ライフプラン,ファイナンシャルプラン支援について
 
 今日は、副理事長・ファイナンシャルプランナーである田中美子さんと、監事でファイナンシャルプランナーである日浦久芳さんに来ていただきました。今日のテーマは「ライフプラン・ファイナンシャルプラン支援について」です。
副理事長の田中さん、よろしくお願いします。
まずキャリアコンサルティングとファイナンシャルプランニングの接点についてお聞かせいただけないでしょうか?

ファイナンシャル・プランナーは簡単に申しますと「マネードクター」といわれております。人間が生きていく上で欠かせない「お金」に関わる分野の専門家です。クライアントのライフプランに添って教育資金や金融商品の運用方法や保険選びます。

住宅ローンの返済方法や老後の生活資金に関わること、またそれらに関連する税務などを、時には家計のサポーターになります。時には家計のホームドクターとして、また時には家計のナビゲーターとしてクライアントが安心した生活をおくることができるよう、プランニングすることが仕事です。

ファイナンシャルプランニングにおいては、今までは収入をベースに支出を考えていくという手法でした。しかしながら昨今の雇用情勢の悪化に伴い、終身雇用制度が崩壊し、リストラや早期退職制度が導入され、やむなく仕事を辞めなくてはならなくなっている方々が非常に多いのが現状です。

田中美子さんと日浦久芳さん 田中美子さん
そうですね。嫌なご時世になりましたよね。
そこで今日のような先々の収入が読めない時代になってくると、全く逆の発想で、先に支出を考える手法もファイナンシャルプランナーには必要ではないかと思うのです。それは収入の先行きは不透明でも支出はある程度わかるからです。
確かに支出に関しては様々な予測がつきますね。

例えば今後必要な収入はいくらで、その収入を得るためには、これから自分はどのような仕事につき、何をしなければならないのかを考えてもらう必要があります。

もちろん退職をされた方々だけではなく、これから就職活動をされていかれる学生の方々や、中高年の方々、産休・育児休暇後の社会復帰を目指している女性の方々、また転職したい方々におかれましても、自分が望んでいる生き方をするためには、どのようなキャリアを作っていかなくてはならないのか。それを考えるところにキャリアプランニングとファイナンシャルプランニングとの接点があると思います。

今後はキャリアプランニングと結びついたかたちでのライフプランニングが必要だと考えています。

確かに失業者してしまったら「生活」していく上で一番気になるのはやはりお金に関わることですよね。ではファイナンシャルプランナーとして具体的にどのようなコンサルティングをしていかれるのかお聞かせいただけないでしょうか?
はい。収入が不透明であるが支出はある程度読めるわけですから、家計における支出の見直しが重要なんですね。
なるほど!少し具体例をあげていただけますか?

はい、一例ですが、人生において一番高価な買い物である住宅ローンの返済方法を軽減するためのアドバイスにおいては、退職金を活用して返済額を減らしたり、また繰上げ返済をすることによって返済期間を短縮することも可能です。

また住宅ローンの次に高い買い物だと言われている生命保険なども収支や家族状況に応じた保険金額の設定や見直し方法をアドバイスすることが可能です。雇用が崩れると収支のバランスが悪化していくのは間違いありませんので、そのような状況下においてファイナンシャル・プランナーがお役にたてるのは家計の見直し、特に支出面での見直しをアドバイスすることにより、少しでも安心して生活していただけると思うのです。


また、キャリアプランとライフプラン、そしてメンタルヘルスを組み合わせることにより生まれるシナジー効果(解かりやすく申しますと相乗効果ですね)を活用してキャリア面、生活設計面、精神面から多角的に分析し、アドバイ
スすることにより、心強いサポーターになれると確信しています。

 


■なるほど。様々な専門化が力を合わせることによって生まれるシナジー効果を利用するということは、相談者にとっては本当に頼りがいがあるといいますか安心できるシステムですよね。

そうなんですね。今まではキャリアコンサルティングとファイナンシャルプランニングは別々に考えておりました。昨今の雇用情勢を鑑みますと、双方のコンサルティングはまさに表裏一体であるべきだと思うのです。ですから様々
な分野の専門家が集結している私どもにご相談いただくことによって、シナジー効果いわゆる相乗効果を利用しながらコンサルティングを実施することが可能となります。

もちろん多様化していく個々のキャリアデザインやライフデザインをしっかり認識し柔軟に対応しながら、キャリアプランとライフプランを一体化した形でのコンサルティングを実施することが我々キャリアコンサルタント協会が目指す本当の意味でのコンサルタントだと考えております。

キャリアプランとファイナンシャルプランを融合させ、メンタルな面でもカバーするという万全な組織体制で望まれるということですね。
そうです。ですから私どもキャリアコンサルタント協会が、皆様の安心した明るい生活を送るための架け橋になることこができればと思っております。
力強いお言葉ありがとうございました。今後の活躍を期待しています。
各種制度の普及と活用支援
 次に日浦さんに伺います。各種制度を上手な活用の仕方があるようなのですが?
現在、失業率が5〜6%と高い水準で推移しており、いつ自分が失業するか人ごとではない時代になっています。もし、失業しても知識があればある程度安心して対応がとれると思います。知識があるのと無いのとではすぐに50万、100万円と税金や保険料その他が違ってきます。知識を活用する事で無駄なお金を節約できたり、少しでも多く国からお金が貰えたりできます。そこで今回は失業した時の雇用保険、健康保険、国民年金等の上手な方法についてお話したいと思います
失業した場合一番関心のあるのが雇用保険だと思うのですが雇用保険の簡単な内容と上手なノウハウについて説明してください。

そうですね。それでは説明しましょう。

★ 失業や定年時一番関心があるのが雇用保険の基本手当でしょう。基本手当が支給できる条件は一般的に@雇用保険に加入していた期間が6ケ月以上あるAハローワークに求職の申し込みをしている、B現在失業の状態にある等ですが、年齢と勤務期間により基本手当の日数が変わってきます。

★ もう一つのポイントは自己退職か、会社都合による解雇かが重要です。自己退職の場合基本手当の日数も少ないし、3ケ月の待機期間が有ります。会社都合の解雇であれば基本手当の日数が多くなりますし、3ケ月の待機期間も有りません。

日浦久芳さん

★ 失業した場合、再就職のために技術を身に付けたいと思われる方もいるでしょう。その場合高知ポリテクセンター等で離職者訓練等実施しています。コースは1年、6ケ月、3ケ月等有りますが6ケ月コースについて紹介しますと、電気設備科、住宅サービス科、ビジネスワーク科等が有ります。これらの訓練を受給している期間も基本手当は受けられますし、訓練期間中に基本手当が切れても原則、訓練期間中は給付日数が延長されますので安心して教育訓練を受講できます。基本手当を受けながら技術が身に付くので大変有利です。募集は年4回しておりますので詳しくはハローワークに問い合わせして下さい。

実は私自身も失業した時、ビジネスワーク科で訓練を受け社会保険や税金、パソコン、販売実務等を修了し、資格と技術を身につけられたので直ぐに再就職できた経験が有ります。皆さんも是非応募してみてはいかがでしょう。


★ 定年後基本手当を受給せずに継続して勤務した場合等60歳時の賃金の75%未満に賃金が下がった場合60歳から64歳まで高年齢雇用継続給付金が支給される場合があります。一般的に60歳以後は賃金が大幅にダウンしますので、この制度を活用すると良いでしょう。


★ 働きながら子育てをする女性には育児休業給付金の制度があります。この制度は1歳未満の子の養育のために休業している期間について休業前の賃金の30%の額が受給できる制度です。休職期間が終了して引き続き雇用されていた事業主に6ケ月以上雇用された時は育児休業者職場復帰給付金が支給されます。金額は休業前の賃金の10%です。

Q.次に健康保険についても教えて下さい。

A.健康保険も退職時どの保険に加入するかで大きな有利、不利が出てきますので参考にして下さい。
  通常退職時は誰かの被扶養者になるか、健康保険の任意継続被保険者になるか、又は国民健康保険の加入が考え  られます。それぞれについて説明します。


★ まず被扶養者になる場合についてですが,健康保険の被保険者の被扶養者になれる人は、被保険者の3親等以内の親族です。被扶養者となるには、さらに被保険者との生計維持関係が必要です。被扶養者の年収が130円未満でかつ被扶養者の年収の半分未満である事が必要です。また、60歳以の人及び障害厚生年金を受給できる程度の障害者の場合は、年収の設定基準が180万円になります。


★ つぎに任意継続被保険者についてですが


2ケ月以上継続して健康保険の被保険者となっていた人は、被保険者の資格喪失後も2年間にわたり任意継続被保険者として健康保険に加入できます。ただし、資格喪失後20日以内に「健康保健任意継続被保険者取得申請者」を本人が自分の住所地管轄の社会保険事務所等に提出しなければなりません。任意継続被保険者は、2年間を経過するまで、または適用事業所に使用され被保険者となるまでなど一定の場合以外は、任意にその資格を喪失することは出来ません。但し、納期限までに保険料を納付しない場合は、任意継続被保険者の資格を喪失します。


★ 最後に任意継続被保険者の保険料と保険給付の内容ですが、


任意継続被保険者は個人で健康保険に加入しているため、負担する保険料は事業所負担分を合算した額となります。保険料の額は、資格喪失時の標準報酬月額か、その年度の全被保険者を平均した標準報酬月額(政府管轄健康保険平成15年度は28万円)のいずれか低いほうの額となります


★ 失業等した時、誰かの被扶養者になるか国民健康保険に加入するか、任意継続するかで保険料や給付内容が変わってきます。一般的には国民健康保険か健康保険の任意継続を選ぶか等で迷った場合、任意継続したほうが有利な場合が多いです。国民健康保険には傷病手当や出産手当金等もありません。良く考えてからどうするか決めると
良いでしょう。

.次に国民年金について説明してください。
分かりました。それでは国民年金について有利な方法も含めて説明しましょう。まず、
★ 会社員が失業等した場合、次の就職が決まるまで60歳未満であれば国民年金に加入しなければなりません。国民年金保険料の現在の月額は13,300円です。失業時にはかなり痛い金額になります。そこでそのような場合免除申請できる制度があります。具体的には収入がない。又は年間所得が一定以下の時の場合等、市役所の国民年金係に相談すると対応してくれます。

★ 免除された期間は老後の年金額の1/3反映されます。この額は元々私たちが納めていた税金分です。免除申請せず、国民年金にも加入しない状態の場合、事故や病気で障害が残った場合無年金になる可能性がありますので注意して下さい。

★ 20歳以上の学生には、「学生納付特例制度」があります。条件として、学生本人の前年所得が68万円(給与収入で133万円)以下の場合等が該当します。

★ 条件に該当した場合、市役所で「国民年金保険料学生納付特例申請書」を申請し認められると、20歳以上の学生については、国人年金保険料納付が卒業まで猶予され、10年以内に追納が出来ます。又、免除期間中に障害の残る事故や病気にかかった場合障害年金が支給されます。金額は2級障害基礎年金の場合は797,000円
です。学生は車の事故やスポーツでの事故が考えられますので、万一の為に是非この制度を活用すると良いでしょう。

失業時の雇用保険、健康保険、国民年金について説明して頂きましたが、知っていると有利な知識が有りました。長い人生の中では失業や再就職等が誰でも起こりえます。そのような時、知識が有るのと無いのとでは大きな有利不利がでてきます。失業時はただでさえお金が無いのですから今日のお話を参考にして活用していただけたら宜しいかと思います。

それではもう少し具体的なお話しを監事の日浦さんにもお聞きしたいと思います。日浦さんの得意な分野でのライフプランについてお話し願います。

最近学生など若い方が国民年金に無関心なようですが、学生などに特例は有りますか。
ハイ。20歳以上の学生には、「学生納付特例制度」があります。条件として、学生本人の前年所得が一定以下の場合適用されます。条件に該当した場合、市役所でこの制度を申請し認められると、20歳以上の学生については、国人年金保険料納付が卒業まで猶予され、10年以内に追納が出来ます。学生は特に車の事故やスポーツでの事故が考えられますので、万一の為に是非この制度を活用すると良いでしょう。
本日はとても良いお話しを有難うございました。失業時の雇用保険、健康保険、国民年金について説明して頂きましたが、知っていると有利な知識が有りました。長い人生の中では誰でも失業や病気、再就職等が起こりえます。そのような時、知識が有るのと無いのとでは大きな有利不利がでてきます。失業時はただでさえお金が無いのですから今日のお話を参考にして活用していただけたら宜しいかと思います。
 
 
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