高知の可能性について
 今週のゲストは、国土交通省四国地方整備局高知河川国道事務所所長の岡本誠一郎さんです。今日のテーマは「高知の可能性について」で、お話を伺います。
 岡本さんは仕事柄全国各地を訪ねられ、勤務されておられます。高知についていろいろ思われ、言われていると思いますがいかがでしょうか?
例えば、坂本龍馬ばかり強調され、個性のない高知のように思えますが。岡本さんは高知へ着任されて、他の地方との違い、良いところ、悪いところはどうなのでしょうか?
 

 決して個性がないとは思えません。ひじょうに個性的な街ではないかと思います。夏は日差しが強いとか。

 あるいは街をぱっと見ていましても、高知城、鏡川、筆山。目につくランドマークがたくさんあります。食べ物も非常に美味しいです。ほんとうにきりがありません。
 首都圏とか近畿圏にはない町並みであると私は思います。

(高知市追手筋には日曜日には、日曜市が開催されています。藩政時代からの300年以上の伝統があります。追手筋の突き当たりは追手門があり、高知城があります)


 大変守備範囲の広い部署での仕事ですが、業者以外の県民・市民との交流はされていますか?ご多忙で難しいとは思われますが。

 収録の様子です。初対面でしたが、事業内容や市民との関わりについてなど詳しく話していただきました。

 短い番組時間には収まりきれない内容でした。

 仕事以外のお付き合いはですね、今年は台風が多かったせいもありますが、なかなか出来ていません。時々は街を歩いたり、街歩きの中でも日曜市とかが非常に面白いですね。あれは高知の貴重な財産であると思いますね。
 以前この番組へ出演されました迫田敏高(前日本銀行高知支店長)さんは、「高知は漫画文化がある。情報化時代にこそ可能性がある」と言われていました。岡本さんの観点から何か可能性を暗示するようなものはございますか?
 そうですね。市に出ている品物も、手作りで、いろんな人たちが持ち寄っています。そういうものが、売られています。手作りの文化、手仕事の文化が残っている。というところが高知ではないかと思います。例えば土佐の刃物は有名です。
 本当に職人の人たちが丹精込めて造った良い物があります。またいろんな食べ物にしても、素材にしても、味付けにしても、本当にまだまだ大量消費や、大量生産ではないものが残っています。大量生産、大量消費のものは、どうしても出来上がりが粗末なものが多いような気がします。高知は、手作りのものが残っている。ということを強く感じますね。

 高知は「スローライフ、スローフードの宝庫」であると思います。

高知の食文化
高知市の日曜市
 関わりのある高知県内の地方で、ユニークな活動されているところはありますか?注目されている地域や活動などはありますでしょうか?
 さきほどスローライフと言う言葉も出ましたが、注目していますのは、高知県西部の大方町です。
 大方町の入野海岸の砂浜美術館の活動がユニークで、高知のスローライフを良く出している活動ではないかと思いますね。Tシャツアート展や、潮風のキルト展とかイベントのセンスも非常に高いんです。それ以外にそんなに大勢の人に来てもらわなくても良い。というような感覚が素晴らしいなと思います。

 コンセプトが素晴らしいですね。地に足の着いた取り組み。考え方が素晴らしいですね。一方で馬路村は「ごっくん馬路村」をいろんな村づくりをやっていまして村長さんが、「田舎だけでは食べていけない」と言われていましたが、非常に重たい言葉です。両方とも大事なスタンスですね。そのなかで私達が応援できることがあれば、良いと思います。

 また所轄になるのでしょうが、仁淀川についてです。仁淀川は四万十川以上の清流ですが、あまり知られてはいません。清流を活かす方法はあると思いますが、参考事例などはありませんでしょうか?
仁淀川の水質は優れています。川遊びも日本有数です
 仁淀川は確かに清流です。水質から見れば、四万十川より綺麗ですね。私も自分自身見てそう思います。仁淀川のよさは知られていない。知る人が知る。ところがいいと思いますね。
 岡本さんが考えるあるべき「国と地方のありかた」のなかで、高知の可能性についてコメントはありませんでしょうか?
 やはり高知の昔の古きよき時代に「昔ながらの風景」「手作りのいろんなものがある」そういう良さをこれからもなんとか、ずっと残していてほしいなと思います。でもこれはなかなか難しいことです。
 これを観光振興という形にしますと、売り出していこうとして派手にやりますと、結局そういうものは資源がなくなってしまいます。それをどういう風にバランスをとりながら、良さを知って言ってもらいたいですね。この「口コミ」で伝わっていくような、じわじわと知られていく。そういうやり方が高知にとって一番良いありかたでもあり、その高知の良さを活かしていく可能性があるのではないかと思います。
 それについては今、担当されておられます、物部川から仁淀川の間の高知県中央部の整備と、環境整備が大事になってきますね。
高知海岸も高知河川国道事務所の管轄です。海岸線の保全も重要な事業です
 高知は市街地をちょっと出ます自然や里山が残っています。そういうところを私達は担当しています。自然環境を活かしながら、いろんな物流交通を活用していく。私達がやっていくことは多いですし、地域づくりの方々との取り組みもしていきたいです。NPOの人たちとも付き合いもますます深めて生きたいと思います
11月番組に戻ります