宇宙メダカの世界的意義は?
 今週のゲストは、宇宙メダカ保存会代表であり、前田興産代表の前田正雄さんです。今日のテーマは「宇宙メダカの世界的意義は?」でお話をお聞きします。
 1994年に日本人宇宙飛行士である向井千秋さんが、スペースシャトルにメダカをもちこみ実験をされていました。その船内でメダカが産卵し生まれたのが宇宙メダカです。
宇宙メダカはそもそもどういう特色があるのでしょうか?また実験により明らかになったことはどのようなことだったのでしょうか?

 宇宙メダカというのは、そもそもがヒメダカです。江戸時代に普通のメダカから分けられて観賞用に分類されたヒメダカの子孫です。

 そのなかで、特に[宇宙酔い」をしない。遺伝子的に言うとCCCT系統です。CCCT系統があるメダカと言うことです。

前田正雄さん
「宇宙メダカは宇宙酔いしない」ということが言われています。それはどうしてなのでしょうか?人類の来るべき宇宙旅行に役立つ情報が宇宙メダカから得られたのでしょうか?
前田正雄さんところで飼育されている宇宙メダカ。健全にそだっています。
 
 それは特定遺伝子で、宇宙酔いしないということを発見しました。将来人類が宇宙旅行をしていくなかで、カルシウムと蛋白源を宇宙のなかでメダカを養殖することによって補給し、確保できます。新鮮なものを食べることが出来ます。
 他の生物は、確かにやりましたが、メダカのように完璧な状態で宇宙で産卵することができませんでした。今のところ脊椎動物で唯一宇宙で産卵した生物です。
 宇宙で誕生したメダカは何匹だったのでしょうか?またその子孫達は順調に地上で成長し、子孫を増やしているのでしょうか?
 それこそ3年前に東京六本木ヒルズで宇宙メダカの放流式をやりました。その時に、ほぼ800人ぐらいの里親ができました。それで六本木ヒルズの毛利池で放流したのです。宇宙へ行きましたコスモと未来、夢と元気の2カップルから生まれたメダカです。
 私達の手もとに来ていますのは、夢と元気の子孫達です。今高知からほぼ日本全国に向かって発信している夢と元気の子孫は6世代から15〜6世代のメダカです。
 メダカの寿命というのは何年ぐらいなのでしょうか?
 自然界ではだいたい1〜2年です。私達の水槽で餌を与えていますと3〜4年は大丈夫です。1つのペアで1回に産める卵は30個ぐらいですね。スペースシャトルでは1回しか産卵しませんでした。
 前田さんは宇宙メダカ保存会会長をされています。宇宙メダカの資料は東京大学アイソトープ総合センター助教授の井尻憲一さんがすべて出されているようです。前田さんの保存会はどのような役割をされているのでしょうか?
スペースシャトル内での宇宙メダカ。産卵しています。写真は前田正雄さん提供。
 
 第一には東大の財産を勝手に処分できないということです。国有財産ですからね。宇宙メダカは。民間の人間に飼育を委託するという形をとっていただいています。それが宇宙メダカ保存会です。
 前田さんは「認定書」を発行されていました。宇宙メダカの管理は難しいからなのでしょうか?
 はい。一応ほぼ分別はできます。無重力状態で回転するメダカと回転しないメダカはです。その回転しないCCCT系統の特長を持っているメダカを学校とかいろんな施設に寄贈させていただきまして、ちょっとした夢を持っていただこう。それが宇宙メダカ保存会の目的です。
 その認定書は宇宙メダカ保存会でしか出せません。認定書を出すための条件とは何でしょうか?
 まず、「公共」という名目「研究」という名目の2通りあります。
 2通りであることは理解できました。ニュースなどでは小学校などに寄贈されているのを見たことがあります。
 それは子供たちに、もっと理科に興味を持っていただきたい。生物系の科目に目を向けていただきたいというのが第一です。
 それから今自然破壊などと言われていますので、環境の保全に目を向けていただきたいのです。できるだけ多くの人の目に触れていただきたいというのが、主旨です。
 現在宇宙メダカの子孫は何代目になっているのでしょうか?。また推定宇宙メダカは地球上に何匹いるのでしょうか?
 それが皆さんがすべて成功していれば10万匹は超えていると思います。殆どの方が、飼育に失敗されます。堂々めぐりと言うのは言葉が悪いですが、現在は推定5万匹はいるでしょう。
 世代的には15〜6世代までいっていると思います。
 宇宙メダカ保存会代表は前田正雄さん。会長は橋本大二郎知事、研究部長は高橋次郎さんです。
宇宙メダカ公式ホームページ 
宇宙メダカ実験研究代表者:井尻憲一さんのサイトです。

http://cosmo.ric.u-tokyo.ac.jp/SPACEMEDAKA/j

スペースシャトルでの実験の様子や、その意義につきましては、この冊子とビデオに収められています。

子ども達は実際に寄贈された宇宙メダカとその説明用VTRと解説で深く理解することができます。

VTRには音声ははいっていません。画面を集中して見て、同時に解説本を読みますと理解がづかまることがわかりました。