住民の支えあいマップづくりについて

 今週のゲストは、高知市在宅介護支援センターしんぼりで看護士をされています永野みどりさんと、社会福祉士の大塚理江子さんです。今日のテーマは「住民の支えあいマップづくりについて」でお話を伺います。
先月「桜井町マップづくり」を西岡燃料さんところで関係者が集まり実施されたように聞きました。
 どのような地図をこしらえたのでしょうか?どんな記述があったのでしょうか?
大塚 これは桜井町の住民の皆さんの日頃の繋がりとか、住民のみなさッがどんな場所へ集まっているのか。そういう情報を地図上に書きました。その住民の方の交流とかを話だけではなく、実際に地図上に書いたのが支えあいマップです。
永野 そのなかでわかったことは地域には高齢者の人が多いことです。それから空き家が目立ってきた。駐車場が増えているということです。いろいろとわかってきました。
 マップづくりの参加者には、どのような人たちがいたのでしょうか  ?
桜井町マップ作りの様子です。(写真は永野みどりさんと大塚理江子さんに提供いただきました。)
 
大塚 その地域の民生委員さんや、実際に住んでいる住民の方々や、私達、高知市元気生きがい課、高知市社会福祉協議会の人たちです。高知女子大学の学生達にも参加していただきました。
 社会福祉協議会とか、高知市元気生きがい課や、高知女子大学の学生達の参加状況からしますと、その地図によって「介護支援」についての調査になるのでしょうか?それとも防災対策のためなのかどうなのでしょうか?
永野 桜井町の方で、自主防災組織を立ち上げようと言う動きがありました。それと地図おとしをしてみよう言う私達の意図もありました。
 住民が集まる場所とか、どちらへ買い物に行かれるとか。「動線 」のようなものを発見したわけですね。
 桜井町は高知市の中心街の一角にありますね。古い民家もあれば、高層マンションもあります。新旧の住民の触れ合いや交流などの様子はどうなのでしょうか?
永野 以前は地域の運動会があったりとか、お祭りがあったりとか繋がりがありました。新しく入って来られた人たちは、町内会にも入らない人もいます。
 昔から住んでいる人と、新しい住民との繋がりが薄くなってきています。なにかあったときに「困るな」というお話を聞いています。
 防災の時などにも。マンションに誰が住んでいるのかわからないということですね。私も地域防災支援員というのを町内でしていますが、マンションやアパートなどでは町内会へも入らない人も多く、状況がわかりませんね。
永野 町内会費を集めるのも大変であるとか。大変のようですね。

 最近そうなってきたのでしょうか。
大塚 最近と言うか、徐々にというか。新しい住民の方が増えてきてからでしょうか。
 桜井町は最近県立中央病院がなくなりました。その周辺の道路が整備され、道路幅が広がるそうです。それによりどのような影響が今後出てくると思われますか?
県立中央病院跡
桜井町も道路幅が広がりつつあります。
永野 桜井町は高齢者が住みやすい街でありました。昔ながらの街並みと住居がありますし。県立中央病院がなくなってしまいましたので、地域の「安心の拠点」がなくなりました。
 私達も高齢者のみなさんの自宅を訪問して聞く話があります。「中央病院があったときは安心だったのにね」と。
 地域の安心とコミュニティの役割がありましたね。ふれあいセンターそのものでありました。地域の人たちは夜灯りがついているだけで安心感があったようですので。
大塚 私達もよく聞きますのは。県立中央病院が、生活の場、交流の場になっていたことです。本当に皆さんによく聞きました。
 県立中央病院の売店で買い物をし。食堂で食事をされていたようです。みんなにあって交流をされていました。その場所がひとつ減ったわけです。よくそういう話は聞きました。
 県立病院は医療の拠点ばかりでなく、ふれあいセンターのような施設であったのですね。
 
大塚 そうですね。
 他の地域でも「支えあいマップ」は作成されているのでしょうか?
以前はりまや橋商店街でも作成されていたようですが・・。
永野 丸池町で作成したことがありました。その地域も高齢者が多い町です。ミニデーサービスや民生委員さんの見回りの活動などが盛んな地域です。
 今度NHKテレビの「ご近所の底力」と言う番組で取り上げていただけることになりました。
 それは凄いことですね。
はりまや橋商店街でのマップ(地図)作りの様子です。
 
永野 とても嬉しいことです。
 ということは、丸池町は、ご近所同士で支えあっている町なのでしょうか?
永野 そうですね。「声掛け運動」や「見守り」もそうですね。
民生委員さんが行っている月1回の見守りではなくて、安否確認をしたり、声かけあったりしたり、小さなサロン活動などもしています。
 住民同士が、お互いを気に掛けながら生活をされている様子が、マップづくりのなかで感じました。
 作成されました「住民のささえあいマップ」ですが、どのように活用されるものなのでしょうか?また実際に活用されているのでしょう か?
永野 地域の方が、自分達の地域をどうするのかの「目安」になるのではないでしょうか。行政側からの福祉指針だけではなく、自分達が地域
をそうするのかという目安になります。
 やはり地域をマップに落としますと、「みんなで共有するものだ」ということを私達は感じます。