男女機会均等は進行しましたか?
今週のゲストは、内田洋子さんです。内田さんは現在NPO高知市民会議の専務理事をされています。内田さんは以前「男女機会均等」をテーマにした演劇にも出演されていました。今日のテーマは「男女機会均等は進行しましたか・」です。
高知市や、高知県にも男女機会均等の課がこしらえられ、今年には条例も制定されるようです。社会環境などは10年ぐらい前より進展したようです。
就労状況や、賃金、待遇面などでは「格差」はなくなったのでしょうか?
はっきり言いまして「格差」はなくなっていません。それは社会情勢、女性の就労状況がなかなか厳しいですね。最近新卒の女子学生の就労先がないことを、都会であれ、地方でも言われています。
女性の場合は出産、育児の負担があります。また最近は介護の負担もあるようです。
負担を軽減する動きはあるのでしょうか?
まあ介護保険が出来来ましたので、少しは楽にはなったでしょう。その反面費用ががかかります。社会で負担し、支える考え方ですね。介護のなかで日本は特色がありますのは、「少子・高齢化」社会になりました。世界で類をみないスピードで日本は進行しています。それは大変なことですね。個人で支えることは大変です。
実際の介護になりますと、家事のこと皆が日常生活のこと。人が生活するこまごましたこと、買い物や掃除などが、大変だと思います。あえて他人に頼まなくても自分や家族で出来るだろうことが、大事なことになりますね。
私も昨年ホームヘルパーに資格を取りました。それでわかりましたのは、介護の認定をするのは、ケアマネージャーや介護福祉士ですね。ヘルパーは完全なヘルパーなのですね。訪問介護で派遣されて、決まりごとが身体介護だとします。もっと掃除をしたらいいのにと思いましても勝手に掃除をしてはいけないとされています。それはなぜかと言いますと、「このヘルパーさんはしてくれたが、こちらのヘルパーさんはしてくれなかった」と言われるから駄目だそうなのです。
なにか見えないところに「バリヤ」がありますね。
男性側の協力はどうなのでしょうか?以前に比較すると協力度合いは向上しているのでしょうか?
負担はそれぞれにきています。男性側が育児休暇なり、介護休暇を取得できる環境が事業所にあるかどうかでしょう。(男性がそうした休暇取得できる事業所を評価すること)事業所を支援することが市民としても必要だと思います。
高知県の場合公務員を除いた一般的な民間企業は中小規模であり、賃金水準も高くはありません。女性も家庭をもたれても就労される事例が多いと聞いています。働き、家庭の家事と余計負担が女性にかかります。最近の若い女性も大丈夫なのでしょうか?
最近結婚年齢が高くなりました。また出産しますと女性の場合、とても興味のある、充実した仕事をしている場合、手放さなくてはならない事態になる事例が多いですね。
子供を持つ年齢も高くなりますね。
女性が高学歴化して、総合職などに就職されますと、仕事を失いたくないから、結婚もしたくないし、出産もしたくないようになりますね。復帰したくても前の職場には戻れないし、前と同じ待遇も保障されないのでは、あたりまえですね。
それをうまく処理しているモデルケースの企業はありますか?あればご披露してください。
ひとつはセゾングループですね。退職されても「パートナー社員」という制度があり、子育てが一巡したら職場に復帰する仕組みのようです。「結婚・出産・育児」をマイナスイメージではなしに、経験を職場のなかで生かすプラス志向の発想ですね。それが制度化していました。
それから随分前ですが、私が東京にいた時代、大手のメーカーでしたが、会社に社員用の保育所がありました。出社時間もラッシュアワーを避ける時間帯にして仕事が出来る配慮がありましね。
余裕のある都市部の大企業の話で、高知の場合はなかなか真似はできませんね。
子育て支援、介護支援のNPOの活動が必要ですね。そうした仕組みが出来れば、その地域は豊かになりますね。
昔の日本は農村社会で、農作業や冠婚葬祭やお祭りなどは近所との助け合い共同体が出来ていました。今は市民社会ですから、新しい相互扶助の仕組みが必要ですね。
地域で自分が困っているので新しい相互扶助の仕組みをつくろうと活動している若い人達もいます。私たちはそうした人たちを支援したいと思います。