懐かしさを感じ、自然と共有できる村づくりとは

 今週のゲストは土佐清水市大岐の浜地域で、懐かしさを感じ、自然と共生できる村創りを計画されている岡田充弘さんです。
 今日のテーマは「懐かしさを感じ、自然と共有できる村づくりとは」でお話を伺います。
岡田さんの作成されたパンフレットには「現代社会の経済や流通を中心としたシステムとは違う、人にも自然にもやさしい方向性をベースに、信頼できる顔の見えるネットワークで、色々な物を提案、創造していきます」とあります。

 岡田さん経営の施設だけではなく、周辺の地域住民とも共同された地域づくりをされていかれるのでしょうか?沖縄のリゾートホテルなどは地域の繋がりを絶ち、海岸までプライベートビーチで囲い込んでいますして地域との交流は全くないようなのですがが・・。

 基本的に海癒に興味を持っていただいているのは、都会の人が多いですね。都会の方がまず言われるのは「農業をやりたい」です。プラスして地域のお祭りなどにも出たいと言われます。実際にその時期が来ましたら、盆踊りの時に行っていただいたこともありました。
 ただ地元の人で海癒の目指しているものを理解していただいているかどうかでしょう。自然がありすぎまして、あの浜の素晴らしさをあまり理解していないのではないかと思います。
 私が今取り組んでいますのは、流木と竹で磯の木陰に休憩場所をたくさんこしらえようとしています。それは誰でも基本的には使えます。でも今回の台風で全部壊れてしまいました。
 そういう場所づくりには力を入れていきたいと思います。
竹と流木で製作された[癒し台」
 行政側の協力や支援などはありますか?土佐清水市や高知県庁はどのような反応なのでしょうか?無関心なのでしょうか、協力的なのでしょうか?あてにしなくて良いのでしょうか?
 実際に土佐清水市役所には何度も行っています。西村伸一郎市長も「Iターンを見込める」というのでエールを送っていただいています。土佐清水市との連携や、高知県庁との連携も大事であると思います。
 ただ頼らなければ出来ないと言うのではなくて、自分達でもなんとかやっていけるシステムをつくっていかないといけないと思っています。
 都市部の人達の反応が良いようなのですが、それはなぜなのでしょうか?自然への枯渇なのでしょうか?共同体への憧憬なのでしょうか?
 両方だと思います。自分も感じますが、あそこの大岐の浜へ居ると生態リズムが整ってくるのか、全然疲労度が違います。午後9時とか10時になると眠くなります。夜の街がないからと言うのですが、やはりそうではなくて、自然の森とか木々が[寝なさい」と言っているのですね。
 そのなかでの生態リズムが、早く寝て、太陽と共に起きようと人間本来のものになるように思います。
 大岐の浜で生活していますと、自然のリズムに自分の体も戻ってくるという感じになるのですね。
 それを一番提案したいのです。それは食であり、こだわりの温泉であり、トータルで提案したいのです。
 将来構想としてビジターや宿泊客だけでなく、定住者を募集されるようですね。本格的なまちづくり、村づくりになるのではないでしょうか?計画人口はどの程度を想定されているのでしょうか?
 あくまで自分達の次のステップです。基本的には3〜4年後には30人以上ここに住みたいという人がいましたら、自分もそのなかの1人として入るつもりです。
 自分は家族4人ですから100平米ほしいとか。ある人は2人で良いから50平米の部屋とか。長屋形式でつくることをやっていこうと思っています。そのなかで実際に裏山を開拓して作る予定です。
 以前そこを開拓しようとして業者に聞きましたら、1億5千万とか2億円が道路をこしらえるだけで必要と言われました。実は地元で「山いじり」が好きな人がいました。3台ブルどーザを持たれています。その人達のノウハウを借りながら、くねくねした道をつくり長屋をつくろうと思います。
 山いじりと言われますが、土木技術を持たれた人なのでしょうか?
 
 基本的にそうです。その人はお医者でもあり樹医でもあるし、自分で山も所有しています。土木屋の人にも相談しながら上手くこしらえていきたいと思います。
 と言うことは、潜在能力のある人は地元にもたくさんいるということなのですね。
他所から人を連れてきて工事をすれば、何億かお金がかりますが、地元の人的資源を生かしていけば、村創りも可能であると言うことですね。
 そうです。
 現地の情報通信インフラはどうなっているのでしょうか?ブロードバンドに対応出来 ているのでしょうか?リタイヤ者だけでなく、現役のビジネスマンや仕事をされている人であれば、ブロードバンド対応は最低のインフラだと思いますが・・。

 実際でコンピュータ関係で活躍されている人で、うちに興味をもたれている人はいます。出来ればブロードバンド化すれば、その人はすぐに来ていただけると思います。
 そういうことを高知県庁とか、土佐清水市役所にアピールしたいと思っています。

 一種の「経済特区」のようになれば、良いのではないでしょうか。そうすれば行政側や情報通信会社も協力していただけると思います。
 是非そうありたいですね。
 村民はパンフレットには「働きながら住民になりたい人」とあります。子供の学校などの社会的基盤はどうなっているのでしょうか?
近くにも学校もあります。それは問題はないでしょう。
 ここで「働きながら住民になる」というのは、一つは「地域通貨」のことも含めてのことですね。例えば、定年退職された人が、以前コックであった場合、その方が3〜4時間自分の時間で働いていただくとか。1年中あそこを花で一杯にしたいという人がいましたら、その時間働いていただきましたら、海癒(かいゆ)の地域通貨でお支払いします。
 温泉につかったり、相互に使用できます。「相互扶助」ベースになっています。
 資本主義経済のなかの貨幣の対価ではなくて、相互扶助をベースとした地域通貨。新しいコミュニティや共同体の創造にも使えますね。

 私が申し上げている「40〜50年前の日本」というテーマの一つに属するものです。

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