地域社会と英語について
 
 今週のゲストは高知大学大学院生(英語教育専修修士課程)の野村美穂さんです。今日のテーマは「地域社会と英語について」でお話をお聞きします。
 今までは地域社会の中での会話と交流だけで、生活が出来ていました。人口減少時代になりました。高知の中でも英語と地域社会の問題も
野村さんにとって英語のある人生とはどのようにお考えなのでしょうか? 英語もコミュニケーションの道具であると思います。野村さんは英語でどのように世界が広がりましたか?
  英語が好きだった私は、中学生の頃から、内容がわかる、わからないにかかわらず、英字新聞や雑誌に興味持っていたので、国際的な社会問題にも自然に関心を持ちました。今でも、大学で自分が興味がある部分だけほぼ毎日、英字新聞にさっと目を通してみたりする習慣はつけています。
そういう事を、繰り返しているうちに、ボランティアに活動に興味をもち、このさきできる限り関わっていくことができたらいいなと思いました。そして、その中でも特に医療や、福祉関係のボランティア活動に興味を持ちました。
 たとえば、一昨年前に、大学の中で行われたアフガニスタンの医療支援の講演会がきっかけで、NGO団体で医学部の教員と学生で立ち上げたアジア・僻地医療を支援する会のメンバーと知り合いました。
  私自身が医療従事者になることを志していた時期もあり、この活動はとても興味深いものに思えました。活動の名前が医療を支援するということだったので、私にはなにも関われないのかとがっかりしていました。それなら大学院をやめて医療の学部にいっそうのこと転部してしまえばいいと考えた時期もありました。しかし、医学部の先生から、「医療を行うと言うことはそこには教育も必要なんだから」と言われ、私としては、これからその団体のなかで、教育という立場から、ボランティア活動ができたらよいなと思っています。

 またごく最近でありますが、地域社会活動としては、知的障害児のNPO団体での英語教育活動もしています。 私は幼稚園教諭の免許を持ち、幼児教育の関連施設で働いていたと言うこともありました。だから、子どもを対象とした団体の中でボランティアさせていただくことは、とても楽しくて仕方ないくらいです。


 私自身が遊び心のいっぱいな人間なので、英語という言語を使いながら、かくれんぼをしたり、歌を唄ったり、ゲームをしながら、わいわいと子どもたちと遊ぶ時間は、私にとって最高な癒しの時間となっています。彼らが英語というものが楽しい、おもしろいといってくれることが、私にとっては一番嬉しいです。また、そこから英語という言語を彼らが知ることによって少しでも他の国に興味を持ち、広い世界を見てみたい、もっと英語をしっかりとみにつけたい!等というきっかけになってもらえればうれしいなと思っています。


 私個人の意見としましては、言語は人間の思いや感情を表現する方法の一つだと思っていますし、以前に見たある教育番組でも、小学校の国語の授業中にある先生が、「心は言葉に付随させることができるから、言葉を上手に扱おう」というお話をされていて、感動したことを覚えています。
 だから、英語も試験勉強や、仕事として高度な英語運用能力を必要とされない限り、習得しなければいけない、話せないと意味がないという窮屈な考え方は、あまりしたくないと思っています。自己表現の方法として楽しみながら学習することがおもしろいのではないかと思います。


 」知的障害児の子どもたちと英語を使い、遊ぶことによって楽しい空間と時間を過ごしています。 彼らが英語というものが楽しい、おもしろいといってくれることが、私にとっては一番嬉しいです。また、そこから英語という言語を彼らが知ることによって少しでも他の国に興味を持ち、広い世界を見てみたい、もっと英語をしっかりとみにつけたい!等というきっかけになってもらえればうれしいなと思っています。

野村美穂さん(大学院のパンフレットにも掲載されています)
 地域社会で英語を活用された多様な活動をされている野村美穂さん。今は大学院生ですね。これから野村さんはどのように地域の中で活動をされたいように思われているのでしょうか?

  私はとても欲張りな人間で、あれもこれも思ったことはしてみたくなる人だということは、自分の中で良く、自覚しています。あえて、職業というならば、「チャレンジャー」という職業になるのでしょうか?
 しかし、私と言えばどんな人なんだ?と聞かれたときに、「英語が好きなひと」といえるような自分でありたいと思います。私の親の、教育方針は、一つだけ、何でも良いからこれが得意だというものを持つことが大切なことである。という考え方でした。だから、私としては、職業には一貫性がないかもしれませんが、英語が好きということに関しては、一つの筋を通してきたつもりです。


 私自身は、日常で英語を上手に使えているかというと、はっきりいって100%人に誇れるほど上手には使えていないと思います。日本語でもたまに危ういと思ってしまいますしね。ただ、英語が好きと言うことは、常に英語をわかりたい、もっと上手になりたい、英語を使って人の役に立てたら良いなと思っています。もちろん、自分の能力が及ぶ範囲でしか、動けないのですが。

 

 私が、今考えている夢の一つは、自分の得意な事を生かしながら、自分のやりたいことをかなえていくということです。簡単に説明しますと、得意なお菓子作りでお菓子を作り、その売上金の一部を自分の協力したいボランティア活動団体に募金したいと考えています。現在、あるボランティア施設で、約1年間私の手作りのクッキーを無料で置いていただき、使用者の方に利用していくと言うことをしています。実際この活動を続けさせていただいて、少しは自信がつきましたが、やはりこの先は簡単な事ではないと思います。


 現在では、お菓子を作り販売する資格を取りながら、日々自分の思うお菓子を試作、試食しながら研究を重ねています。ときには、大学の友達にも試食を依頼して評価をいただいています。また、約1年かけてこのような思いを量販店や、飲食店の方たちに伝えてはきましたが、そんなに簡単には賛同頂けませんでした。最近は、疲れてしまって、もう諦めようかなと思った矢先に、ある一つのお店から前向きなお返事をいただけました。

収録の様子です
 
 その瞬間、1年間頑張って良かった。先が見えなかったときは正直死んでしまいそうなほど苦しいときもありましたが、やりたいことはやりたいと強い気持ちを持って立ち向かっていけば、必ず明るい光がさしてくるんだと、私は実感することができました。
 今は、修士論文を仕上げたり、ボランティアをしたりなどと日々24時間では足りないくらい忙しいですが、それがまたある意味私にとっては快感であったりもしています。
 母親ぐらいの年齢のお友達からは、体調だけは気をつけてね!といつも心配されていますが。彼女はいつも私のことを応援してくれます。また、彼女以外にも夢を話したことがある周りの方たちが支えてくれていることも実感できます。
 週末は汽車に乗りイギリス各地を1人旅をされていたようです。そこで多くの知り合いができたり、イギリス社会の中で学んでいくことも多かったようです。
関連サイト
アジア・僻地医療を支援する会 http://www.kochi-ms.ac.jp/~st_gnral/club/asia/enter.html
 
* 写真は野村美穂さんより提供いただきました。