今回講演会直前に安田さんはイラク北部のクルド自治区に行かれたそうです。クルド民族は世界で最大の少数民族ですが、2000万人の多くは、イラク、イラン、トルコ、シリアなどに分散し、それぞれの国で抑圧、迫害されてきた歴史があります。 ましてイラクはかつてフセイン政権時代に、石油資源があることもあり融和と対立を繰り返し、湾岸戦争時には化学兵器で虐殺も行われています。
後半は、メディア報道の見極め方を中心に話されました。特に最近多用される「テロ」「武装勢力」「民間人」という用語は、使い方、使われ方で全然意味合いが異なると言うものです。 昨年も少しだけ説明がありましたが、バクダットでのバクダットホテルの爆破事件の報道です。読売新聞だけが1面トップに掲載されました。他の全国紙は他の紙面のべた記事扱いでした。イラクでは爆破事件は日常茶飯事。取るに足らない事件です
しかし「民間人」と言う言葉と、「テロ」と「武装勢力」という言葉を入れますと、あたかもテロリストに民間人が攻撃されたかのように取れます。安田さんはこの記事の理由は、同じ1面に「防衛大綱の改正案」の報道記事があり、対応していると指摘されていました。なるほどメデイァの報道の意図を読まないといけませんね。
一つの情報元ではなく、新聞も複数読み比べ、、テレビだけでなくインターネットの情報も読み比べる。それが大事であると安田純平さんは言われました。 会場からは3人の質問者がいました、最後まで皆さん熱心でした。