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須崎の可能性
 
 今週のゲストは、高知県都市計画課の豊後彰彦さん、須崎商工会議所の松田健さんです。今日のテーマは「須崎の可能性」についてです。高速道路も須崎市まで開通し、高知市とも近くなりました。また西へも伸張しています。これをチャンスとする動きがあるようなのですが・・・・。
高速道路と須崎バイパスで須崎市内の交通渋滞は緩和されました。プラス面とマイナ  ス面はどういうところにありましたか?
松田 今までは「須崎ってどんな町?」と聞かれましたら、「交通渋滞の町」と答える人が多かったですね。朝も、夕方もそうですね。それが高速道路と須崎バイパスの効果で、須崎市を通過される方が時間配分が出来るようになったと言われます。マイナス面は便利になると、地元の人間がすいすいと高知市方面へ買い物や遊びに行ってしまうことですね。吸い取られるだけでなく、逆に吸いこめるものはないかなと思いますが。そのあたりを自分達は大事に考えています。その戦略のひとつが「鍋焼きラーメンプロジェクトX」です。
プロジェクトXのなかで鍋焼きラーメンが2年前から取り組まれていることは聞きました。実際「交流人口」は増加しているのでしょうか?
松田 実績としての数字はつかめてはいません。高速道路の通行量ですが、最初JH(道路公団)さんは、1日4000台と予測されていました。それが7000台位になっています。具体的に面白い話ですが、須崎のJRの駅に観光で来られる人は今まで皆無でした。駅を降りられてタクシーへ乗られたお客さんが「鍋焼きラーメンのお店へ連れて行って」と言ったお客さんが増加しています。JRの駅に「らーめんマップ」を置いていますが、それがどんどんなくなっています。高速道路の料金所にも置いていますが、どんどんなくなっています。1年間で10万部ぐらいなくなりました。30万食ぐらい売れていますので、それを交流人口と言えばそうなりますね。
かなりの成果ですね。ただ先日須崎へビジターとして車で行きました。昼過ぎでランチをしていませんでしたので、鍋焼きラーメンでも食べようかなと思っていました。須崎市の商店街へ入りますと、鍋焼きラーメンのお店を示す、黄色の旗がありました。しかし道路は狭いし、駐車場はありませんし、そのあたりビジターには不親切な街ですね。
松田 須崎の鍋焼きラーメンは「B級グルメ」で「路地裏の食文化」だと。路地のあちこちにお店がある、不便だけれども庶民は鍋焼きラーメンをすすっている。県外の人、市外の人に食べに来ていただく、なんていう発想はなかったです。今はビジターの方に迷惑をかけていますけれども、今は道の駅にレンタルサイクルもありますし。ゆっくり散策していただいて町並みを楽しみながら、人に触れ合っていただきたいですね。
むしろ須崎は商店街は道幅が狭いではないですか。逆に商店街からは車を追放してしまう。大規模な駐車場をこしらえ歩いていただくとか。自転車で散策してもらうとか、「ぐるりんバス」のようなシャトルバスを運行させるとかしていただきたいですね。そういう発想でしたほうが、良いように思いますね。須崎は歴史がありますから。
松田 それを提唱していますが、まだまだ市民には受け入れていただいていません。少しずつですね。「歩く町」というのを実行していきたいと思いますね。
水路があって倉敷みたいになったないいなと思いましても、後続車にクラクション鳴らされますし。散策しようと思いましたが、駐車場もありませんし。なんかもったいないですね。
松田 わかりやすいところがあれば、良いですね。現在でも文化会館は何も行事がなければ車置けますし。有料駐車場は新町駐車場があります。そういうところを発信できれば良いと思いますね。昔風の懐かしい建物や路地、子猫が魚をつまんだりしている風景など落ち着くねという世代は現状では少ないですね。お金では買えない街ですき、それを自分達は残していこうと思っています。鍋焼きラーメンに例えて、鍋焼きラーメンを残せん街は、50年先には残らない街であると思います。鍋焼きラーメンが50年先、100年先にあるようであれば、須崎もまだまだ元気な街であるということです。
倉敷なんかもたいしたことないと思います。倉敷のあの堀の1区画(美観地区と言うのでしょうか)と須崎の水路の1区画は差はないと思いますね。景観はあります。倉敷なども休日は駐車場が足りないから、公共施設、たとえば学校などの運動場を臨時駐車場にしたりしていました。
須崎市の「シンボルロード」12月1日からイルミネーションが点灯されるとのこと
豊後 言われているのは商品だけの問題ではない。全体としてのサービス品質の問題ですね。商工だけの問題ではないですね。だからぼくら交通関係とか土木関係とか「がっちゃんこ」してやれることが大事なのですね。
魚が美味しい。農産物もある。海もある。そしたらJRで来てもらう。高速道路で来てもらう。イオンへ行きたい人はあちらで受け入れていただく。逆に所得があって豊かな人、時間的余裕のある人達は、全国にいるのですから引きこんでいく戦略が必要ですね。
倉敷があれほど人気があるのも、何年もかかっているんもです。美観地区はほんの一区画です。あとは幻滅する街ですからね。倉敷は食べ物が美味しくないですね。景観が多少良くても食べ物がよくないと駄目です。
松田 それをやりとげるのが「3番」「4番」ですね。実はそれをしていまして、県庁にも働きかけています。
須崎は海産物、農産物、海と隣接した景観があります。それらを生かした須崎の可能性はどうであると思いますか?鍋焼きラーメンプロジェクトも進展しつつありますね。次の手を松田さんに伺います。
松田 やはり魚ですね。養殖の人、魚市場の人、鮮魚店の人、漁師さんとも一緒になってみんなで魚を売ろうと少しずつイベントなどをやっています。
それはニューヨークにあるフルトンマーケットのように、氷を詰め重ねた上に魚が陳列してある鮮魚店とか、2階はその市場風鮮魚店を見下ろしながら、シーフードを食べる店があるようにすればいいのではないでしょうか。海が近くにある。そんな街になればいいですね。須崎は海の街ですからきちんとそうしたものができますと集客力はあると思います。
1階が魚市場。2回がフードコートになっています。ニューヨーク市フルトンマーケット。
松田 せり落とされた魚がその場で食べられる。今まちづくり委員会でも話題になっています。そこでは国の合同庁舎が出来ていまして、城山と言う山から、魚市場まで抜けている通りがあります。それが救急車通れない4メートル幅の道路なので、拡幅して南北の大きな道路しする計画になっています。そのことが魚市場の再開発に進んでいくのではないでしょうか。
サンフランシスコのフィシャマンズワーフというのもありますが、街に中心街に近いところにありますね。町のはずれにあってもまずいと思いますね。街づくりや再生事業の中で、うまくつないで行くことができたら良いと思いますが。高速道を降りて駐車場へ車を置く。歩きます。JRからも歩いていく。そういうリンクができたら言うことないですが。
アメリカは、サンフランシスコ市にあるフィシュマンズワーフ
松田 そうなれば楽しい街ができますね。
須崎市の中心街に水路があって、景観整備されて良い感じですね。あそこをなぜもっと活かさないのかと思いますね。
松田 より皆さんに知っていただきために、12月1日からシンボルロードにイルミネーションを点燈させます。市民参加で飾ります。
日本丸が来たときにも、私も須崎へディンギーヨットを持ってきて、その前でセーリングしたりしました。須崎は海の街だから海を活用することをどんどんやっていただきたいですね。
松田 ドラゴンカヌー大会もやっていますし。
国体もカヌーをやりましたし。それだけの容量は須崎市にはありますね。
松田 あると思います。