新会社法とLLPにおける新たな組織化とは
 今週のゲストは、社会保険労務士、行政書士、キャリアコンサルタント、であり情報処理技術者である竹内隆志さんです。今日のテーマは「新会社法とLLPにおける新たな組織化とは」でお話を伺います。
竹内さんは行政書士として、これまでNPO法人にも非常に詳しく、事務所の業務をとうして多くの法人の設立に関与されています。また商工会にも長く勤務されており組合法人のありかたにも詳しい人です。その経験を通じたお話や、助言、などをお聞きしたいと思います。
商法などが大幅に改正されたようです。このたび会社法が来年大きく変わります。
新会社法のポイントを幾つか上げてください。「1円」で会社が設立できるようですが?
 そうですね。資本金が1円でも会社ができるようになりました。現在でも確認会社がありまして、創業者であればできました。今回の改正ではだれでも設立可能です。
 有限会社という会社の形態はご存知であると思います。今回の会社法の改正で廃止されます。
 と言いますのは、これから設立することは出来ません。いままで設立している有限会社は廃止なければならないかと言いますとそれはかまいません。有限会社のままでも良いのです。
 もうひとつは株式会社は役員が3人以上必要でした。今回の改正でそれは1人でもかまわないことになりました。これはどういうことかと申しますと、会社設立を簡単にすることが目的です。
 なぜ新会社法が出来たのか、その背景にある時代の変化とその対応をお聞かせください。
以前は株式会社は「資本金1000万円。有限会社は300万円」が必要でした。そのためうちの会社も増資をしたように思います。1997年ごろだと思いますが・・
労働局は親への就労対策説明会(左写真)や、新卒対象者企業説明会なども開催しています。
 その頃の社会情勢は幽霊会社がたくさんありました。それを規制しようと言う意図がありました。今は日本経済の成長が止まっていますので会社設立を簡単にして、国際化に対応しないといけないということです。資本金の制限を解いている理由もそうです。ライブドアのように会社のありかたも変化していますし。

 なるほど会社が倒産、廃業でどんどん減っていますし。
ところで、有限会社はこれからどうなりますか。
 特例法でした。時限立法でしたので、廃止になります。株式会社が設立しやすくなったので役割を果たしたと考えられますね。
 いまLLP(有限責任準備組合)というものが密かに注目されていますが、今までの組織 、農協、漁協、商工会とはどこがどう違うのでしょうか。

 まずLLP(Limited Liability Partnership)といいますのは有限責任事業組合です。

 

 このパートナーシップというのは、出資者のことです、株式会社は株主と役員との分離をしています。LLPでは出資者と役員が一致しています。
 では農協などとはどうなのかと申しますと、それは各業種において職業域で組合を設置しています。LLPは、そうではなくプロジェクトごとに集まるようになります。そういう組合形式です。
 例えば何かの事業を始めたい時に、今の会社があります。新規事業の場合に新たな会社をこしらえなければなりませんが、その将来は不透明ですね。LLPはそのリスクの軽減も含め、節税のメリットも享受しながら柔軟な組織です。企業の共同事業向けの組織として注目されています。

IT時代のネットワークの組織のありかたとしてLLPはどう活用できると思われますか。
 そうですね。知識集約型の事業。人材養成型事業。共同労務管理事業などアイデアはありますね。ITの場合は起業家が多いわけですね。そういう方々はそれぞれの事業が影響しながら。専門家集団を形成していくうえで有益な組織形態と言えるでしょう。
竹内さん自身はこの組織について今後どのように活用していきたいと思いますか。
近い将来何か事業化などで計画はあるのでしょうか。会社組織、組合、NPO、そして
LLPなどそれぞれの組織の特性があるとは思いますが・・・
 私もいろんな法人の長所、短所があることを把握しています。NPOもそうです。
 少数の仲間と共同事業をやる場合はまさにLLPは適任ではないでしょうか。ひとつの節税メリットも高いです。専門分野での活用も仲間と一緒にすすめているところです。
少子化時代には突入しています。子育ての環境支援も大事な雇用対策になります。キャリア形成も同時に支援が必要でしょう。
http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/llp_seido.html (通商産業省) 有限責任準備組合(LLP)制度の創設
9月番組に戻ります。