ふれあいスポーツひろばについて
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今週のゲストは高知大学人文学部社会経済学科3回生の恒川竜慶さんです。今日のテーマは「ふれあいスポーツひろばについて」でお話をお聞きいたします。 恒川さんは、8月1日に開催されましたNPO高知市民会議主催の「公益信託まちづくりファンド助成事業」に応募され、見事に高い評価を受け、助成が決定いたしました。 なぜこの事業を展開しようと考えられたのでしょうか?事業計画では「障害を持たれた 人達とのスポーツ(サッカー)を通じた交流」が主体になっているようなのですが・・。 |
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正直に言いますと、僕がサッカーをしていたということと、親が障害を持っている人達と触れ合う仕事をしています。僕は今まで子供のときからサッカーの指導を受けてきました。障害を持っている人と親の職場を手伝う際に触れ合って来ました。 こういう方たちにはそういう場がないんだということに気づきました。それでは自分がつくってみようかなと思いました。 |
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恒川さんのプレゼンテーションのなかで「スポーツはアスリートしか出来ないと思われがちなので、その考えを排除したい」とありますがどういうことなのでしょうか? |
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写真はアクセスディンギーと呼ばれるヨット。 体に障害があっても操船できます。不沈構造になっていますし、片手でセーリングできます。 恒川さんも今年障害者スポーツ指導者研修で体験されました。 |
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そうですね。今世界大会などはテレビで放映されたりしまして、話題になっています。僕らの世界と違う世界と感じますと、スポーツは自分の中から遠ざかります。 そういうところで、アスリートしかできないのではなくて、しろうとでも誰でも出来るということをもう少し、思い出させてあげたいと思いました。 |
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技量が下手でも、私らのような中高年でもそれはスポーツは出来るのだということになるのですね。 | |
そうです。スポーツは競技スポーツと、レクレーションスポーツがあります。レクレーションとして楽しくやるということもとても大事です。 | |
サッカーボールを通じたコミュニケーションをされています。 (写真は恒川竜慶さん提供) |
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まちづくりファンドのテーマは、スポーツを通じた障害者の人達の「自立支援」ということなのでしょうか? | |
直接的には繋ぐことはとても難しいことであると思います。スポーツをすることで、 自分のなかで「楽しい」とか、「自分で何々をしたい」ということが、自ら動くこと、「自立支援」につながることであると僕は思います。 |
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素晴らしい考え方であると思いますね。学校体育でも社会人でも目標に各種大会とか、国体などがありますと、勝利が義務付けられますね。勝利のためには選手の優秀な人だけが選抜され、それ以外の人達はないがしろになる。 そこまでは行ってはいないでしょうが、そのように感じられますが。そこから脱落しますとそれ以降はスポーツとは縁がない生活になるようなのですが。 |
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基本練習がサッカーは大事さと言われています。 (南国FCのサッカー教室の様子) 高知大学でも同様の教室が開催されています。 |
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そうですね。僕的には、スポーツでなくても人々が興味をもつものを提案することが、自立支援のきっかけになります。スポーツだけを勧めるわけではないのですが、殆どの人は体を動かすことによって、自分のストレスを発散したり、楽しいと思ったりすることが多いのではないでしょうか。スポーツを勧めたいのです。 | |
9月からスタートされたようなのですが、具体的にはどのようなメニューで、交流をされているのでしょうか? | |
まずはじめはオリエンターションという形で試しにやりました。メニューなんか考える前に行き当たりばったりなんで、どんな人がいて、どれくらいのレベルでとわからないですね。行ってみてこれくらいですから、こうしようとしています。 はじめはサッカーにはなりません。スキップをしてみたりとか。けんけんをしてみたりとか。今の年代、40歳代の人でスキップやけんけんが出来る人は殆どいないのではないでしょうか。 障害を持って施設へ入っている人も同様です。子供たちも同じです。スキップが出来る人は少なくなっているのですね。 |
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それはどういうところに原因があるのでしょうか? | |
体を動かしたり、自然のなかで体を動かしていないからだと思います。僕らは自然のなかで遊んで身につけて来ました。そういう環境が少なくなっているので、リズム感などがなくなって来ているのかもしれません。 | |
自然のなかで体を動かす体験は必要です。そのなかで身につく事柄も沢山あります。 | |
サッカーにもリズム感が必要なのですね。 | |
そうですね。相手を抜く時に、習ったとうりの事をしていましたら、相手もわかるので、抜けません。そういうところは、どこかでリズムに乗って自分なりのドリブルをしたり、パスをしたり、しないと相手は抜けないと思います。 | |
事業計画では来年の7月までになっています。最終目標はとりあえずどのようなところに置かれているのでしょうか? | |
とても小さいかもしれません。目標は、相手の利用者の方が楽しいというものを一つでも何か見つけてもらいたいことですね。 | |
実際指導されて子供たちは楽しくされていますか? | |
まちどうしくて来ている人もいます。中にも自分に合わないと辞めていく人もいます。そういう人達を無理に強制して連れてくることもないですし。それは僕のなかで、楽しいと思っていただく人達とやることが、目的ではないですが、それを目指しています。 |
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サッカーでもシーカヌーでも楽しくしなければいけないでしょう。 | |
大学の講義で、スポート医学も履修されているということなのですが。 やはり運動能力は、各人各様で差がありますね。そこをわきまえて指導しないといけないと思いますが。 |
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そうですね。それなりの筋力がないと膝を痛めたり、足首を捻ったりします。そのためにはまず筋力を向上させないといけません。ウォーキングでも怪我が発生することがありますから。そのあたりをわきまえて、人とのコミュニケーションをとり、その人の能力をわきまえた上で指導をしていきます。支援をしていかないといけないと思います。 | |