これからのコミュニティを考える
 
今週のゲストは田岡真由美さんです。田岡さんは大学時代は森林学を専攻されていました。卒業後海外青年協力隊でタイの山村で1年間活動されていました。NPOでの活動もされました。また昨年は仕事で仁淀川流域市町村の住民の方々と「お宝探検団」を組織し、活動されました。今日のテーマは「これからのコミュニティを考える」です。

昔のコミュニティは「ゲマイン・シャフト」と言われていました。地縁・血縁の共同体でした。農村社会で労働集約的な社会だったからなのでしょう。共同作業が多く、生産活動のみならず、お祭りや、冠婚葬祭なども隣近所の付き合いが濃厚でした。

 時代が変わっても共同作業や助け合いはあります。それは時代とともに変化するものだと思います。
現在は高知市でも都市化が進展。隣近所付き合いが希薄になり、町内会の役員や行事も若い人は参加したがりません。同時に都市の犯罪や荒廃のマイナス面も地方都市に現れています。打開策は難しいようなのですが?
旧来型の町内会、自治体組織にはごたわらないことですね。従来の枠にとらわれない新しいグループほうがかえって動きやすかったりします。元気なグループは、気の合うもの同士がグループだったりして、そのほうが活気がありますね。
今後のコミュニティを考える上で、ITが果たす役割はありますか?
過疎が進んでいきますとITが手助けになる可能性がありますね。
高知県も9月から「ぷらっと・こうち」という県民参加型の電子会議室をスタートさせました。これは2001年の「県民参加の予算作り委員会(全県枠)」、2002年の「社会起業システム研究会」から拡大発展し、双方向のコミュニケーションを発展させる道具です。こうした試みについてどう思われますか・
これは活用できると思いますね。問題は話題提供の仕方でしょうね。「ローカル主義」も活用できるでしょう。
運営方が難しいとおもいますね。
 バーチャルコミティは見逃がせませんね。そればかりでなく、人と人とコミュニティも大事です。両方が必要だと思いますね。「フリーペーパー」のようなミニコミ誌を個人で出している知人もいますし。いろいろな形であたらしいコミュニティができつつあります。
ワークショップの様子

路地の大事なコミュニティ空間です

今後のコミュニティを考える場合まとめるとすればどういうことになりますか?
 
長い時間はかかります。ちゃんとした信念をもって、長い時間をかけてやるべきでしょう。先進事例で紹介されます東京世田谷区のまちづくりにしても、当初から言えば40年ぐらいかかって今のようになっています。。
 わたしも海外体験でわかりました。1年や2年、1人 の青年海外協力隊隊員の力で、地域がかわるはずがありません。海外で活動されているNGOの人達は10年ぐらい定住し、頑張っています。
 地域のまちづくり、コミュニティづくりも同じです信念をもって、長い時間腰をすえてまちづくりに関わるべきだと思います。ITも最大限に活用すべきです。