コープ自然派について
 今週のゲストは生活協同組合高知こだわりコープ専務理事の北岡徹さんです。今日のテーマは「コープ自然派について」でお話を伺います。
 高知こだわりコープが組合員向けの配布チラシのなかに「自然派宣言」とか「農産物国産化宣言」など表示されています。これはこだわりコープと同じ主旨の生協の連合体なのでしょうか?
フランチャイズのようなものなのでしょうか?
「生活協同組合連合会」という形になっています。「コープ自然派事業連合」という形です。連合会というのは厚生労働省に認可されている団体です。実は日本1小さな連合会です。後は大きな生協が集まっていまして、組合員数が連合会で100万とかいうところもあります。
 私たちの「コープ自然派」は、四国四県で6生協、大阪、兵庫、奈良の3つの府県での生協と、あわせて9生協で事業を展開しています。どこの地域でも同じ商品が基本的に組合員に使っていただいています。
 そうしますと1日目のお話にありましたように「食生活にこだわった」同じ主旨の生活協同組合の連合体が、「コープ自然派」なのですね。
 

四国四県6つの生協と関西3生協の連合体である「コープ自然派」のチラシ。

文面からは徹底して国内農産物や無添加にこだわっています。

このチラシはうどん、そば、ラーメンのような加工食品の安全性を追求しています。

はいそういう言うことです
チラシには細かい字で、生産地や製造工程の説明が書かれています。量販店の折込チラシとは異なる編集になっています。組合員は見ていますか?質問などは事務局に寄せられるのでしょうか?
 はい非常に詳しく見ていただいている方がたくさんいます。うちのほうは表示のほうは100%出来るものはしています。細かく見られていまして「これはおかしいのではないか」という厳しいご指摘も時折あります。
国産農家と連携する主旨ですね。生産農家との連携もされているようなのですが、前金渡しとか、買取保証などもされて契約栽培をしているのでしょうか?そのあたりの「仕組み」はどうなっているのでしょうか?
 そうですね連合会を組んでいるとは言え、日本1小さな連合会ですので、力は今はありません。買い取り保証制度とか実際には出来ていません。ただ例えば、野菜などに関していわせていただきますと、市場価格は「高いか、安いか」の両極端ですね。
 そこで市場変動にかかわって値段を決めていますと大変なことになりますね。「中値」を中心に設定しまして生産者と話し合いをしています。生産者にも喜んでいただき、消費者も喜んでいただくとお互いの連携もさせていただいています。
 うちのカタログを見ていただきますと良くわかりますが、年中通して野菜の価格は変わりません。キャベツなどは300円なら300円で変動しません。今はすごく高騰していますね。そういうときは普段あまり利用されていない組合員も注文があることがあります。
 だからうちはキャベツが50円とか600円とか言うことはありません。中値で300円で一定していますので。
高知こだわり生協が契約している有機農家。農業は自然が相手です。
 
そうしますと、物がないならないではっきり組合員に言うわけですね。
 言います。
 今年は5個も台風が高知に来ましたし。自然相手の農業なら、台風やら日照りやらで、収穫が落ちることもありますね。それはそれで仕方がないと堂々と言われるわけですね。
 量販店などでは、高知になければどこからでも仕入れてきて店頭に並べますね。量販店の考え方は、あるべきものがないと「機会損失」とあっていけないことなのですね。欠品を怖がりますね。そこが量販店とこだわりコープとの違いなのですね。
 それがうちの持ち味ですね。予定した生産者の方が、供給が駄目になれば、同等の品質の生産者を探します。でも探しても供給できないこともあります。
 そうですね。そういう場合は届きません。組合員は納得されています。それは自分達の基準以外のものを届けるわけにはいかない訳です。欠品。中止になります。
 コープ自然派や高知こだわりコープの商品ニュースを見ますと、取り扱い野菜の産地や化学肥料や殺虫剤の情報を掲載されています。その野菜などの農薬使用状況などは情報公開されているのでしょうか?そのあたりは一貫されているようですが。
 
 公開は出来るものは100%しています。ただ不測の事態が発生し、生産者が無農薬の予定で栽培していましたが、このまま放置すると一晩で畑が駄目になる事態があるとします。その場合は農薬のこれこれを使用させてほしいと申し入れがあれば、OKを出す場合もあります。
 それはそれでこういう事情で農薬を使いました。おかまいない方は無農薬の予定でしたが、こういう事情ですので、ご利用してくださいとお願いをしています。
 こだわりコープの主旨は四国と関西圏に展開されていますね。このような運動は生活協同組合は全国的に増加していますか?これは社会運動なのでしょうか?経済活動なのでしょうか?
 実際には、「コープ自然派」以外には、。これほどこだわりをもった連合体はありません。当然経済活動がしっかりしませんと、社会運動も出来ません。やはり事業の中味ですね。何をどう伝えれるか。何をどう消費者に供給するか。それを考えてコープ自然派は動いています。

コープ自然派では、「反遺伝子組み換え講演会」が開催されています。組合員も学習を積んでいます。

農薬の種類や遺伝子組み換えなどはなかなか難しいものです。

 高知こだわりコープの提供した「こだわり商品」がありましたらご紹介ください。その場合は高知から他のコープ自然派生協へ供給されるのでしょうか?
 高知の商品はたくさん流れています。その中にアイスクリームなどがあります。
 市販品とは異なります。内の場合は乳化剤や安定剤を一切使用していません。長期保存するためや味をととのえるために、乳化剤や安定剤は市販品は使用しています。
 うちが供給するアイスクリームはすぐ溶けます。味も偏ったりします。それでも販売されています。ひとつひとつ生産者と協議して、製品も供給されています。アイスクリームは高知のメーカーと協議して、提供しています。「3日以内に食べてください」と言っています。
 そのメーカーも市販品と高知こだわりコープやコープ自然派生協へ提供している製品は異なっています。
 そういえば子供の頃のアイスキャンデーは「味が偏って」いましたね。上のほうが味がなく、下のほうになると甘みがあったりしていました。
 それが添加物なしだったらそうなりますね。組合員には十分説明して、購入していただいています。