sennyou友好の宴
女性のクリニックリストの目的は?
 今週のゲストは、鍼灸師である辻恵子さんです。今日のテーマは「女性のクリニックリストの目的は?」でお話を伺います。
 昨日はクリニックリスト作成の背景の話を聞きました。沢山の女性達からアンケートを回収され、分析されたと思います。
目的が「医療を良くすること」となっています。今までの医療は女性にとってどのようなところが問題であったのでしょうか?

目的は医療を良くする事とのお話がありましたが、私たちの目的はどちらかと言いますと、「女性自身が力をつけていこう」「女性が手をつないでいく」ということに今のところ力を入れています。
 そのなかで結果として医療が良くなれば良いなという風に思っています。
 今までの医療はどのようなことが問題があったのかということで、分析ということなどはしていません。1人1人の声を伝えましょうということなのですね。
女のクリニックリスト。高知では昨年10月からスタートしました。大阪では20年の歴史があります。記入していただくことにより「情報の共有」が出来ると思われます。
実際の医療機関で改善されたことにはどのような事例がありますか?それは女性患者、医療機関双方にとって良かったことなのでしょうか。
 なかなか改善されたということにはなっているかどうかですね。こちらから医療機関にアプローチも今のところしておりませんし。
 アンケートのなかでの声を少しお伝えさせていただきます。
 私たちの活動は去年の秋頃から始まりました。高知新聞に2回掲載していただきました。そのときには、「アンケートを集めます」「アンケートを閲覧を開始します」という内容が掲載されました。
女のクリニックリストの説明文です。連絡先も明示されています。
 
 アンケートに協力しますという以外に、相談の電話がありました。相談を受けると言う内容ではなかったのですが。相談の電話もありました。それから1月頃でしたでしょうか、高知新聞に産婦人科で嫌な思いをしたという投書が掲載されました。そういうなかで問題として出てきたのは、「プライバシーがいかに産婦人科で守られていないか」という問題が出てきました・
 産婦人科では子宮の病気を扱っていますよね。他人に知られたくないこと。例えば中絶することなので受診に来る人もおられます。そういうことが「筒抜け」であると。そういう投書がありました。私のところへの電話でも「検診にいかねばならないけれども、あんな思いは二度としたくはない。どいうしたらいいでしょうか。」と電話口で泣かれた方もいました。
 結構そのようなシビアなことが出てくるということは、それ以上にあるということですね。
 そういわれて見ますと私の子供が誕生する頃ですから20数年前ですが、家内を連れて産婦人科へ受診に行きました。待合室にいますと妊娠判定でおめでたですねなんて言われました。他の受診者を見ますとそうではなく中絶にこられているカップルの人達もおられました。
 雰囲気でわかりますし。なんか知られたくないことも待合室で他の人にわかってしまうようなことが。それは随分昔のことでしたが、今でもそんなことがあるのでしょうか?
 投書はあると書かれていたようです。やはり言われたくないこと他の病気でもありますよね。その状況は言われた20数年前と変わっていないようなのですね。呆れますね。 辻恵子さん
 インターネットなどで公開して、調査をすればもっと回収は多くなるのではないでしょうか?
でも「なりすまし」などの輩が出てくるかもしれませんね。
 それはないでしょう。質問項目が〇×式ばかりであればありうるかもしれませんが。結構書く部分が多く、読めばそれはわかります。当事者ならではのことですので。
 インターネットの苦手な人間が多いですので。
 そうであれば女性グループもおられるでしょうし、大学生や教官も巻き込めば可能になるでしょう。
 アンケートには「共通アンケート」と「症状別アンケート」があるようです。
 共通は医療機関の概要で、症状別は各個人の症状による治療方法、投薬、検査などの項目が調査されています。どういう内容なのでしょうか?おかまいない範囲で説明をお願いします。
 内容については、病院名をかいてもらっています。どういう症状でかかったか。治療についての説明がちゃんとなされたかとか。そのあたりは選択する設問になっています。
 それ以降はご自身で記入していただく部分が多くなっています。記入していただく部分としては医師とか,看護師の態度がどうであったのか。あるいは婦人科独特の診察方法で内診というものがあります。女性の方はおわかりだと思います。内診のしかたがどうであったとか。
 普通内診のときはカーテンがあるのですが、そのカーテンについてどう思ったとか。プライバシーが守られていたかとか。医療を受けて医療機関に対してどう思ったかということを記入していただくようになっています。
 本当に書かれる方によりましては、欄に書ききれなくて、紙の裏にまでびっしりと書かれる方もいらっしゃいます。1人1人の思いが伝わって来ます。その書くことによって、自分がどのような医療を受けたのか。またどれくらい知っているのかということを書く人自身が振り返ることが出来ますし、次に医療を受ける時に「こうしよう」とういうことも思える。ということも含めてアンケートをこしらえています。
 アンケート自体を集計してデーターにしていくとかではなくて、そのまま書かれている項目を皆で閲覧して、「情報を共有化する」ことに取りあえずはなるのではないでしょうか?

 そうですね。さきほど症状別のものもありますと説明しましたが、症状別には例えばこういう治療法がありますというのも見ていただければわかるようにしています。
 例えば医師から「筋腫があるから切りましょう。」と言われましても、切らない治療法もあるんですね。そういうことも知っていたうえでいけば、こういう方法もあるんではということも言えますね。
 びっしり文章を書かれた方がいらっしゃったということは、「思い」が入っている記述になっているのでしょうか。
 そうですね。医療機関でこういうことがあった。つらい事があったという意見もあります。あるいは自分がこういう風にしてかかわればよかったのではとか。もし受診されるかたはこういう点に注意してらいいですよ。とか。様々なことが書いてあります。
 
 そうですね単なる噂話ではなく、ちゃんと項目に答えられている資料ですので、データとしての価値もありますね。
 
 ものを言う時に患者側も力をつけて行きませんと。鋭いところは指摘できません。医療内容について勉強しなければいけないところもでてくるでしょうし。