トライアスロンの社会性について
 
今週は世界水準のトライアスロン競技者である濱野隆弘さんに来ていただきました。今日のテーマは「トライアスロンの社会性について」です。
 トライアスロンが1974年ごろ考案され、世界的に広がりました。2000年にはオリンピックの正式種目になり、来年のアテネ五輪でも開催されます。水泳と、自転車と長距離走の競技なので、自然が豊かで、開催地の人たちの協力も必要だと思います。開催地の条件は何でしょうか?高知県は開催地に立候補できないのでしょうか?
個人競技なのに、開催地域が支援する理由はどんなところにあるのでしょうか?
  開催するメリットはどんなところにあるのでしょうか?
トライアスロンには多くのボランティアが必要です。それはマラソンとかと違い、 もっと長い距離、広い地域、長い競技時間を要するからです。受付やコースの誘導 やエードステーションなど、参加選手の2.5〜3倍のボランティアが必要と言わ れています。
  しかし開催地ではそれだけの人数が期間中は集まりますので、それなりの経済効果があり、また全国への町のPRにもなったりします。 世界大会なら、世界中から競技者が集まります。家族も来ます。また観光客も来ます。
 開催するには大変なエネルギーがいります。しかしそれ以上の経済効果がありますね。
 
 その話を聞いていますと、「コンベンション効果」もあるようですね。開催のエネルギーもさることながら、生み出されるエネルギーも大変なものです。
 
そうですね。「アイアンマンウィーク」が1週間続きます。最終日がアイアンマンレースという具合です。欧米ではトライアスロンは「エーディランス・スポーツ」とか「キングオブスポーツ」と言われています。長い距離を過酷な条件で実施するスポーツは社会的認知度が特に高いのです。お祭りのなかのひとつになっている。
 人々が大勢集まり、開催都市も潤います。スポンサーもつきます。
 
高知で言えばよさこい祭りを開催し、最後のアイアンマンレースをやる。浦戸湾でスイムをやり、湾周遊で自転車をやり、県庁前がランのゴール。そんな感じなのでしょうか?
 
そうですね。高知のスケールで言えばそんな感じです。
濱野さんにはスポンサーがついているように伺いました。広報の効果はどのようなところにあるのでしょうか?
やはり参加人数が多いので、トップ選手は注目をあびるということもあり、一般選 手は私たちが使うものなどを買い求める傾向にあるようです。
  また、テレビ放映や新聞に載るなどでの宣伝効果も少しはあるのではと思います。
トライアスロンの専門雑誌などでは、トレーニング方法の開発「加圧筋力トレーニング」などや、自転車のチューニングなどが掲載されています。商品開発に繋がった事例などはあるのでしょうか?
今はありませんが、昔はいろいろとアドバイザリースタッフとして、自転車やウエ ットスーツの開発に携わりました。自分の考えたものができてくるので、けっこう 面白いですよ。
青少年層への普及活動などはどうなっていますか?ジュニアクラスなどがあるように伺っていますが?
最近ではオリンピックを見据えてのジュニアからの指導にも力を入れているようで す。20代の競技人口が減っているようですので、子供のころから、トライアスロ ンの魅力を知ってもらおうという考えだと思います。
 

ヨット競技などは大学のヨット部入部者が減少し、部員不足に悩んでいます。

過酷な競技であるトライアスロンは、参加者不足に悩むことはないのでしょうか?

今のところ参加したいけど定員オーバーでできないぐらいのところもあるので、悩 むことはありません。
最近の若者達は「インドア」志向が多いようです。体を使うべき時期に体を鍛えません。濱野さんから若者達へのアドバイスがあればお願いします。
若いころに鍛えた体は、年をとっても違いが出ると思います。トレーニング計画な ど考えてやるスポーツなので、頭も鍛えられます。
 また精神力が鍛えられ、将来、少々困難なことにぶち当たっても、動じない精神力が 得られるとおもいますが。
今後もトライアスロンは発展すると思われますか?現在は水泳、自転車、マラソンの3種目です。種目がたとえば「近代5種」のように増える可能性はありますか?
トライアスロンはアメリカヨーロッパでは人気競技ですので、発展していくと思います。種目が増えることはありえないと思います。
近代5種などは軍人が多いようでした。トライアスロン競技については、有利な職業はありますか?
ずばり時間の取れる職業です。その中でも事務系がいいですね。
仕事中は座って体力を温存して、トレーニング時間がたっぷり取れる仕事なら、完璧です。
 
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