海のギャラリーをどう活用しますか?
|
|
今週のゲストは、建築設計士であり、3Dを活用されている田上圭一さんです。今日のテーマは「海のギャラリーをどう活用しますか?」でお話しを伺います。 田上さんは土佐清水市のご出身です。足摺・宇和海国定公園は日本有数の海の綺麗な地域ではあります。しかし高知空港か約5時間かかり、「日本1不便な観光地」でもあります。 足摺はとにかく遠いと思います。「距離のハンディ」はあると思います。なにか打開策を関係者は考えているのでしょか? |
|
打開策はあまりない(距離を短くするような意味では)と思います。ただ遠いということを利用して、日本1遠い秘境ですから、むしろ逆手にとって打開できたらいいなということですね。 と言いますのは土佐清水にある自然と言うものは面白いものがあります。ただ自然だけでは勝負は出来ません。そのための仕掛けと言うかなんらかのものが必要になってきます。 |
|
わたしも土佐清水市にある「海のギャラリー」は一度しか行ったことがありません。また田上さんはどのような方策で協力されているのでしょうか?現在改造中であるようなのですが・・・。 | |
田上圭一さん制作の「海のギャラリー」の3Dです。
|
|
基本的には昭和4年頃の形に戻そうと言うことです。もともと海のギャラリーは、林雅子さんと言う方が貝をイメージされて設計されていました。 海の底から貝を見るイメージで造りました。それがトップライト自体が雨漏りの関係からか覆い隠され光が建物の中に入って来なくなりました。 一番の問題は、県民に親しまれる海のギャラリーとして、どう生まれ変わるのかと言うことです。30年間,開館以来殆ど展示状態は殆ど変わってはいません。なかなかリピーターがいませんでした。 ひじょうに面白い施設です。貝は黒原さんが、土佐清水で集めた貝です。土佐沖の貝の展示ですので、地域性があって大事なことではないでしょうか。 |
|
類似の貝類の博物館などは、世界中の貝を集めて展示しているようです。土佐清水市の海の近辺で採取されたり、打ちあがった貝を展示しています。 今となりましては貴重な貝もあります。もともとは網にかかった貝を集めたり、もって来られたのを集めていました。特別お金を出して世界中のものを集めたわけではないのです。そういう意味では地元的な貝のギャラリーですので面白いのではないでしょうか。 |
|
それは土佐清水近辺の海の豊かさを強調するギャラリーであるべきであると思います。 | |
そうですね。近くには沖ノ島という世界有数のダイビングのスポットがあります。 私が以前ハワイに行った時に高知から来たと言いますと、「高知にはいいところがあるね。」と現地の人に教えていただきました。それが沖ノ島でした。 |
|
土佐清水などは、自然景観が素晴らしく、国定公園になっている地域もあります。今田上さんが関わられている海のギャラリーとか、珊瑚の博物館とか、海中展望台、竜串海岸とか近くにあったのでしょうか。 今の状態はそれらがばらばらになっているように思いました。 |
|
土佐清水近辺の海はどこも美しいです。大岐の浜です。(岡田充弘さん提供)
|
|
実はそのほかには水族館もあります。なかなか綺麗な水族館です。まんぼうがいたり子どもと行くのには良いのです。 実はそれらの施設はばらばらで、チケットがばらばらです。それから隣接する施設へ行くのにも、車で移動するしかないのです。歩いて行くような感覚がないのですね。遊歩道があるにはありますが、整備されてはいません。 そのなかでまとめたものが必用です。そのあたりを提案したいのですが、では誰がやるの?ということになります。ひじょうに大変です。 |
|
行政の管理運営権の問題があり、施設によって持ち主がばらばらですと難しそうですね。ただ田上さんが言われていますように、足摺、宿毛、土佐清水、沖ノ島あたりの海は、ハワイよりも素晴らしいものです。 世界的にはダイバーが知っていると言う素晴らしい海です。少しそのイメージを大事にすれば出来そうな気がしますが。 |
|
そのあたりが問題ですね。都市部の人が足摺に行くのは遠いから一泊します。癒しを求めに来ます。その中では食事も必要です。癒しを求める空間や、地域の産物も必要になるでしょう。 |
|
沖ノ島の海は世界有数の美しさです | |
やはりそれをコーディネートすることで、ご出身の土佐清水を再構築する必要性がありますね。 | |
そのために会合をもっています。もともと「海のギャラリーを活かす会」ということで、設計監理協会とか、JIAとか建築士会とか集まろうとしています。 ただそれがこれからどうなるのかは不透明です。海のギャラリーはリニュアルオープンします。それが落成式が4月の29日です。 それからが徐々に構想を実現していきます。 |
|
*ページ下段の沖ノ島の6枚の写真は田上圭一さんに提供いただきました。 | |