市民を災害から守るためには
 今週のゲストは、高知市議会議員の武内則男さんです。今日のテーマは「市民を災害から守るためには」でお話を伺います。
 武内さんは市議会議員、民主党高知連幹事長、労働組合幹部、前NPO高知市民会議理事などの顔があります。もともとは高知市水道局の技術職として勤務されていました。
 「電気・ガス・水道」と言われている市民生活の根幹を成す公益事業に関わられていました。
ご専門の水道事業について伺います。高知市の水源は鏡川水系だけでなく、吉野川  水系、仁淀川水系から確保されています。「水不足」の心配は夏場などではないの  でしょうか?
  結論から先に申し上げますと、多元的な水源の確保をしていますので、量、質ともに安定しています。水不足の心配は今後ないと思っています。
 其の中味を申し上げますと、鏡川水系で日量6万、吉野川水系で6万3千、仁淀川水系で、6万。地下水源もあります。8000立米あります。
 
大渡ダム(仁淀川)
早浦ダム(吉野川)
近い将来起こるとされる東南海地震。その大きな地震がおきた場合、高知市民は水  道の水を飲むことが出来ますか?浄水場や水道管などの地震対策はどうなっていますか?
 
 地震がおきた時の水はライフラインとして大事なものです。針木浄水場を市民の皆さんはご存知であると思います。ここは地山に建設していますので津波などの被害は現時点ではないと考えられます。
 ただ旭の浄水場につきましては、老朽化も進んでいまして、ここの水源がやられますと、高知市の北部を中心に大きな影響が出てまいります。飲料水を飲むことが出来ないことになります。
 旭については17年度より、私もかねてより申し上げてきましたが、10年計画で全面更新をしまして、耐震化をするようにしています。それにより東南海、南海地震に対応しうる施設に更新がされていくことになります。
  水道管の破裂なんかも出てきます。神戸でもそうでした。そうなりますと大変な事態になります。平成14年度より、NS型という特殊な呼び方ですが、耐震性の水道管に順次更新しています。
 
非常時の場合、水道が使えない場合は、高知市の場合は市民の「飲料水」確保はどうなっているのでしょうか?備蓄されていますか?それとも汚水を浄化するような浄水装置の様なものがあのでしょうか?
 地震に対してどう対応するかの備えはあります。専門的になりますが、貯水池が高知市に6箇所ありますがそこに緊急遮断弁を設置されていまして災害時に(水が漏れない様に)対応しています。
 また非常用の飲料水の確保ですが、市内に26箇所非常用の貯水槽を設置する予定です。順次設置しています。一箇所について6000人が3日間その水を飲むことが出来ます。そういう状況に現在なっています。
高知市の水道供給の大部分は針木浄水場から行われる。固い地盤の山腹にあり、津波による損傷の恐れも少ない施設である。
 沖縄では那覇市などでは各家に飲み水を備蓄するタンクがあります。沖縄は降水量は多いのですが山がなくダムもないこともあって水源地が少なく、常に水不足状態です。それで市民が飲料水確保のため家に貯水タンクを構えています。
 高知市でも、非常用に備え各家庭がそういうものを構えるのはいかがでしょうか?
  高知県も沖縄県も台風常襲県としては有名です。ただ高知は地域事情が沖縄とは異なります。さきほど言われましたように沖縄は雨もたくさん降りますが、水源を確保するのが大変、難しいところです。
 高知は県土の82%が山林です。水源は豊富であります。日頃の水源確保については問題はありません。災害時については、非常用の水と言いますとさきほど申し上げました市内26箇所に設置しています非常用の貯水槽。(学校の校庭などに設置されます。
 ここに私も提言させていますが、地域の自主防災組織の人達が、避難をしたときに貯水槽を操作をして飲料水を確保いただく作業が必要です。その操作作業のスタッフの訓練や、非常時の対応などもやっていけば市民の皆さんが避難した先で水を確保することが出来ます。
 飲み水確保のために、県や国との共同事業はあるのでしょうか?また災害時はどう いう協力体制になっていますか?

 飲料水確保のための国や県との共同事業はありません。ただ社団法人で日本水道協会があります。非常時における、災害時において日本水道協会に協力要請をしながら、中四国、九州、関西というところの水道事業に関わっている人達が、日本水道協会の要請で応援体制に入ります。現在はその体制は出来ています。
 

 10年前の1995年の阪神大震災時にも高知市水道局は、給水車を神戸に派遣していました。あれはどのような能力があるのでしょうか? 阪神大震災1995年
 はい。実際私も神戸へ参りまして各病院を給水車で給水しながら廻りました。非常に大きな効果がありました。今高知市で準備していますのは、10リットルが、800個、500リットルものが、34個、1000リットルものが、2個、1500リットルが2個、2000リットルが1個。これだけのタンクを用意しています。
 これだけのタンクがあれば、病院とか施設を廻りきれる容量であります。
*このページに挿入している写真は高知市水道局サイトから転用させていただきました。http://www.city.kochi.kochi.jp/deeps/24/2407/index.htm
1月番組に戻ります