西表とルアーフィシングの魅力について
 今週のゲストは杉本久典さんです。杉本さんは農業関係の技術者で高知県庁に勤務されています。今日のテーマは「西表とルアーフィングの魅力について」でお話を伺います。
 杉本さんの趣味は釣りであるようなのですが、なかでも沖縄県西表島がお気に入りのようです。

 高知県も有数の釣りポイントが多数あるやに聞いています。しかしそれを飛び越え 西表島に通われる西表の魅力は何なのでしょうか?

 釣りと言うことで言えば僕の好きなスタイルのルアーやフライといった疑似餌では、高知ではあまり釣れなくなったこと。原因は釣り人が多すぎて、ゆっくり一人で、あるいは気のあった仲間同士で楽しめなくなってきたからです。西表まで行けば、ここ数年はそうでもないのですが、一日、他の釣り人にまず会いません。

 でも、一番大きいのは、2人の障害児を必死になってなんとか育てながら、かなり消耗していた時期に、仕事で行った石垣からたまたま、足をのばして西表に行った訳なんです。簡単に言うと、癒されたというか、豊かな自然のエネルギーをわけてもらって、すごく元気になれたということなんです。そして、長女の障害がわかってから、ほとんどやっていなかった釣りを再開したわけなんです。
高知ももちろん、全国的に見れば、大変自然豊かなところだとは思いますが、川や海に出たときに感じる生命エネルギーというか生物の生息密度が桁外れに違います。西表では、もちろん、海に出れば数十キロの大きな魚が比較的簡単に釣れます。
 僕らが主に釣っているには、マングローブ林が発達した川なんです。沖縄県で一番大きな川も西表にあります。

釣りの成果。ゴマフエダイという魚だそうです。
西表島の川。マングローブが茂りジャングル。
小さなカナディアンカヌーで亜熱帯のジャングルを縫うように流れている川に入って行く訳なんですが、そこのカーブを抜けると、いきなり首刈られるのではとか、映画「地獄の黙示録」のカーツ大佐がでてくるのではと言った風景のなかで釣りをしてます。ビニール袋は流れてませんし、人工構築物はジャングルに入れば目に入ってくることがまずないです。
 そういう、全くの非日常があらゆるものから、自分をリセットしてくれているのではと思います。
 私事ですが、私の家内は沖縄本島那覇市の出身です。那覇や沖縄本島には40回以上行きましたが、八重山のほうへは行った事がありません。本島とは習慣も料理も異なるようなのですが・・。総じて沖縄はのんびりとして、スローライフ的なところや雰囲気を感じますが・・。そのあたりはどう思われますか?
 実は西表に10回以上は行ってると思いますが、ホントに釣りしかしてません。有名な観光スポットにも行ったことないし、地元の方のおつきあいも少ないですね。西表で釣りやダイビングのガイドなどやってる方の多くは西表の自然に惚れ込んで、島外から住み着いてしまった人たちがほとんどです。僕らが行く飲食店もそんな方がやってるところが主ですから。
水が豊富ですから、農業も盛んです。主な島民の方は石垣や宮古や本島などから入植して来て、それこそジャングルを開墾しサトウキビやパイナップル畑にしていった方たちです。ですので、人柄、暮らしぶりもにていると思いますね。

 昨年、多くの反対運動にもかかわらず、一泊数万円の高級リゾートホテルがオープンしました。ホントの西表好きというかリピーターはこういうリゾートには興味がないわけです。もうけのためには客単価をあげるのが手っ取り早いとは思いますが、こういう風潮が広がってくると、僕らはさらに秘境を求めて足をのばすしかないですよね。
 ただ、釣りやダイビング目的の若い人相手では、地元にはあまりお金が落ちませんよね。と言って、高級リゾートでゆったりと言ったところで、それは、お金と効率的なサービスに基準においた、いわゆるスローライフとは反対側にあるものだと思います。
 西表でもエコツアーなどの体験型の観光が広がっています。最近シーカヤックでの事故がありました。やはり豊かな自然を生かして観光につなげようとしているようですね。
戦略的には同じようなものになる高知の観光にとっても西表の動きはとても参考になるように思います。

西表島のカヌーによるツアーの様子
けんちゃんの趣味はヨットです。
 高知の観光について、西表は参考になると言うことを言われました。そのあたり、もう少し詳しくお話していただけませんでしょうか?
 西表ももちろんツアーで来られて、観光バスでぐるっと廻って、スポットだけ見ていく観光のスタイルもあります。やはり西表の自然を生かして、カヌーとかダイビング、釣りもですが、体験型の観光や遊びを一方では力を入れています。
 高知でも四万十川でカヌーをしたり、けんちゃんのようにヨットをされる人もいます。そういうことで、ただ単に観光ポイントを廻るだけではなく、体験型になれば自然も守られよいのではないかと思います。
 杉本さんと釣りはいつからの付き合いなのでしょうか。これも私事ですが、従兄弟の釣具店(ランカー)とのフライで付き合いがあったようなのですが・・。バス釣りなどもされたのでしょうか?
 収録の様子です。杉本久典さんは、資料などを活用され、明確に説明いただきました。農業関係の話は難しいのですが、平易な言葉で、わかりやすく説明をいただきました。
 釣りはやはり釣りきちの父親の影響で小学生の頃から始めました。いろんなスタイルの釣りをやりましたが、20年ほど前からはルアー、フライ(毛針)といったいわゆる疑似餌を使った釣りが主体です。気に入ってる理由は、まず、水や釣り場をあまり汚さない、つまり魚に与えるダメージも少ないと言うことです。自分が食べる以外はリリースします。
それと、ブラックバス釣りについて言えば、道具類や釣りのスタイルが、僕らが高校生ころにあこがれてたアメリカ、イーグルスとかブルージーンズとかラッキーストライクとか、そんなアメリカ文化の香りが色濃くするということもあると思います。
 僕が始めた頃は少数派で、僕のようなヘボでも結構楽しめましたが、10年近く前から、このルアー釣りをやる人が急激に増えてきて、魚も学習しますから、釣りづらくなってきてます。そうなると、釣り方が工夫されて、道具類が進化していくわけですよね。そこで、知寄町のランカーさんにお金を落としてしまうと言うことですね。

釣りは日本人の代表的な娯楽と言って良いと思います。ルアーフィッシング関係だけで1000億円産業といわれてますので、ルアーフィッシングの代表、ブラックバスが琵琶湖の鮎を始め、日本在来の魚を食べてしまって、すごく減ってきていると言う理由で環境省の特定外来生物法の特定外来生物に指定されて、今までどおり自由に釣りが楽しめなくなるとか大騒ぎになってました。どうやら、それは回避されたようですが。
 在来の魚が減っているのは他にも複数の要因があることは確かですから、ブラックバスだけ悪者にして駆除してしまえば問題が解決すると言った単純な話ではないと思っています。

関連ホームページ

 

西表島の総合案内                 http://www.yasigani.net/



リゾート反対組織です。              http://www.iriomote-love.com/
エコツーリズム関連情報
http://www.ecotourism.gr.jp/

http://www10.ocn.ne.jp/~iea/