化」が国によって提唱されています。旧通産省は、発電部門と送電部門の分離などを電力会社に「勧告」などしていました。

 国は電力会社など民間会社を指導する立場にあります。今日のテーマは「国は電力会社を見習え」と言うのはどういうことなのでしょうか。

  • 電力会社は各地域ごとに分割されています。北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力という具合です。かつて「道州制」が提案されたエリアとだいたい一致しています。
  • 私は20年前から仕事で、四国電力施設や事業所を巡回しています。それで判明したことは経済の発展もあり電力設備は、3倍近く増えています。しかし人員はほとんど増加していません。
  • 電子化の動きも速かったです。社員一人一人にパソコンが支給され、社内業務は殆どパソコンで処理されています。数年前から床配線工事をしていましたから、「大容量」の情報を的確に処理しているようです。
  • 災害時の復旧は電力が一番早いです。合理化しているなかで、「有事即応体制」が確立されています。このあたりは国や県など行政が一番見習うべきところでしょう。

※日本の電力料金が欧米各国より高いと指摘されています。しかしそれは電力が地域独占で競争がなかったからだけではありません。山間部の効率の悪い個所にも電気はひかれています。山間部の多い日本は多大なコストがかかったことでしょう。

※景気対策と称して、政府や政治家が無理な設備投資を電力会社に要求したことも料金が高くなった原因だと思います。そのことを忘れ、電力会社を攻撃するのは筋違いでしょう。

※むしろ中央政府が、電力会社のエリア通り分割されたほうが、地域住民にはメリットがあります。「災害時復旧のリスクマネジメント」「社内電子化」などは国が見習うべきとことでしょう。

※電力自由化の波のなかで、各電力会社は情報通信分野へ進出しています。NTTと対等に勝負できますのは、鉄塔や電柱など全国に配電網を持っている電力会社です。この両者による勝負の行方はどうなるのか楽しみです。

※四国だけで言えば、四国全体の民間設備投資総額の三分の一は四国電力1社です。いかに社 会的な影響が大きいことかと思いました。

※電気の供給という公共性をもちながら、同時に民営企業である電力会社。行政改革も進まない中央省庁は電力会社に合理化、リストラのやりかたを習うべきだろう。

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2002年3月1日