生活習慣上の注意点について
今週のゲストは高知市健康福祉部健康福祉担当参事で、医師の堀川俊一さんです。今日のテーマは「生活習慣上の注意点について」お話を伺います。
 高齢者になられて介助が必要な人が増えているといわれています。予防するための方策はあるのでしょうか?
 若い人の生活習慣で、特にいけないことはありますか?若い頃からの習慣で、高齢者になってからの障害になってあらわれる事柄はありますか?
 特に若い人で言いますと、どの年齢でもそうですが、タバコの害です。最近の報告などでも、男性でタバコを吸っていますと平均寿命が10年ぐらい違います。タバコを吸いますと、よく知られています肺癌などの癌が増える以外に、呼吸器の問題や、心筋梗塞や心臓の問題などさまざまな問題があります。
 癌に限って言いましても、今タバコを吸われている人がタバコをやめますと、癌になって亡くなる確率は3分の2から、2分の1になります。ですから他のどんなことをするよりもタバコを止めることが大きいです。
 それから若い人で問題になっていますのは、性感染症です。エイズなどは高知では事例が殆どありませんが、いろんな性感染症が増えて来ています。それが不妊の原因になったり、子宮癌の原因になったりしています。
 後、男性にはないですが、女性に多いのが「過度のダイエット」です。男性の場合は、太るのが問題。女性の場合は40歳未満の場合は「痩せすぎ」が問題です。特に過度のダイエットを繰り返しますと、将来骨粗しょう症などが起こってくる可能性が大きくなります。
 神経性食不振症という難しい病気などもダイエットがきっかけに増えて来ています。
ダイエット情報は街に溢れています。「脅迫」に近い「痩せ願望」が記述されています。
 後生活習慣でアルコールの問題があります。若い人では「一気飲み」があります。急性アルコール中毒で亡くなられる方が毎年春の入学シーズンにはあります。私も救急担当していましたときに、担ぎ込まれる学生を相当見ました。
 健康のために良いことというのは、「奇をてらった」ことはありません。運動をし、食事もなんでもいろんなものを食べて、後タバコを吸わない。それだけでも10年、20年、50年ということではかなり違ってきます。
 生活習慣を変えることは大変難しいと思います。最近の中高年、若い人、学校を出た若い人を心配しますのは、運動をしないことです。
 特にスポーツをしないことが、非常に目立ちます。運動の効用は大きいとは思いますが。
 運動をしないと基礎代謝が落ちるとか問題は出てくるのでしょうか?
 運動は週2回から3回、30分以上するのが、いろんな意味で健康に良いのです。生活習慣を変えるのは本当に難しいことです。
 私たちも高血圧の人、糖尿病の人に月1回くらい、半年くらいいろんな指導をしますと成果が出ます。ただその1年後ということになりますと、元に戻る人がかなりの確率でいます。それは生活習慣をかえることは難しいことですね。
 10年後、20年後に癌になりますよと言いましても、遠い将来のことでは駄目だと言われています。以前アメリカで言われていましたように、「太っている人は昇進出来ない」とか。
 今私たちがやろうとしていますのは「タバコを吸うのは格好が悪い」とか。昇進したいとか、格好よくなりたいとか、来年、再来年を目標とするものでないと人間は生活を変えないと思います。20年、30年先のことでは生活を変えることはしないからです。
 生活習慣病は、昔は成人病と言われていました。生活習慣を変えることは難しい。難病のひとつですね。
 結局1人の人だけが変わるのは難しいですね。たとえば糖尿病の人が、自分だけ美味しいものが食べれない。まわりが食べているのに。社会全体が少しづつ変わらないといけないと考えています。 堀川俊一さん
 生活習慣を変えるということは、社会を変えるということですね。まわりの社会も運動しやすい環境とか、食生活を偏ったものにしないとか、まわりから盛り上げて生きませんと、生活習慣病を減らしていくことは難しいようですね。
 運動なんかですと高知市ですと,久万川の堤防とか、土佐道路とか照明がついて明るい道路が増えますと歩かれる人が増えてきます。
 タバコなんかですと、健康増進法ができまして、不特定多数の人が出入りする施設では、分煙にすることになりました。環境が整っていくのも大事です。
 禁煙は病院とか、公共施設は禁煙になっていますね。目に見える形ではっきりした措置をとっていくことが大事なのでしょうか?
 タバコの自動販売機などを未成年が使えないようにするとか、広告を止めるとかこれからの対策で大事ではないかと思います。
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