地域の活力をどう育てますか?
 今週のゲストは、地域の元気応援団、高知県企画振興部地域づくり支援課、地域支援企画員である隅田紀子さんと、松岡好江さんです。
 今日のテーマは「地域の活力をどう育てますか?」です。今までに地域の資源、歴史的な遺産、人材についてお話しを伺いました。でもそれだけでは地域は元気になりません。
 地域の人たちが、居住する地域を卑下することなく、誇りに思うことからすべては始まると思うからです。


私自身も高知シティFMにて、2003年より「けんちゃんのどこでもコミュニティ」を制作しています。つくづく思いますのは、高知県には人材が沢山いるなと思います。ただその人材は、ネットワークされていません。繋ぎ役、「コーディネーター」が必要なのです。みなさんも地域に入られて「コーディネーター役」を意識されていると思いますが、そのあたりはいかがでしょうか?

隅田 私もこの仕事を始めて、本当にいろいろな思いを持って地域で活躍されている方や団体の方々に沢山お会いしました。その中で、同じ想いのベクトル(方向性)の方がいらっしゃったら、取りあえずお引き合わせをし、想いのベクトルを束ねていく作業が必要です。1人よりは2人、2人よりは3人と、少しずつ大きな力になっていくのではないかと考えています。それがまちづくりに繋がると思います。

 ネットワークを作るという点でも、これまでのように単なる人材リストで重ねていくことだけではなく、、思いをつなぐということが必要であると思います。そのためにも、地域に出て、よく人の話を「聴き」、「感じて」、「想い」を受けとめていきたいと思っています。

収録の様子です。
松岡 私も地域に出て感じますことは、いろんな思いを持っている人は多いですが、それを「誰に話をして良いかわからない」。こんなことをしたいのだけれども、どこに相談していいかわからない。と言うことをよく聞きます。その仲で、私たちはアンテナを張り巡らして、そういう人達の「思いを」繋げるような形で仕事が出来れば良いと思います。
 三位一体改革や、財政再建だとか、予算削減されまして、萎縮するような話が多いですね。「駄目だだめだ。高知県は倒産する」とか言われていますね。確かに予算はある程度は必要ですが、なければないなりに、地域が元気になる方法はあるはずです。
はりまや橋商店街サロンで、西岡謙一さんがされている七輪サロンは、多様な人たちを引き付けています。都市と地域を繋ぐサロンを、ローコストで展開されています。都市と地域を繋ぐサロンを、ローコストで展開されています。あのような方法手段でやれば、いろんなことが出来ると思いますが・・。
演奏会の様子
七輪サロンの様子です。blogで中継しています。
松岡 西岡謙一さんの七輪サロンにはいろいろな方が集まってこられて、ますますにぎやかに、輪が広がってきましたね。西岡さんは、このサロンを通じて、地域でのコーディネーターの役割を果たされ、西村さんにお会いしたのも西岡さんからのお引き合わせでした。

 西岡さんは、ITによる情報発信とともに、リアルでの交流の場を提供され、お金をかけずに人を呼ぶことができることを実証されています。これからは、ローコストという視点で事業を考えるモデルにさせていただきたいと思っています。

やはり地域の若者の動向が気になります。学生達や若い人たちとの連携はされていますか?教員や、大学教官とのネットワークは形成されていますか?
隅田 ボランティアフェスティバルやNPOフォーラム、はりまや橋商店街のイベントなどで、主体的に活動している若者をよく見かけます。
大学や大学生と協働して地域づくりを住民の方々と一緒に考えたワークショップをしたこともありますし、集落調査を行った事例もあります。

 気になりますのは、市町村合併の影響はいかがですか?鏡村、土佐山村は高知市に「吸収合併」されるようなおもむきなのですが・・・・。それはそうではないとも伺いましたけれども。

いろりのある風景。火を囲むと和やかになります。はりまや橋七輪サロンにも同様の効用があり、人々を集めているのです。

     (いろり庵)

松岡 確かにそれぞれの村の人口は高知市でいえば新興住宅地が2つ増えたといったところだと思います。また、高知市の住民に、鏡村、土佐山村について十分な情報があるとは言い難いところです。それぞれの地域の魅力を伝え、守っていくことが重要であると思いますし、高知市の住民に関心を持ってもらいたいと思います。

 鏡村では、既存の交流活動グループなどが連携して、むらツーリズム研究会を作り、農業体験などによる都市との交流人口拡大やファンクラブの設立します。また村の広報紙が、高知市の広報紙に統合されますので、地域新聞の発行などを通じて、合併後も鏡地域の良さを守り伝えていこうとする動きも出てきました。

 土佐山村では、中川をよくする会の皆さんが、これまでの地域づくりの実績(10年以上活動実績があります)に対し、国土交通大臣表彰を受賞されました。常に休むことなく、自分たちのことは自分でと、よりこころ豊かな地域づくりに取り組まれています。
 蛍まつりやお月見会、梅祭りなど季節のイベントに加え、オーベルジュ誕生祭、夜の運動会などすべて、地元住民の手作りでもてなし、楽しませてくれますし、何より皆さんが楽しまれています。どちらの村も合併による危機感が、地域住民の絆を強くしたように思います。


 高知市自体も車社会の進展で、町内の結びつきが弱まり、再構築の必要性があります。
意外に都会的で、近所づきあいもありません。そのあたりの打開策についてアイデアはありますか?
松岡 私は高知市郊外の住宅地に住んでいますが、仕事をしていますと、昼間のご近所の様子は全くわかりませんし、休日でもご近所の方とゆっくりお話しすることもめったにありません。中越地震がおきて改めて、昼間子供だけが自宅にいるときに大きな災害が起こったらどうなるんだろうという不安を感じました。これは子供だけに限らず、体に障害を持った方や高齢者などを抱えていらっしゃる方も同じではないでしょうか。

 また、近年は防犯への意識も高まっているように思います。いざという時に支えあえるのはご近所、町内会の皆さんですから、日ごろのコミュニケーションが重要であると思います。
言い古された言葉ではありますが、「向こう三軒両隣」の結びつきをまず考え直し,お隣同士がうまく関係づくりをするということが大切ではないでしょうか。
自主防災の組織作りなどはそういう意味では、助け合えるご近所の関係を築く、いいきっかけになるのではないでしょうか。

 色々地域の元気応援団の活動について、お話を伺いました。皆さん方目標としている事柄があれば、お構いなお範囲で、ご披露をお願いします。
はりまや橋商店街には、呉服店が多くあります。商店街の要望でご両人は着物姿で、あそぼうさいの折地域支援活動をされていました。
隅田
  地域支援企画員には、具体的なマニュアルがあるわけではありませんし、人それぞれに違うと思いますが、私は、一にも二にも、よく「聴き」、「感じて」、「想い」を受けとめて、同じ想いのベクトル(方向性)の方がいらっしゃったら、取りあえずお引き合わせをし、想いのベクトルを束ねていくと、1人よりは2人、2人よりは3人と、少しずつ大きな力になっていくのではないかと考えています。

 
 また私は福祉の仕事の出身ですので、この番組にも出演されたOPEN HEARTさんたちのように、そういう意味では、地域の中で透明な接着剤になれたらいいなあと思います。
そして、障害があってもなくても、若くても年がいっていても、「誰かとつながれる場」を一つでも多く見つけて、誰かさんと誰かさんがつながっていけるようにしたいと思います。

松岡

 私のほうは、この仕事を始めて、本当にたくさんの方にお会いしました。自分自身が地域の中で特に活動が出来ていないものですから、いつも感じているところなんですが、地域の皆さんの活動への支援や、一歩前に出るお手伝いをさせていただくことが私たちの仕事だと思っています。
 十分にお役に立つことができず申し訳ない思いでいっぱいです。私も地域の皆さんと一緒に、私自身が勉強させていただく中で、共に前に進んでいければ・・と思います。

12月番組に戻ります