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安田純平さん講演会に220人参加
 2005年11月26日高知市の高新文化ホールは220人の参加者がありました。当初は当日イベントが重なり、世話人各位も仕事柄思うに動けないメンバーばかりで、事前の取り組みが満足とはいえなかったからです。でも市民各位の意識の高さ、危機意識の高まりを会場の熱気から感じました。
 安田純平さんは昨年の11月6日にも高知市で講演されています。そのときは、昨年4月にイラクに拘束されたことの話が中心でした。
 今回は昨年の講演会から1年経つのですが、イラクも日本国内も大きな変化しています。そのあたりの話をしていただきました。
講演会の様子です(高新文化ホール)
 前半のイラクの話です。形の上では暫定政権が誕生し、国政選挙を行い国際社会に復帰した形になっています。しかし政情は不安定で、かつての支配者スンニ派と、多数派のシーア派との対立と言う図式では割り切れない情勢であるとのことです。

 今回講演会直前に安田さんはイラク北部のクルド自治区に行かれたそうです。クルド民族は世界で最大の少数民族ですが、2000万人の多くは、イラク、イラン、トルコ、シリアなどに分散し、それぞれの国で抑圧、迫害されてきた歴史があります。
 ましてイラクはかつてフセイン政権時代に、石油資源があることもあり融和と対立を繰り返し、湾岸戦争時には化学兵器で虐殺も行われています。

クルド族のスンニ派という人たちもいるそうで、簡単な色分け「スンニ派=旧フセイン政権支持。シーア派=多数派イラン寄り」ということは出来ないそうです。
( この地域でアメリカがかくも嫌われている理由は、やはりパレスチナ問題で、イスラエル支持を鮮明にしているからでしょう。)
 前半は複雑なイラク情勢の一端を揉み解していただきました。

 後半は、メディア報道の見極め方を中心に話されました。特に最近多用される「テロ」「武装勢力」「民間人」という用語は、使い方、使われ方で全然意味合いが異なると言うものです。
 昨年も少しだけ説明がありましたが、バクダットでのバクダットホテルの爆破事件の報道です。読売新聞だけが1面トップに掲載されました。他の全国紙は他の紙面のべた記事扱いでした。イラクでは爆破事件は日常茶飯事。取るに足らない事件です

「武装勢力スカーフ」お土産に持参いただきました。
イラク北部クルド自治区の説明をされています。
 安田純平さんはぞの爆破事件の前日偶然そのホテル前を車で通過されており、写真も撮影されていました。会場で見せていただいた写真では、ホテルはコンクリートの塀で囲まれ、警備兵が屋上にも土嚢の陣地をこしらえ銃座がありました。
 この光景を見てもこのホテルは軍関係者の要塞であり、普通の旅行者が宿泊するホテルではありません。死亡した民間人はCIA関係者か、米軍退役者の民間警備会社の人だと想定するのが普通です。

 しかし「民間人」と言う言葉と、「テロ」と「武装勢力」という言葉を入れますと、あたかもテロリストに民間人が攻撃されたかのように取れます。安田さんはこの記事の理由は、同じ1面に「防衛大綱の改正案」の報道記事があり、対応していると指摘されていました。なるほどメデイァの報道の意図を読まないといけませんね。

 一つの情報元ではなく、新聞も複数読み比べ、、テレビだけでなくインターネットの情報も読み比べる。それが大事であると安田純平さんは言われました。
 会場からは3人の質問者がいました、最後まで皆さん熱心でした。

武装勢力スカーフです。
学生も安田さんに質問をされていました。
 講演会終了後の安田純平さん
 講演会終了後は、高知シティFMにて「けんちゃんのどこでもコミュニティ」での特別番組の収録をいたしました。約1時間の収録です。記念撮影を行い、色紙にサインもいただきました。
 講演会スタッフとの交流会にも参加されました。全国チェーンの居酒屋での食事が多いということなので、高知ローカル色豊かな居酒屋葉牡丹での食事会です。鰹、鰹のたたき、鰹の寿司。ちゃんばら貝。串カツ。など。高知流「おきゃく」ですね。
  2次会、3次会と楽しまれていたようです。
流石に若いだけありまして酒は嗜まれます。私は疲れもあり、1次会の葉牡丹で失礼させていただきました。よく食べ、よく懇談しました
 
 地元新聞も力をいれた報道をしていただきました。