東京原発上映について
 今週のゲストは、元看護師で自力整体指導員の下京ゆりさんです。今日のテーマは「東京原発上映について」でお話を伺います。外京さんは2005年7月16日(土曜日)に、高知県民文化ホールグリーンで上映する計画であると伺いました。
現在の進行状況はどうなっているのでしょうか?かかる費用や、経費などはどうなっ ているのでしょうか?協力券が1000円で、500人くらいの入場を目指しているとの事ですが・・。

 2005年3月18日の昼間と夜の2部制で、1回目の上映実行委員会をしました。かかる費用は、会場を1日借りて10万円、フィルム代が10万5千円、映写技術料が4万円、それに上映協力券とチラシの印刷にどれくらいかかるでしょう? 


 ミニ講演を3人の方にお願いする謝礼も合わせると、少なくとも35万円から40万円はかかるでしょうね。実行委員が自腹を切れるお金持ちならいいけど、そうでもなさそうなので、できるだけ多く上映協力券を売ろうと、たくさんの団体に呼び かけています。人海作戦です。

外京(げきょう)ゆりさん
 また「東京原発」という映画の意義や、最も訴えたいことは何でしょうか?
 映画そのものは、「役所広司が東京都知事に扮するエンターテイメント性と、ふだん知ることのない原子力発電の情報を満載した社会啓発の側面をそなえている」と思います。
 この映画は、私たちの暮らしを成立させているしくみについて知らされていない情報をまず知ろう,そして、自分の頭で考えてみませんか、という問題提 起になっていると思います。私自身これを見て、「ええっ、何?!」と思い、本や資料を読み漁っています。
 この映画を高知県民が鑑賞する意義・目的はどのようなところにあるのでしょうか?
 四国には唯一、愛媛県の伊方町に原子力発電所があります。この原発でプルサーマル計画が導入されようとしています。これは、原発で使用した核廃棄物 からプルトニウムをとりだして燃やすという計画です。プルトニウムは、みなさんご存知のように核兵器の材料でもあり、扱いにくい危険な物質です。
 ふつう の原発はウランを燃やすように設計されていて,プルトニウムを燃やすようには設計されていません。もし,伊方で事故が起きると,偏西風に乗って放射性物質は風下の高知市に流れてくるでしょう。そういう危険性をふくめ、国のエネルギー政策について、高知県民のみなさんとご一緒に考えるきっかけになればと 思います。
 伊方町にある四国唯一の原子力発電所

 この映画(東京原発)が現在人に問いかけているものは何でしょうか?それはエネルギー問題まのでしょうか?環境問題なのでしょうか?
 私はこの映画を昨年京都である環境保護団体の会合で見ました。
エネルギー問題でもあり、、環境問題でもあります。でももっと大切なことは、「一国民として、この国のありようをどう受け止めるのですか」という民主主義の 根幹をなす意識のありようを、ひとりひとりに問うているのではないかと私は思います。
 原子力発電が安全なものであれば、田舎に作るのではなく、送電効率を考えれば、大消費地の東京のお台場あたりにこしらえるべきでしょう。どうしてそうはならないのでしょうか?
 この映画の出典となった、広瀬隆さんの『東京に原発を!』で、そう問いかけていますね。映画の中では役所広司が東京と知事役で「一番電気を使う東京都民のために自然破壊の心配のない東京のどまんなかに原発をつくって何が悪い!」大声でそう言います。
 核燃料を原発で燃やすだけで放射能の強さは1000万倍になり、燃やした後の核廃棄物から毒性が消えるまで1万年以上かかるそうです。
 日本が原子力発電所を仮になくしてしまった場合は、どのような影響が出るのでしょうか?またそれは実際に可能なのでしょうか?
 とても難しい問題なので、私も本を読んだり、人に聞いたりしています。原発は制御が難しくフル稼働せざるを得ないので、その分ほかの水力発電書や火力発電所は30%とか40%に出力を制御しているので、 原発がすべて停止しても大きな問題はないとききます。
 また最近では太陽光や風力など自然エネルギーの利用も進んでいますし、海外では燃料電池が実用化しています。これは水素と酸素から電気を生み出す小型発電所ですね。
 シドニー五輪のとき、マラソンの高橋直子選手が走られたコースの先導車が燃料電池車でした。
 日本のエネルギー政策は、90%のお金をを原子力政策に使っていまして、燃料電池を研究する余地がなかったのではないかと思われます。
 

 収録の様子です。外京ゆりさんは丹念に調査をされてきていました。また自分の言葉ではきはきと発言されています。

 原発の問題については、事例を挙げ、環境問題と絡めて淡々と説明されました。

 とは申しましても最近は石油価格が暴騰し、ガゾリンは大幅値上げになりました。日本の現状からすれば、原子力発電の稼動を増やさざるを得ないのではないでしょうか。
 原子力発電所ではウランを燃やしています。60年前に広島原爆はウラン型。長崎はプルトニウムの複合型でした。核廃棄物として出てくる原子力発電所のごみが将来に禍根を残す可能性があります。
 そのあたりがずっと看護師をしてきましたわたしの危惧するところです。
東京原発の公式サイト  http://www.genpatsu.bsr.jp/main.htm
四国電力原子力情報   http://www.yonden.co.jp/denryoku/ikata/ikt.htm
燃料電池に就いて     http://www.nef.or.jp/what/whats08.html
外京ゆりさんのblogです  http://blog.livedoor.jp/geki716/
                (東京原発上映実行委員会の様子がレポートされています。)