原則情報公開について
 

 今週のゲストはは西岡燃料社長の西岡謙一さんと、インターンシップをされている斉藤大輔さんに来ていただいています。今日のテーマは「原則情報公開について」です。
 西岡さんは情報公開については、「行動履歴を見たら本音がわかる」ということを提唱されています。
県などの行政機関はなぜ情報公開に躊躇するのでしょうか?思いつく理由はありますか?
西岡 今までしたことがないからでしょう。理由にならんでしょう。情報公開の意味がわかっていません。情報公開すれば、県も県民職員もプラスになります。体験しなければ躊躇しますね。
橋本知事は情報公開に積極的ですし、「県民と向き合う」ことを宣言しています。ただ知事1人だけが、情報公開し、県民と向き合うだけではいけませんね。県職員全体がしないといけないと思いますが。
西岡 県職員も戸惑っているのでしょう。情報公開すれば良いということをもっと味わったほうが良いと思います。前例がないから職員も消極的になるのでしょう。
「行動履歴を見たら本音がわかる」というのは、結局すべて見抜き、見抜かれるものですね。公開しておいたほうがお互い時間ロスもないし、良いのではないかと言っただけのことですね。
9月1日に開設された高知県行政改革室が事務局である電子掲示板「ぷらっとこうち」。西岡さんから見てどういう点に問題があると思われますか?
西岡 やはり原則情報公開の深い意味が理解されていません。だから節々に行動履歴で現れますね。形式的には整っているが、実質的には整っていない。嫌々しているとか。
「ぷらっとこうち」を改良するとすれば、アイデアはありますか?

2003年9月1日に開設した「県民参加型公設掲示板・ぷらっとこうち」

高知県総務部行政経営室が550万円の予算を計上、県側と民間人とで運営委員会を形成、運営をしている。

行政の情報公開の道具としての活用が期待されつつも、肝心の県職員の登録が少ないようだ。

西岡 WEB上の仕組みも人がこしらえるものです。また私的な掲示板と異なり公共的なものですね。公共でやる場合のルールが認識されていない。ただの「お喋り広場」では意味はないでしょう。「県民のために何かをする」と口で言うだけでなく、行動がともなわないといけないですね。行動がともなう提案を掲示板ですればいいのですが、どうしても「話の話」になります。県民のために自ら行動し、県の人もこうやったら良いですかとかいう具合に言わなくてはいけない。とかいうルールをこしらえませんと。
情報公開をしたほうが良い。という「成功体験」がありませんと、今までやったことないから恐れて実行できなしでしょうね。
かつては「別件やみ融資」事件の公文書を破棄した職員がいました。公文書の重要性を理解していない職員や管理職が多数いた証拠ですね。壁は厚いですね。
西岡 言葉だけとか、座学でこうせないかんと言うだけですから、物事が前へ進まないのですね。体験させませんと。そういう場も必要でしょう。練習する土壌も必要でしょう。
ぷらっとこうちの運営委員会も最近傍聴できるようになりました。しかし「だれも見に来ないから公開をやめようかと思う」と冗談でしょうが言われたことがありましたが
西岡 見に来ないからやめるというのはおかしいですね。うちなんかのサロンも広報しても来ないことが多いです。でも来られることを前提して準備しますから、身が引き締まります。来ないから公開しないなどと言うべきではありません。
いつくるかわからないから緊張感があるのですから。
橋本知事は原則情報公開を実施しています。県職員がわかっていません。
電子掲示板に書き込みをする場合、匿名にこだわる人がいます。西岡さんは実名で
書かれていますが、恐れることはありますか?不利益はありましたか?
西岡 何もないですね。なんで匿名にしなければならないのか理解できませんね。とくにプラット高知の場合は原則実名で書き込みしなければならないと思いますね。
「原則情報公開」するとどういう点が、楽になり、物事が展開するのでしょうか?
西岡 公開した記録がだれでも閲覧できることは大きいですね。不正行為の抑止力になります。昔はコストがかかりました。今は安くそれが出来ます。本来公共の仕事はすべて公開するのが当たり前です。こんなことを言わねば成らないこと自身がおかしいです
行政側に「公開質問状」を出しますときちんと回答してくれるのでしょうか?橋本知事「県民と徹底して向き合う」と言われています。それは県職員から感じますか?
西岡 必ず前向きな職員はいると思いますが。
県庁は「情報公開」と「県民と向き合う」ことで変化されると思われますか?
事例があればおかまいない範囲で紹介ください。
西岡 残念ながらありませんね。良い意味では記憶にないですね。
まちづくりワークシップなどもやっていますね。ある県職員の人も出演されました。「たとえ自分の意見が通らなくても意思決定の過程に参加していることが保障され、情報公開されていれば、皆結果に満足していただいた。」と言われていましたが。
土木工事の現場でワークショップで体験されたことを話していただきました。

西岡 工事関係参加したのははじめから「結論」が出ているものです。アリバイ工作のためにワークショップをしているというものでした。ストーリーが決まっています。
実際の意思決定の場に参加したことはありませんですね。
ワークショップも万能ではない
住民参加の「梯子」
橋本知事も大きな工事をやる場合は、「計画策定段階からの県民の参加」を保障する。そして情報公開することを言っています。そうしますと従来と全然異なる公共工事になりますね。それをやるいためには県民・市民もレベルが上がらないといけないですね。
西岡 県の偉い人が来ると、「あれしてくれ、これしてくれ」とすぐ言う県民・市民がいますねすね。県民のために公にすることは県庁もするんですが、県民も関わり責任を持つことが大事です。
言うだけ文句ばかり言って、後は県がやれよでは駄目だと言うことですね。
西岡 積極的にコミットし、責任をもつことですね。
それが本当の「行政と市民のパートナーシップ」ですね。それを確立するために原則情報公開があるのですね。

西岡 そうしませんと話が出来ませんね。情報を公開しませんと対等な立場で話ができません。県は情報を持っている。県民は持っていない。そういう状態であれば話は出来ません。だから原則情報公開は大事なのです。